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全米で女性躍進 州議会の女性比率、初めて3割を突破 50年で約7倍に 共和党女性もジワリ増加(2021年3月8日配信『東京新聞』)

 米国で昨年、大統領選とともに実施された州議会選では、女性候補者が大健闘し、議員数は史上最多を記録した。民主党が依然、共和党を圧倒しているものの、実は共和党もジワリと数を伸ばし、地力をつけつつある。専門家は女性の政治参画を推進する動きとして歓迎している。(ワシントン・岩田仲弘)

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◆日本の都道府県議会の女性議員比率は11.4%

 ラトガース大「米国女性と政治センター(CAWP)」の調べによると、全50州中44州で実施された上下両院選の結果、州議会の全議員7383人のうち女性議員は2279人に上り、全体に占める割合は初めて30%を超えた。

 1971年当時は、344人で女性の比率は4.5%。この50年間で7倍近く増えた。ちなみに日本の内閣府男女共同参画局の資料によると、都道府県議会の議員2668人のうち、女性は303人で、比率は11.4%にとどまる。

 州議会の女性議員2279人のうち民主党は1510人を占める。共和党は748人と民主党のほぼ半分だが、2018年選挙当時から1割以上増やした。2人の20代の新人議員に話を聴くと、新型コロナウイルスの感染拡大が政界入りに大きく影響していた。

◆「若い女性には無理」と差別的な対応も

 中西部カンザス州で、史上最年少の女性上院議員となったクリステン・オシェイさん(28)は、元中小企業経営のコンサルタント。「コロナ禍でも大企業は経営を継続できたのに零細企業は閉鎖を迫られた。そもそも州政府にそんな権限があるのか。学校閉鎖は子ども、家族に悪影響を与えた。女性は『もうたくさん!』と思っていたはず。良質な保守の主張を広める必要を感じた」と出馬の理由を語った。

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元中小企業経営のコンサルタントで、カンザス州で史上最年少の女性上院議員となったクリステン・オシェイさんさん(写真はいずれも本人提供)

 カンザス州は共和党の牙城で、大統領選でも1968年以来共和党候補が勝ち、昨年もトランプ前大統領(74)がバイデン大統領(78)を破った。ただ、オシェイさんの選挙区は長年、民主党が占め続け、選挙運動では「夫と2人で8000戸のドアをたたき続けた」という。

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オシェイさん

 差別的な対応も受けた。「ある高齢男性は、私が立候補するには若くて、議員は務まらないだろうと思っていた。なぜ私では無理と思うか尋ね、女性は能力があることを説得するところから始めないといけなかった。私が男性だったら、その必要はなかっただろう」と振り返る。

◆「地方が見過ごされているとコロナ禍で実感」
 東部バーモント州の下院議員に初当選したサマンサ・ルフェーブルさん(25)は森林伐採業を営む両親の下、田舎で育った。「都会は苦手で、ゆったりとした生活が好き」というルフェーブルさんは地方の病院で産婦人科の看護助手や消防士などを経験した後、立候補を決断。「いろんな人たちとの会話を通じて、対立した意見が生じても共通点を見いだせるようになった。みんなの声を政治に届けたいと思うようになった」という。

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バーモント州の下院議員に初当選したサマンサ・ルフェーブルさん

 コロナ禍では「地方が見過ごされていると実感した」とも。「選挙区にはネットがつながらないところも多く、家庭でオンライン学習ができない子どもがいた」。確かにルフェーブルさんとのオンライン取材では、回線がかなり不安定だった。

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ルフェーブルさん

 食料不足も顕在化したため「自給自足の重要性を感じた。もっと地元の農業従事者の待遇を改善する必要がある。私たちが最後に頼るのは彼らなのだから」と訴えた。
 バーモント州は1992年以降、大統領選で民主党候補が勝ち続けている。バイデン氏と党指名を争った党内左派のバーニー・サンダース上院議員(79)の地元でもあるが、ルフェーブルさんは「トランプ氏の米国第一主義に強く共鳴するし、今後も続けていくべきだと思う」とも語った。

◆多くの女性候補は「トランプ主義」信奉

 CAWPのケリー・ディトマー准教授(36)は共和党の女性が議席を伸ばした理由として①2018年の中間選挙で党が連邦議会の下院選や州議会選で民主党に惨敗した後、積極的に候補者養成に取り組んだ②18年に当選した民主党の女性議員は「極端に進歩的だ」などと訴えたことが功を奏した―などを挙げる。

 多くの女性候補が「トランプ主義」を信奉していたのも特徴的だ。「私も(トランプ氏と同様)アウトサイダーだ、民主党員は社会主義者だ、などと訴える女性が多かった。従来の穏健な党に戻そうという声はほとんど聞かれなかった」とディトマー氏分析する。

 その上で「ジェンダー平等を達成するには、民主党だけでは無理で、共和党も躍進しないといけない」と強調した。

 また、全米州議会会議の調べによると、今年1月開会した連邦議会の議員のうち、州議会議員の経験者は男女合わせて上院(定数100)で45人、下院(定数435)で190人に上る。民主、共和両党とも、州議会の女性議員の数を増やし、経験を積んだ議員の連邦議会への挑戦を促す、といった流れを加速させる必要がありそうだ。




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