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天皇陛下「忘れることのできない記憶」追悼式でおことば

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天皇陛下は、東日本大震災の発生から10年になる11日、皇后さまとともに東京都内で開かれた犠牲者の追悼式に出席し、被災者に寄せる思いを述べられました。

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追悼式には、これまで上皇ご夫妻や秋篠宮ご夫妻が臨まれ、天皇皇后両陛下は、今回、初めて出席されました。

式では、全員がマスクを着用し、地震が発生した午後2時46分に黙とうが行われたあと、天皇陛下がおことばを述べられました。

天皇陛下は、冒頭、犠牲者と遺族に深い哀悼の気持ちをあらわしたあと「この震災の被害の大きさは、忘れることのできない記憶として、今なお脳裏から離れることはありません」と述べられました。

続いて、復興が進む一方で被災地ではさまざまな課題が残っているとして「高齢者や子供たちを含め、被災された方々の心の傷を癒やし、心身の健康を見守っていくことも大切であると感じます」などと話されました。

そして、「困難な状況にある人々が、誰一人取り残されることなく、一日でも早く平穏な日常の暮らしを取り戻すことができるように、復興の歩みが着実に実を結んでいくよう、これからも私たち皆が心を合わせて、被災した地域の人々に末永く寄り添っていくことが大切であると思います」と述べられました。

天皇皇后両陛下 被災した人たちに心を寄せ続けられる

天皇皇后両陛下は、皇太子夫妻の時から、東日本大震災の被災地と被災した人たちに心を寄せ続けられています。

未曽有の大災害となった平成23年3月の東日本大震災では、両陛下は、発生の翌月、東京に設けられた避難所を訪問したのに続いて、被害の大きかった宮城、福島、岩手の東北3県などを相次いで訪れ、被災した人たちを見舞われました。

皇后さまは、療養が続いていましたが、被災した人たちを励ましたいと強く希望し、訪問を重ねられました。

天皇陛下は、翌年2月の記者会見で、東日本大震災について「この1年、常に頭から離れませんでした」と語ったうえで、「今なお困難な状況にある人々のことに、一人でも多くの人が思いを寄せ、それぞれが可能な形で手を差し伸べることが大切であると思います」と述べられました。

その後も両陛下は、被災した人たちに心を寄せ続け、東北3県の被災地をそれぞれ3回ずつ訪ねられてきました。

天皇陛下は、震災発生から5年となる平成28年の記者会見で「雅子とともに、被災者お一人一人の悲しみやご苦労に思いを寄せ、厳しい環境の下で暮らす被災者の健康とお幸せを祈りながら、被災地の復興に永く心を寄せていきたいと思っております」と述べられています。

そして、震災から10年の節目にあたることし、新型コロナウイルスの影響が続く中、両陛下の強い希望を受けてオンラインの形での東北3県への訪問が実現することになり、今月4日には、岩手県の被災地の復興状況を視察し、被災した人たちと懇談されました。

今後、宮城県と福島県もオンラインで視察される予定です。

天皇陛下は、先月(2月)の誕生日を前にした記者会見で、「震災からの傷がまだ癒えていない」などとしたうえで、直前に起きた福島県と宮城県で震度6強の激しい揺れを観測した地震を振り返りながら「未曽有の災害がもたらした被害の大きさが改めて思い起こされるとともに、過去のこととしてではなく、現在も続いていることとして考える必要があることを改めて感じました」と述べられています。



全文】天皇陛下のおことば 東日本大震災10年 犠牲者の追悼式(2021年3月11日配信『NHKニュース』)

天皇陛下は、東日本大震災の発生から10年になる11日、皇后さまとともに東京都内で開かれた犠牲者の追悼式に出席し、被災者に寄せる思いを述べられました。

以下、おことばの全文です。

東日本大震災から十年が経ちました。

ここに皆さんと共に、震災によって亡くなられた方々とその御遺族に対し、深く哀悼の意を表します。
十年前の今日、東日本を襲った巨大地震とそれに伴う津波により、二万人を超す方が亡くなり、行方不明となりました。

また、この地震に伴う津波や原子力発電所の事故により、多くの人々が避難生活を余儀なくされました。

この震災の被害の大きさは、忘れることのできない記憶として、今なお脳裏から離れることはありません。

あれから十年、数多くの被災者が、想像を絶する大きな被害を受けながらも、共に助け合いながら、幾多の困難を乗り越えてきました。

また、国や全国の地方自治体、百六十を超える国・地域や多数の国際機関、大勢のボランティアなど、国内外の多くの人々が様々な形で支援に力を尽くしてきました。

私も、皇后と共に、被災地を訪れてきましたが、関係者の努力と地域の人々の協力により、復興が進んできたことを感じています。

これまで復興に向けて歩んできた多くの人々の尽力とたゆみない努力に深く敬意を表します。

一方で、被災地ではまだ様々な課題が残っていると思います。

復興が進む中にあっても、新しく築かれた地域社会に新たに人と人とのつながりを培っていく上では課題も多いと聞きます。

家族や友人など親しい人を亡くしたり、あるいは住まいや仕事を失い、地域の人々と離れ離れになったりするなど生活環境が一変し、苦労を重ねている人々のことを思うと心が痛みます。

また、原子力発電所の事故の影響により、人々がいまだに自らの家に帰還できない地域や、帰還が始まったばかりの地域があり、農林水産業への風評被害の問題も残されています。

高齢者や子供たちを含め、被災された方々の心の傷を癒やし、心身の健康を見守っていくことも大切であると感じます。

今後、困難な状況にある人々が、誰一人取り残されることなく、一日でも早く平穏な日常の暮らしを取り戻すことができるように、復興の歩みが着実に実を結んでいくよう、これからも私たち皆が心を合わせて、被災した地域の人々に末永く寄り添っていくことが大切であると思います。

私も、皇后と共に、今後とも被災地の方々の声に耳を傾け、心を寄せ続けていきたいと思います。

先月にはマグニチュード七を超える地震が福島県沖で発生しました。

被災された皆さんに心からのお見舞いを申し上げます。

この地震は東日本大震災の余震と考えられており、このことからも、震災を過去のこととしてではなく、現在も続いていることとして捉えていく必要があると感じます。

我が国の歴史を振り返ると、巨大な自然災害は何度も発生しています。

過去の災害に遭遇した人々が、その都度、後世の私たちに残した貴重な記録も各地に残されています。

この度の大震災の大きな犠牲の下に学んだ教訓も、今後決して忘れることなく次の世代に語り継いでいくこと、そして災害の経験と教訓を忘れず、常に災害に備えておくことは極めて大切なことだと考えます。

そして、その教訓がいかされ、災害に強い国が築かれていくことを心から願っています。

今なお様々な困難を背負いながらも、その苦難を乗り越えようとたゆみない努力を続けている人々に思いを寄せ、安らかな日々が一日も早く戻ることを皆さんと共に願い、御霊への追悼の言葉といたします。





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