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児童虐待/早期発見で命と心を守れ(2019年8月5日配信『福島民友新聞』ー「社説」)

 虐待の芽を早期に摘む取り組みを強化し、子どもたちの命と心を守りたい。

 県によると、県内4児童相談所が2018年度に対応した児童虐待は前年度から3割増え、1549件で過去最多を更新した。

 相談経路は「警察など」が約6割で最も多く、「近隣・知人」が1割弱で前年度から倍増した。県は「近隣・知人」の通報が増えたのは、昨年から今年にかけて東京都目黒区や千葉県野田市で子どもが虐待により死亡する事件が相次いだことによる関心の高まりが背景にあると分析している。

 厚生労働省は児童相談所全国共通ダイヤル「189(いちはやく)」を設けている。通報者の秘密は保護される。「虐待ではなかったら」と通報をためらわず、「虐待かもしれない」と考えて児相に対応を委ねることが大切だ。

 虐待の通報で最も多いのは、保護者間の暴力で子どもがストレスを受けるなどの精神的虐待で7割弱を占めている。県によると、子どもは暴力を受けたり、見たりすることで、「自分は大切な存在だ」という気持ちが薄れるなどしてしまうほか、脳の発育への影響も指摘されているという。

 親から子への体罰を禁じることを盛り込んだ改正児童虐待防止法などが6月に成立した。虐待を「しつけ」と称する保護者が後を絶たないための改正だ。子どもの前での暴力、子どもへの暴力はいずれもあってはならないということを肝に銘じ、子育ての在り方を見つめ直すきっかけとしたい。

 厚労省が1日に示した、17年度に虐待で死亡した子どもは52人で、このうち5割を0歳児が占めた。予期せぬ妊娠から子どもを遺棄してしまうケースが目立っている。妊娠期から切れ目なく親を見守り、支えることで虐待を未然に防ぐ取り組みも強化が必要だ。

 児相に寄せられる虐待を含めた相談はこの10年で3割増となっている。県は対応の中心となる児童福祉司の増員などを進めているが、急速な増加に追いついていないのが現状だ。国は虐待などへの対応強化を目的に、全市町村に対し情報収集や児相などとの調整を担う「子ども家庭総合支援拠点」の設置を求めているが、県内では4市町村の設置にとどまっている。

 地域の事情に精通した市町村が児相と連携して家庭への支援に当たることにより、継続的な支援などでよりきめ細かな対応が期待できる。児相は緊急性の高い事案に集中的に対応することが可能となる。拠点を設置していない市町村には速やかな整備が求められる。




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