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五輪選考、時間との戦い 予選の中止・延期相次ぐ(2021年3月14日配信『日本経済新聞』)

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柔道などで国際大会が開催される一方、延期や中止となる大会も相次いでいる(3月の柔道グランドスラム・タシケント大会)=国際柔道連盟提供・共同

東京五輪・パラリンピックの出場枠を争う予選や大会の延期、中止が相次いでいる。新型コロナウイルスの影響が長引いているためで、既に予選開催を諦め、過去の成績に基づいて出場者を決める代替策を取る競技も出始めた。国際オリンピック委員会(IOC)が定める予選の終了期限は6月29日で、時間との戦いの様相も呈している。

1月末時点のIOC発表によると、約1万1000人の五輪出場枠のうち確定済みは61%。残り39%のうち、14%はテニスやゴルフなど世界ランキングで決めるため、大陸予選などで争う25%の行方が焦点になっている。現在、全出場枠が確定したのは自転車(ロード、トラック)、馬術、ホッケー、バレーボール、ソフトボールにとどまる。

3月には卓球、柔道、フェンシング、バドミントンなどで五輪出場枠にも関わる国際大会が行われているが、一方で各国の渡航制限などが立ちはだかり、再延期や中止となる大会も少なくない。

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五輪予選の開催を断念したのがボクシング。東京五輪の同競技を管轄するIOCの特別作業部会は、6月に予定していた世界最終予選の中止を発表。ここで決まるはずだった男女53枠を2017年以降の世界選手権の成績などに基づくランキングで割り振る。4月に予定していた欧州予選が6月に先送りされた影響で「五輪本番のコンディション面を考慮すると、最終予選を実施する時間が確保できない」(作業部会)と判断した。

体操は3月にドーハで予定していた種目別ワールドカップ(W杯)シリーズの最終戦が延期され、新たな日程が確定していない。国際体操連盟はこのまま打ち切る場合、それまでのシリーズ成績で出場枠を決めると5日発表した。空手もモロッコで開催予定だった選考レース最終戦のプレミアリーグ大会が中止に。4月30日からポルトガルで代替大会を組んだが、開催できなければ現時点でのランキングで出場者を決める。

代表の当落線上にいる選手たちの心中は揺れている。空手では男女2階級で日本代表が一騎打ちとなっていて、次大会で決着する。最後の1大会に逆転を懸ける女子61キロ級の森口彩美は「気持ちよく終わるためにも、開催されることを祈るのみ」と語り、同じ立場の男子67キロ級の篠原浩人も「試合がなくなったら悔しすぎる」と祈る思いを口にする。最終予選がなくなったボクシングは男女5選手が出場予定だった。日本連盟によると、ランキングでの出場枠獲得は絶望的という。

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3月に入ってフェンシングは五輪出場枠を争う大会が1年ぶりに再開された(©公益社団法人 日本フェンシング協会:Augusto Bizzi/FIE)

選考の公平性から、国際競技連盟も期限いっぱいまで大会開催を模索している。バドミントンは5月18日までとしていた選考期間を6月15日まで延ばした。3月再開を5月に先送りしたトライアスロンも、6月末までランキング対象期間を延長して大会消化をめざす。国際トライアスロン連合の大塚真一郎副会長は「選手たちは本番同様に、予選の開催も望んでいる。安全と公正の確保にギリギリまで努力する」と語る。

ただ、今回はコロナ下で従来の大会前とは違う対応を迫られる。予選から自国に戻って自主隔離などを求められると、本番直前の調整に支障が出る可能性もある。残された時間は決して多くない。

大会準備も課題多く 観客上限や医師確保

東京五輪開幕まで4カ月余りとなり、新型コロナウイルスの感染状況をにらみながらの大会準備が進む。4月には感染対策をチェックするテスト大会が始まり、観客動員の大枠も決まる。本番直前まで詰めの作業が続く。

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大会組織委員会などは海外からの一般観客受け入れを見送る方針。聖火リレーが始まる25日までに正式に決める。世界的に変異ウイルスが広がり、入国後の対策が難しいためだ。国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は12日、総会後の記者会見で「日本の判断を受け入れる」と容認する姿勢を示した。

海外向けのチケットは払い戻される見通し。販売済みのチケットは90万枚程度。チケット収入は100億円規模の減収となる可能性があり、その分をどう負担するか、東京都や国の間で議論となりそうだ。

五輪の聖火リレーは計121日間かけて全国859自治体を巡る。沿道に多くの人が集まる可能性があり、組織委は感染が深刻な地域では走行を見送る場合がある。組織委の「コロナ事態対応チーム」がリレー継続の可否判断や自治体への助言を行う。

最大の課題は競技会場に入る観客の上限を決めることだ。組織委は「100%」「50%」「無観客」と複数の選択肢から検討している。絞り込めばチケット収入に影響し、広げれば感染リスクが増すことになり、難しい判断を迫られる。

大会期間中の医療体制も早期にメドをつける必要がある。各地でワクチン接種が進めば医師や看護師を確保しづらくなる恐れがあり、組織委は医師会などとの調整を急ぐ。

大会では選手にワクチン接種を義務付けない一方、接種が進む国もある。バッハ会長は会見で「各国の指針や規則に従うことがIOCの原則で、どのようなものでも受け入れる」と述べた。中国はIOCに対し、参加選手らへの中国製ワクチン提供を申し出ている。




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Author:gogotamu2019
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