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同性婚認めないのは違憲「法の下の平等に反す」 札幌地裁、全国初判決 賠償請求は棄却(2021年3月17日配信『共同通信』)

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同性婚訴訟の札幌地裁判決後、「違憲判決」と書かれた紙を掲げる原告の弁護士と支援者ら=17日午前11時34分、札幌市

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同性婚訴訟判決で札幌地裁に向かう原告ら=17日午前、札幌市

 国が同性婚を認めていないのは憲法に違反するとして、北海道に住む同性カップル3組が国に計600万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、札幌地裁は17日、法の下の平等を定めた憲法14条に違反し、違憲との初判断を示した。請求は棄却した。全国5地裁で争われている同種訴訟で判決は初めて。性的少数者の権利保護の意識が高まる中、同性婚の導入を巡る議論に影響しそうだ。

 武部知子裁判長は判決理由で「同性カップルに婚姻によって生じる法的効果の一部すら与えないのは立法府の裁量権を超える」と指摘した。

 原告は男性カップル2組と女性カップル1組で、いずれも2019年1月に婚姻届を提出したが、不適法として受理されず、同2月に提訴した。

 憲法24条は「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立」するとし、結婚に関する民法の規定では「夫婦」という用語が使われている。このため、国側は当事者が「男女」であることが前提との法解釈をしている。



<視点>「同性婚訴訟」初判決を前に…婚姻の平等を促す判断を 社会部・奥野斐(2021年3月9日配信『東京新聞』)

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東京地裁での裁判後に思いを語る原告の小野春さん(右から2人目)と西川麻実さん(右)ら=東京・霞が関で

 「『認められない』『想定されていない』って、国は何度言うのか。そのたびに尊厳が傷つけられて、理不尽だと思う」。同性婚の実現を求め、国を相手に全国5地裁で行われている「同性婚訴訟」。東京地裁に訴えている原告メンバー、40代の小野春さんの切実な声が耳に残る。

 「想定されていない」のは、法律上同じ性別の2人の結婚。日本では現在、同性婚は認められておらず、憲法との関係について、政府は、憲法は同性婚を想定していない、との説明を繰り返してきた。

 東京地裁での裁判でも、国は「婚姻は、伝統的に生殖と結びついて理解されていたために男女間に成立する関係」「現在もなお、婚姻の当事者は男女であるとの理解が一般的」などと主張している。

 小野さんは、同じく原告で40代の女性パートナー西川麻実あさみさんとともに15年以上暮らす。小野さんは男性と結婚して授かった子ども2人、西川さんは1人を一緒に育ててきた。こうした実態を無視し、毎回判で押したような国の主張に、2月24日の裁判後、肩を落とした。

 同性婚は、2001年にオランダで法律が施行されて以降、欧米諸国を中心に現在約30の国・地域で認められている。反対派が根強くいる米国も、15年に連邦最高裁が同性婚を禁じる州法を違憲と判断、全州で認められた。アジアでは、17年に台湾の憲法裁判所にあたる司法院大法官会議が違憲判断を示し、19年に同性婚が実現した。

 日本はどうか。仮に憲法制定当時は、同性婚が想定されていなかったとしても、LGBTなど性的少数者への認知が高まり、社会情勢や国民意識も変わってきている今はどうなのか、という点に国は答えていないように感じる。

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「同性婚訴訟」で東京地裁での裁判後に記者の質問に答える佐藤郁夫さん=2019年4月

 今年1月、東京原告の1人、佐藤郁夫さん(61)が急逝した。脳出血で倒れ入院した病院で、パートナーの男性は佐藤さんの病状説明を受けるのを拒まれたという。

 同性カップルは長く生活をともにしていても、互いに法定相続人になれず、配偶者控除の対象になれないなど税制上の不利益がある。病院によっては親族でないと病状も聞けない場合がある。

 2月25日には、衆院予算委員会分科会で、尾辻かな子議員(立民)が同性婚を巡る憲法解釈について質問。上川陽子法相は、同性婚を認めるか否かについて「わが国の家族の在り方の根幹に関わる問題で、極めて慎重な検討を要する」と、これまた毎度の答弁で返した。

 東京の原告代理人の加藤慶二弁護士は「国の議論が進まないので司法に救済を求めている。同性愛者への差別を断ち切るため、司法は主体的に判断をしてほしい」と話す。

 同性婚訴訟は今月17日、札幌地裁で初判決が言い渡される予定だ。裁判官には「婚姻の平等」への議論を促す、積極的な判断を期待したい。

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社会部・奥野斐記者



「いろんな夫婦、集まれ。」がキャッチコピーなのに、法律婚でないと応募できない東京都公募企画の矛盾 【ニュースあなた発】(2019年11月18日配信『東京新聞』)

 「いろんな夫婦、集まれ」。そんなキャッチコピーで、東京都が二人の出会いや結婚の決め手となったエピソードを募集している。ところが、応募を試みた事実婚の女性から「法律婚以外は対象外と伝えられた」と本紙に情報が寄せられた。「これって、都が目指す多様性社会なの?」。そんな疑問に都はどう答えるのか。(奥野斐)

◆事実婚の体験談、応募しようとしたら…

 女性は、葛飾区の団体職員上田めぐみさん(42)。2013年に会社員男性(47)と挙式したが、婚姻制度に違和感があり、仕事上、姓が変わると困る事情や相手の姓も変えたくないと、事実婚を選んだ。今春、長男が誕生。都の広報誌でエピソード募集の案内を見つけ、「誰かの参考になれば」と応募しようとした。

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都の広報誌を見て応募しようとした上田めぐみさん。今春には長男も生まれた

 ところが、都の応募フォームには婚姻届提出日の入力欄があり、来年1月1日までに婚姻届を提出した人が対象。納得がいかず、都に確認もした。

◆募集パンフに「人それぞれ」「自分らしさ」うたってるのに

 募集チラシには「夫婦のカタチも幸せのカタチも人それぞれ」「自分らしさを大切にしている夫婦のエピソードを募集」とある。

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「いろんな夫婦、集まれ」とある東京都の結婚エピソード募集チラシ

 上田さんは「都がライフスタイルの多様性を理解して事業をしていると思ったのに、がっかり。『いろんな夫婦』というなら、事実婚でも、同性カップルでもいいはず」と話す。

 エピソード募集は、来年に向けた都の「ダイバーシティ 政策の柱5誰もが活躍できるまち」の事業の一つ。結婚応援イベントなどを含めた結婚支援事業全体の本年度予算は6千万円に上る。エピソードの締め切りは今月22日。5人の選定委員が選んだ百作品をイラストにし、サイトで公開する。

◆東京都「結婚へ踏み出せない人の後押しが目的」

 都の調査では、34歳以下の未婚者の約8割が「いずれ結婚するつもり」と回答。田中正之・都民活躍支援担当課長は「この事業は結婚を希望しながらも、一歩を踏み出せないでいる人への後押しが目的」と説明。事実婚を対象外にしたことは「多様なパートナーシップを否定するものではないが、募集は対象を明確にする必要があり、現行の法制度に基づき、社会一般に広く共有されている法律婚に限った」と話す。

 都内では渋谷区や世田谷区など、同性カップルを公的に承認する「パートナーシップ制度」の導入も増えているが、田中課長は「それぞれの自治体の判断であり、現状、都のパートナーシップ制度もない」と説明する。

◆2020年東京五輪・パラの精神「多様性と調和」に逆行

 しかし、来年の東京五輪・パラリンピックは、基本コンセプトに「多様性と調和」を掲げる。都は昨年10月、五輪憲章の理念実現を目指す人権尊重条例を制定し、LGBTなど性的少数者への差別も禁止した。

 早稲田大の棚村政行教授(家族法)は「今回の事業は法律婚に限定する必要性を感じられない。都は事実婚や同性婚など新しい家族を排除している。自らの人権尊重政策に反し、国際的な差別禁止・人権尊重の潮流にも逆行する」と指摘している。




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