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日テレ会長 アイヌ民族への不適切表現を謝罪「二度と起きないよう」(2021年3月18日配信『デイリースポーツ』)

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大久保好男氏

 日本民間放送連盟(民放連)の定例会長会見が18日、都内で開かれた。日本テレビホールディングス会長も務める大久保好男民放連会長は、日本テレビの情報番組「スッキリ」12日の放送でアイヌ民族に対する不適切な表現があったことを謝罪した。

 「アイヌ民族の皆さま、関係者の皆さまには心よりおわびを申し上げます。このようなことが二度と起きないよう、再発防止に努めると共にアイヌ民族の皆さまの歴史や文化、伝統を理解し、広く伝える取り組みを進めてまいります」と述べた。

 12日の「スッキリ」で、お笑いタレントがネット配信ドラマなどのオススメを紹介するコーナーで、アイヌ女性のドキュメンタリー作品を紹介。その後に作品を絡めて「ここで謎かけをひとつ」としたネタを披露した。

 この内容が問題となり、同局は夕方ニュースで謝罪を行い、15日の「スッキリ」の冒頭で水卜麻美アナウンサー(33)、極楽とんぼの加藤浩次(51)らが謝罪していた。



「多くが苦しんだ言葉」 日テレのアイヌ発言 地元で大きな反響(2021年3月18日配信『毎日新聞』)

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北海道白老町でカフェを営む田村直美さん=白老町で2021年3月16日午後12時半、山下智恵撮影

 日本テレビの情報番組「スッキリ」で、アイヌ民族を傷つける表現が放映され、地元の北海道を中心に波紋が広がっている。ネット交流サービス(SNS)では、発言したお笑い芸人への“攻撃”にも発展。発言に便乗し分断をあおるような発言も出てきた。テレビ局側の認識の甘さを指摘する意見に加え、アイヌの側からは抗議や憤りだけでなく、「歴史を学ぶきっかけに」と願う声も出ている。

 発端は、今月12日午前に放送された「スッキリ」でのお笑い芸人、脳みそ夫さんの表現。アイヌの女性をテーマにしたドキュメンタリー作品の紹介を受け、「この作品とかけまして動物を見つけたととく。その心は、あ、犬」と発言した。内容は事前収録だった。

 放送直後からSNSで問題視する声が相次ぎ、日本テレビは放送当日の午後に「担当者にこの表現が差別に当たるという認識が不足しており、放送前の確認も不十分だった。アイヌ民族の方々を傷つける不適切な表現で放送してしまった」とのコメントを出した。脳みそ夫さんも14日に「勉強不足を痛感」とSNSに直筆文書を公開し謝罪した。

 インターネットでは事態が沈静化せず、脳みそ夫さんを「差別主義」などと指弾する書き込みなどが相次ぐ一方、発言に乗じて「アイヌ民族なんていない」「何が悪いのか」と分断をあおる発言もあった。

 多くのアイヌが暮らす北海道では反響が大きく、市民団体や政党からも抗議や申し入れが相次いだ。道アイヌ協会は13日、日本テレビに放送前に問題視しなかった経緯などの説明を求め、16日には大川勝理事長が首相官邸を訪れ政府に対応を申し入れた。

 アイヌや研究者で作る「アイヌ政策検討市民会議」は15日、「ネット上の差別する側にどのような影響を与えたのかなどを調査し、メディアとして今後のあるべき姿を再構築すべきだ」と日本テレビを厳しく非難。政府も加藤勝信官房長官が同日の記者会見で「アイヌの人々を傷つける極めて不適切なもの。放送局に厳重な抗議をした」と述べた。

 「小学生のころ、まさにその言葉で後ろ指をさされ笑われた。まさか全国放送で流れるとは。怒りで体が震えた。差別の芽は常にある」。道内でアイヌの権利回復に取り組む「コタンの会」代表の清水裕二さん(80)は怒りをあらわにする。

 「差別的意味に気づかなかったとの日本テレビのコメントはより深刻。個人や放送局レベルの問題ではなく、日本社会で、なぜ先住民の権利・文化の復興が必要かが理解し共有されていない」と北海道大アイヌ・先住民研究センター長の加藤博文教授は問題の根深さを指摘する。

 2020年7月には国立アイヌ民族博物館を中心とした民族共生象徴空間(愛称ウポポイ)がオープンするなどアイヌへの関心や理解が深まり、内閣官房による同12月の世論調査では、アイヌ民族が先住民という認知度が初めて9割を超えた。

 だが、加藤教授は「先住民族の認知と差別禁止など施策の必要性が結びついていない」と指摘。「諸外国では国の政策が先住民族をどう傷つけてきたか、国のトップが和解のための表現を公に行い、全体に周知を図りけじめをつけてきた」と、日本との温度差を問いかける。

 北海道白老町でカフェ「ミナパチセ(アイヌ語で『みんなで笑う家』)」を営む田村直美さん(49)は中学生の頃から、今回問題となったのと同じフレーズでいじめられ「あ」「いぬ」という発音にすら反応するほど嫌だったという。彫りの深い自分の顔が好きになれず、子どもに遺伝しないよう願ったこともある。「多くのアイヌが苦しんだ言葉。放送で傷ついた人は多い」と話す。

 ただ、憤りや失望だけでなく共生への期待も持ち、今回の問題について「発言は教育の問題など、さまざまな要因がある。若い世代のアイヌはアイヌを誇りに発信をしている。さらなる分断のきっかけにするのではなく、アイヌの歴史を学んで知る契機にしてほしい」と訴えた。【山下智恵】

 ◇ことば「アイヌ民族」

 北海道を中心に、樺太(サハリン)や千島列島などで暮らしてきた先住民族。明治時代以後、政府による言語の制限や狩猟の禁止などの同化政策にさらされた。2007年には日本も賛成し国連先住民族の権利宣言を採択。翌08年にアイヌを先住民族と認めた。19年にはアイヌ施策推進法(正式名「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」)が施行され、アイヌを理由とした差別の禁止を明記した。

 ◇アイヌ差別表現を巡る経過

12日午前 日本テレビの情報番組「スッキリ」内でお笑い芸人がアイヌ民族への差別表現を使い発言。直後からSNSで批判相次ぐ

12日午後 日テレが「不適切な表現で放送」と謝罪するコメント発表

13日   北海道アイヌ協会が日テレに事情説明を申し入れ

14日   発言した芸人が謝罪の直筆文書をSNSに掲載

15日   加藤勝信官房長官が記者会見で「放送局に厳重注意した」と明らかにした

16日   道アイヌ協会の大川勝理事長が官邸を訪れ、政府に対応を要望。加藤官房長官が再発防止策を関係省庁で検討する方針を示す

差別発言放映の原因究明と再発防止策の徹底を求めます
2021年3月15日

日本テレビ代表取締役会長執行役員大久保好男様

STVテレビ代表取締役社長根岸豊明様

アイヌ政策検討市民会議(代表 丸山 博)

3月12日、貴社の情報番組で放映されたアイヌに対する重大な差別発言は看過できません。しかも、一個人が番組の進行中に突発的に発したものではなく、事前に収録されていた発言を放映した以上、貴社には今回の差別発言のチェックを怠り、放映した責任が厳しく問われます。差別発言に対する真摯な謝罪は大切です。しかし、謝罪だけに矮小化される問題ではありません。なぜ、このようなことが起きたのか、差別発言が差別される側、あるいはネット上の差別する側にどのような影響を与えたのか、さらに今後このような事態を繰り返さないためにはどうすればいいのかといったことなどについて調査し、公共言論空間を形成するメディアとして、今後のあるべき姿を再構築すべきだと考えます。

1997年、国連の人種差別撤廃委員会は、先住民族の権利に関する文書(GeneralRecommendation23)において、締約国に対し、五つの事項の履行を求めています。(1)先住民族の独自の文化、歴史、言語、生活様式を認め、敬意を払い、それらの維持を促進すること、(2)先住民族を理由に差別を受けないよう保証すること、(3)先住民族が文化的特性を踏まえた経済的社会的発展を持続的に行うことのできる条件を整備すること、(4)先住民族の権利や利益に直接関係する決定には彼ら/彼女らに十分な情報を与えた上での同意が不可欠であ

ることを保証すること、(5)先住民族社会が文化的伝統や慣行を実践/再生し、言語を保存し使用する権利を有することを保証すること。なお、人種差別撤廃委員会は、法的拘束力を有

する人種差別撤廃条約を日本を含む締約国が遵守し、それに沿って国内法を整備する義務を果たしているかどうかをモニタリングするために設けられた機関です。

日本は他の先進諸国に比べて、上記の五つの事項の履行には程遠い段階にあります。日本テレビを含むメディアは、主権在民と人権擁護という民主主義の大前提に立って政府を監視する役目がある以上、上記の国際文書の履行を政府に迫っていかなければならないことを自覚してほしいと思います。今日、世界を見ると、米国に始まったブラック・ライブズ・マター運動は世界各地で共感をもって受け止められ、多くの市民が人種差別の撤廃のために立ち上がっています。それはまた人種差別の根幹にある植民地主義への批判へと向かっています。それを日本に当てはめれば、北海道の開拓を日本の近代化としてとらえてきた従来の進歩史観を北海道の植民地化という新たな歴史観へと変えていくことを意味します。

今回の日本テレビの差別発言の放映は、国連の人種差別撤廃条約の求める先住民族の権利の保障のみならず、世界の市民の人種差別撤廃や進歩史観の見直しの取り組みに逆行するものであり、到底容認できるものではありません。公共言論空間を形成するメディアとして、今回の差別発言への原因究明と今後の再発防止策の策定、実行を求めます。

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