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政府は変異株スルー 緊急事態“ヤケクソ”全面解除の論理矛盾(2021年3月18日配信『日刊ゲンダイ』)

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「ステージの考え方に変異株の問題はなかった」と尾身会長(左は、菅首相)

 菅首相は17日、首都圏1都3県に発令中の緊急事態宣言について、21日の期限通りに解除する方針を確認した。18日に対策本部を開き、正式決定するが、不安は尽きない。東京と埼玉の直近1週間平均の感染者数は前週比1割強も増えている。その上、全国に広がる変異株を度外視した全面解除は、危険極まりない。

  ◇  ◇  ◇

 菅首相は17日夜、宣言解除の理由として、「感染者や病床使用率の数字が解除の方向に入っている」と「数字」を挙げた。確かに4都県の人口10万人あたりの新規感染者数は政府が解除の基準とする「ステージ3」の15人を切っている。病床使用率も宣言発令の対象となる「ステージ4」の50%を継続的に下回っているが、最大の懸念材料はスルーだ。

 今や、大きな脅威になりつつある変異株である。6府県の先行解除が決定された2月26日、政府分科会の尾身茂会長は「ステージの考え方を出した時期には変異株の問題はなかった」とクギを刺した。当日時点の変異株の感染者数は17都府県で158人だったが、今月16日時点では26都道府県で399人にまで膨れ上がっている。それでも、「従来の基準」に基づいて、解除しようというのだ。

 変異株の感染力は、従来型よりも英国型が1・43~1・9倍、ブラジル型が1・4~2・2倍、南ア型が1・5倍強いとされる。西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏(感染症学)が言う。

「感染力の強い変異株を想定していなかった頃の基準で感染状況や医療提供体制を眺めて、解除判断を下すのは危険です。変異株が怖いのは、感染者が従来型よりも2倍近く感染を拡大させるということ。“1人の感染者”の意味が全然違うのです。病床の改善も解除の根拠にしていますが、英国型は致死率が1・3~2倍との研究結果もあります。変異株の患者がさらに増えれば、重症病床があっという間に逼迫することも十分あり得ます」

 フランスでは感染者に占める変異株の割合が70%に上り、特に首都パリの病床が逼迫。重症患者を病床に余裕のある地域に移送する事態に陥り、マクロン大統領は新たな行動規制をほのめかしている。

2月4日死亡の患者から検体確認

「日本では、政府関係者が『宣言をこれ以上延長しても効果が薄れるだけだ』と漏らしたとの報道があります。効果が出るように規制を強化すべきなのに、効果がないから解除とは論理矛盾です。科学的ではなく、ヤケクソで解除するように見えます。対外的に3月25日から始まる聖火リレーの前に解除したかったと考えざるを得ません。変異株は日に日に広がっています。解除による気の緩みも加わり、早晩、大きな第4波に見舞われる恐れがあります」(中原英臣氏)

 大阪では2月4日に死亡したコロナ患者の検体から変異株が確認された。かなり前から変異株が市中に定着していた可能性がある。

 ヤケクソ解除のしわ寄せはいずれ国民にやってくる。 




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