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夫婦別姓、賛否踏まえ検討 自民が月内に作業部会新設(2021年3月19日配信『日本経済新聞』)

国会議員、海外有識者に聞く

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 「選択的夫婦別姓」について議論した自民党の合同会議(2020年12月、自民党本部)=共同

自民党は月内にも選択的夫婦別姓について議論する「氏制度のあり方に関する検討ワーキングチーム」を新設する。党内や世論で賛否両論があるのを踏まえ、期限を設けずに論点を整理する。

選択的夫婦別姓は夫婦が望む場合、結婚後も双方が結婚前の姓を名乗るのを認めつつ、夫婦同姓も選べるしくみだ。最高裁は2015年に夫婦同姓を定める民法の規定を合憲と結論づけた。

最高裁は21年中にも夫婦別姓に関する訴えを大法廷で審理する予定で、15年に続き憲法に適合するか判断するもようだ。

政府は昨年12月に閣議決定した21年度からの第5次男女共同参画基本計画で、当初案にあった「選択的夫婦別氏」の文言を削った。自民党内の協議で同姓維持と選択的別姓容認の意見が対立し、了承を得られなかった。

政府は「夫婦の氏に関する具体的な制度の在り方に関し、司法の判断も踏まえ、さらなる検討を進める」と修正した。「選択的夫婦別氏制度」との言葉を盛り込んだ現在の第4次計画から表現は後退した。

公明党は選択的夫婦別姓に賛成する。立憲民主党は導入を次期衆院選の公約で掲げる方針で、他の野党への賛同を呼びかける。衆院選で争点の一つになる可能性もある。

山谷えり子・自民党参院議員「旧姓の通称使用、拡大を」

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山谷えり子参院議員

選択的夫婦別姓は1つの戸籍に2つの姓が入り、戸籍法や民法の改正が生じる。姓が個人に属する性格となり、ファミリーネームの廃止につながる。

その結果、家族の絆や一体感が不安定になる事態は望んでいない。別姓を進めないと結婚が減って少子化が進むといった指摘も明確な因果関係はない。

旧姓の通称使用を広げるべきではないか。多くの職場で浸透しているが、今も旧姓を通称として使うのを認めていない一部の国家資格などもある。旧姓の利用を認めるよう、さらなる対応を急ぎたい。

私自身はマイナンバーカードやパスポートに旧姓を併記しているが不利益や不都合はない。

別姓制度を通称使用の一環と捉えて誤解している人もいる。国民の理解を深める議論が必要だ。

しばしば日本の夫婦同姓は国際社会で異例だといわれるが、戸籍制度はアジアを中心に数少ない国にしかない。制度がある国とない国を単純に比較しても意味がない。

森雅子・自民党参院議員「働く女性、姓の変更で不利益」


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森雅子参院議員

夫婦の姓のありかたについて議論すべきだとの声は高まっている。選択的夫婦別姓制度を導入するかしないかにとらわれるのではなく、別姓を選べないことで不利益を受ける人に対応するため、課題を解消する道筋を柔軟に模索すべきだ。

自分の姓にアイデンティティーを持っている人は少なくない。結婚後に姓が変わることに喪失感を抱く人もいる。一人っ子同士の結婚が増え、実家の姓を残したいと希望する人も増えた。

働く女性にとって結婚後に姓が変わると、それまでの業績とのつながりがなくなると危惧する意見もある。

通称として旧姓を使用できる範囲は広がってきたが、まだまだ限界はある。海外では通称の使用は一般的でなく、理解を得られない場合も多い。

旧姓の使用にあたり、家族の戸籍を別々にしない方法もある。同一戸籍のまま、旧姓に法的根拠を与える方法などは家族の絆にも配慮できるのではないか。

ブリントン・米ハーバード大ライシャワー日本研究所所長「伝統壊すとの懸念、非論理的」

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メアリー・C・ブリントン・米ハーバード大ライシャワー日本研究所所長

選択的夫婦別姓が日本の伝統を壊してしまうとの懸念は論理的ではない。同姓の慣習は歴史の中で変化してきたものだ。

硬直的な制度のために「家族」になるのを前向きに捉えられない若者がいる。結婚を遅らせたり断念したりせざるを得ない例もあり、出生率の低下につながっているのではないか。

日本でも女性が20代からキャリアを確立するようになってきた。例えば結婚前に本を出版した人が結婚後に姓を変えなければならないのは大きな混乱をもたらす。

日本の政治家が選択的夫婦別姓に関する立法に取り組めば、日本がジェンダーの平等に向かって進んでいると世界に示すことができる。

ホワイト・米ミドルベリー大教授「男女平等の戸籍制度に」

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リンダ・ホワイト米ミドルベリー大教授

名前は私たちが誰であるかを教えてくれるものだ。結婚の際に姓の変更を強いる日本の制度は非常に不便で、世界でもあまりみられない。名刺やパスポートも変えなければならない。

女性が男性より自分の姓に愛着が少ないとはいえない。男性の姓の方が優れているわけでもない。なぜ女性ばかりが望まない場合も姓を変えなければいけないのか。男女平等の戸籍制度を作るのは十分可能なはずだ。

夫婦別姓を法的に認めるのは欧米でも簡単なことではなかった。選択的夫婦別姓に反対する人は家族を弱体化させると主張するが、むしろ婚姻制度で女性に平等を与えるのは家族の絆を強めることにつながる。 




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Author:gogotamu2019
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