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内閣支持率は下げ止まれどリバウンドならず(2021年3月21日配信『毎日新聞』)

 ◇緊急事態・ワクチン・五輪の3点セット

 新型コロナウイルスの新規感染者数は下げ止まり、リバウンド(再拡大)の懸念が広がっている。コロナの感染拡大とともに急落した菅義偉内閣の支持率は感染状況の改善で上昇に転じるかに見えたが、こちらは政権側が期待したリバウンド(再上昇)に至らず。国民世論は「緊急事態宣言」「コロナワクチン」「東京五輪」の3点セットがどうなるかを注視しているようだ。

 社会調査研究センターと毎日新聞が3月13日に実施した全国世論調査の内閣支持率は36%。1月16日調査の33%を底に下げ止まり、2月13日調査で38%に微増した後の今回は横ばい。足踏み状態となっている。

 ◇再度の「染み出し」に警戒感

 3月13日調査で注目すべきは、首都圏に発令されている緊急事態宣言について「3月21日の期限をもって解除すべきだ」との回答が22%にとどまり、「3月21日以降も延長すべきだ」が過半数の57%に上ったことだ。東京・千葉・埼玉・神奈川の1都3県の回答者でも「延長すべきだ」が52%、その他の地域では61%。首都圏の新規感染者数が下げ止まる中、首都圏から他地域へ再び「染み出す」ことへの警戒感が広がっている。

 コロナワクチンに関しては、自分が接種を受けられる状況になったら「すぐに接種を受ける」49%・「急がずに様子を見る」42%。2月調査の「すぐに」39%・「急がずに」52%から「すぐに」が増えて、「急がずに」と逆転した。医療従事者限定ながらワクチン接種が始まり、副反応関連も含め情報が届き始めたことで理解が広がりつつあるのかもしれない。

 ただ、新型コロナウイルスに対する日本政府のワクチン政策を「評価する」との回答は42%で、「評価しない」31%、「どちらとも言えない」27%と割れた。他の先進諸国と比較して「遅れ」も指摘されるが、安全確認を後回しにして承認手続きを急げば「拙速」批判を招いただろう。安倍晋三前首相だったら東京オリンピック・パラリンピックの開催を最優先してワクチンに前のめりになり、かえってワクチン不信が広がっていたかもしれないなどと考えてしまう。

 ◇「海外観客なし」に理解広がらず

 その東京五輪だが、海外からの観客は入れない方向で調整されているようだ。世論の反応はと言うと、「中止すべきだ」の32%と「再び延期すべきだ」の17%を合わせて約5割が依然、開催に否定的だ。「海外からの観客は入れずに開催すべきだ」は21%、「国内の観客も入れずに無観客で開催すべきだ」も15%、「予定通り開催すべきだ」は9%にとどまった。

 何とかして今夏の開催にこぎつけようとしている菅政権としては、この根強い五輪慎重論を鎮める「説明力」が試されることになる。五輪・パラリンピック出場を目指すアスリートたちの発信に頼るだけでなく、新型コロナウイルス対策と五輪開催の両立という難題へのチャレンジに国民の協力を取り付ける努力が必要となる。

 ◇「小悪」の積み重ねがむしばむ危機管理

 総務省幹部らの接待問題で菅首相に「責任がある」と「責任がない」との回答はともに43%と割れた。

 総務官僚の中でも郵政系には放送・通信事業者に対する絶大な許認可権限をめぐって癒着や利権のうわさが以前からくすぶり、2001年の省庁再編で旧郵政省と統合された旧自治省系の官僚たちからは当時、「利権官庁」と一緒になる懸念や複雑な思いを何度も聞かされた記憶がよみがえる。長年の構造的な腐敗が噴き出しただけの話であれば、時の首相の責任を問うのは的外れと言えるだろう。

 しかし、さしもの郵政官僚たちも、相手が菅首相の長男でなければ、国家公務員倫理規程に触れるのが明白な飲食接待を受けただろうか。菅氏が官房長官だった時期も含め、首相官邸のお墨付きがあると思うから、行政の公正をゆがめかねない行為に手を染めたのではないか。

 安倍政権以降、首相の意向や身内、お友だちを官僚組織が優遇する問題が繰り返されてきた。森友・加計問題にしろ、桜を見る会にしろ、安倍前首相の説明に納得している人は少数派だろう。ただ、それを理由に首相を辞めさせたり、議員辞職を迫ったり、野党への政権交代を求めたりしなければならないほどの「巨悪」だと断じる人が多数派にならなかったに過ぎない。

 今回の総務省接待にしても、菅政権は総務省幹部らの処分で乗り切れると考えているようだし、世論の側も首相の責任を問うまでの話かどうかという意味では割れている。だが、一つ一つはせこい「小悪」だったとしても、いくつも積み重なっていくうちに行政の信用が低下する。その結果、政権の説明に耳を傾けてもらえなくなり、感染症のパンデミックに対処する危機管理能力がむしばまれるようなことになってはいないかと危惧する。

 ◇公明支持層に「菅離れ」の兆候

 菅政権としては今後、緊急事態宣言を解除しても国民には一定の自粛生活を続けてもらうことでコロナ感染の抑制を図っていかなければならない。併せてワクチン接種を着実に進めることができれば、「海外観客なし」の五輪開催へ向けた理解も広がるかもしれない。その成否はひとえにコロナの感染状況と、国民に理解を求める政権の「説明力」にかかっている。

 そこで、菅首相にとって心配なデータを指摘しなければならない。安倍前首相以上に公明党との良好な関係を築いてきたはずの菅首相だが、今回の調査で公明党支持層の内閣支持率が不支持率を下回ったのだ。

 公明党の政党支持率は3~4%で一定しているので、回答者1000人強の世論調査では実数にして毎回30~40人程度。その中の内閣支持率をパーセンテージで示すには母数が少なすぎるため便宜的に丸めた割合で言うと、11月まで8割を超えていた内閣支持率が1月には5割まで急落。今回の調査では4割を切り、不支持率は5割まで上がって逆転した。

 注目すべきは公明党支持層で菅政権のコロナ対策を「評価する」と答えた人が4人に1人程度にとどまっていることだ。この割合は回答者全体の23%が「評価する」と答えたのとほぼ変わらない。

 東京オリンピック・パラリンピックに関しては、公明党支持層の4割が「再び延期すべきだ」と答え、「中止すべきだ」と合わせると7割近くに上った。回答者全体の集計結果より一層、開催に否定的だ。

 菅首相が「身内」と思っていたであろう公明党支持層の「菅離れ」につながるのか。これも今後のコロナ対策と五輪開催をめぐる首相の対応次第と言えそうだ。【世論調査室長・平田崇浩】



菅内閣の支持率42%、不支持は41%(2021年3月21日配信『共同通信』)

 共同通信社が20、21両日に実施した全国電話世論調査によると、新型コロナウイルスワクチンに関して、6月末までに全高齢者分を自治体へ届けその後、一般向け接種を想定する政府の接種計画について「遅いと思う」との回答が65.6%だった。順調だと思うは28.9%。各地での変異株感染確認に不安を感じているは「ある程度」を含めて82.2%だった。菅内閣の支持率は42.1%。前回2月の調査では38.8%だった。今回の不支持率は41.5%。

 総務省幹部が菅義偉首相の長男が勤める放送事業会社やNTTから接待を受けていたことについて、首相の説明は「十分ではないと思う」との回答は73.9%。「十分だと思う」は15.1%にとどまった。総務省第三者委員会が接待で行政がゆがめられたかどうかを検証することに関し、ゆがめられたと思うは52.0%、「そうは思わない」が34.2%だった。

 今年夏に東京五輪・パラリンピックを開催するべきだとの回答は23.2%、中止するべきだは39.8%だった。




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