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(論)大阪府市の一元化条例(2021年3月22日)

大阪府市の一元化条例 民意否定するごり押しだ(2021年3月22日配信『毎日新聞』-「社説」)

 大阪市を解体し特別区に再編する「大阪都構想」は2度にわたり否定されたはずだ。その民意をないがしろにするものではないか。

 市の重要な権限を大阪府に事務委託し、広域行政を一元化する条例案が府と市の議会で審議されている。都構想の代案として、大阪維新の会が推進している。

 大阪では2015年と昨年、都構想に対する住民投票が実施され、いずれも否決された。投票率は2回とも60%を超え、高い関心が集まる中、大阪市を存続させることが決まった。

 維新は、大阪市を存続させた形で府との二重行政を解消することは、都構想を否決した住民投票の結果と矛盾するものではないと主張する。

 条例案によって府市一体の行政運営が促進され、大阪の成長や発展につながると意義を説く。

 だが、条例案で府に委託されるのは、成長戦略や政令指定都市が持つ都市計画の主要な権限だ。これでは大阪市を骨抜きにすることにつながりかねない。

 街づくりなどで大阪市民の意向が十分に反映されなくなる懸念がある。特に都市計画は景観や騒音などの問題が起きやすい。地元住民の声をできるだけ反映させるため、慎重な議論が求められる。

 さらに条例案は地方分権の流れにも逆行する。地方分権は中央集権的な行政のあり方を見直し、住民自治を重視する考え方だ。

 地方分権一括法が00年に施行され、国から地方へ権限や財源の移譲が進められた。住民サービス向上のため、都道府県から市町村に権限が移ったものも多い。

 市から府に権限を戻すことは、地方自治のあり方として大きな禍根を残しかねない。

 バブル期は府と市が同種の開発プロジェクトを進めた。だが、人口減で税収が減る中、開発競争をする余裕は府市ともにない。二重行政の解消を理由に、条例を制定する状況ではないはずだ。

 条例がなぜ必要なのかについて、市民への説明も不十分だ。

 条例案への意見公募では「もっと内容を周知する必要がある」「都構想とどう違うのか」など疑問の声が寄せられた。

 維新は4月施行を目指しているが、あまりにも拙速だ。




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