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ついにNTT社長との会食を認めた武田総務大臣。自らのインタビュー記事でさらに追い込まれる(2021年3月22日配信『HARBOR BUSINESS Online』)

度重なる答弁拒否の末、文春砲であっさり会食を認めた武田総務相


筆者のYouTubeチャンネルより

 NTT澤田純社長との会食について、長きに渡って答弁拒否を続けていた武田良太総務大臣。特に3月12日の質疑では、支離滅裂な理由で答弁拒否を続けて物議を醸したことは過去記事「NTT接待問題で答弁拒否を連発、しまいには逆ギレした武田総務大臣。拒否理由の矛盾3点を検証」でも指摘した通りだ。

 ところが、3月17日に週刊文春が武田大臣とNTT澤田社長が昨年11月11日に都内で会食していた事実を報じると、武田大臣は一転して会食の事実を認めた。こうした急展開を受けて、翌3月18日の参議院 予算委員会にて共産党・山添拓議員は武田大臣に対して、この会食についての詳細を質問。

 本記事では、この質疑の中で山添拓議員が武田大臣自身の過去のインタビュー記事の発言内容との矛盾を突き、武田大臣の行動がいかに問題であるかを明らかにしていった約5分間の質疑をノーカットで信号機で直感的に視覚化していく。具体的には、信号機のように3色(青はOK、黄は注意、赤はダメ)で直感的に視覚化する。(※なお、色表示は配信先では表示されないため、発言段落の後に( )で表記している。色で確認する場合は本体サイトでご確認ください)

 山添拓議員からの質問6問に対する武田大臣の回答を集計した結果、次のような結果になった。

<色別集計・結果>

●武田総務大臣(計959字):赤信号66% 青信号29% 灰色4%
*小数点以下を四捨五入しているため、合計は必ずしも100%にはならない

 赤信号が7割弱あり、やはり今回も質問にほとんど答えていないことが分かる。
 一方、青信号が約3割あるが、これまでの武田大臣の発言の二転三転ぶりを踏まえると、事実かどうか大変疑わしい内容が多く含まれている。いったいどのような質疑だったのかはこれから詳しく見ていく.。

*記事中の動画リンクが表示されない配信先で読んでいる場合、動画は筆者のyoutubeチャンネル「赤黄青で国会ウォッチ」で視聴できます

あらゆる角度で会食の質問をすり替える武田大臣

 まず、冒頭で山添拓議員はNTT社長との会食をついに認めたことを受けて、武田大臣にその会食の詳細を確認していく。これまでの質疑では短い言葉でひたすら答弁拒否を繰り返してきた武田大臣は一転して、NTT社長との会食について聞かれてもいないことまで饒舌に語り始める。しかし、その答弁内容はあらゆる角度で質問内容の論点をずらすものであった。その質疑は以下の通り。(動画リンクの0分11秒~)

山添拓(1問目):
「武田大臣に伺います。昨年11月、NTT澤田社長と会食で同席していたことを認められました。どのぐらいの時間、同席され、何を話されたんでしょう?」

武田良太総務大臣:
「あのー、まあ、1個1個の事案について本来、あのー、答えは差し控えさせて頂いたんですけども、先生ご指摘のこの報道については一切私に対して事実関係の確認がなかったんです。私も大変驚いてますし、その上で私も事実をお話しするということで答えさせて頂きたいと思いますけれど、(赤信号)

 まず、そもそもこの会合自体がNTTさんが主催したものではないんです。JR東海の葛西名誉会長さんが主催された会であって、それは去年の1月の段階から、いつか一度ということでやってたら延び延びになってこの時期になってきたわけですね。(赤信号)

 で、私はその案内は、あー、JR東海葛西、えー、名誉会長の方からメールで頂いたわけですけども。時と場所と地図しか記されておりません。その場にどういう方々が何人来られているかということを事前に私は伺っておりませんでした。(赤信号)

 業務の都合上、おー、かなり遅参を余儀なくされた、あー、わけでありますけれども、その後の日程も詰め・・、詰まっておったために本当に、あのー、まさにわずかの時間・・、としか表現ができないんでしょうけども、しかとれなかったんです。(青信号)

 ですから私のほうは食事はその場ではとっておりません。で、数杯お酒を頂いたわけでありますけども。で、その複数人おられる方と話す・・、ゆっくり話す時間も無いぐらいだったんですね。(赤信号)

 ですから、その主催者である葛西会長とずっと話しとった。挨拶程度のことしか、その他の方とはしておりません。 (青信号) 」

 実に2分近くにわたって武田大臣は答弁しているが、その大半は論点のすり替えであり、赤信号とした。

1段落目
【質問】会食の同席時間と話題
↓ すり替え
【回答】会食報道の事実確認の有無

2段落目
【質問】会食の同席時間と話題
↓ すり替え
【回答】会食の主催者

3段落目
【質問】会食の同席時間と話題
↓ すり替え
【回答】会食の事前案内

5段落目
【質問】会食の同席時間と話題
↓ すり替え
【回答】会食の飲食内容

 「主催者はJR東海の名誉会長」だの、「案内メールには時間、場所、地図しか書かれていなかった」だの、全く聞いてもいないことを延々と述べ続けている。

 一方、4段落目(会食の同席時間)と6段落目(会食の話題)は質問と対応する内容が述べられており青信号とした。だが、「わずかな時間しか参加しておらず、葛西会長とずっと話しており、他の方とは挨拶程度」と主張しているが、この会食が行われたのが2020年11月11日であることを考慮すると非常に疑わしい。この日付がどのような意味を持つのか、そして過去の武田大臣のインタビュー記事の発言を引用しながら、山添議員はこの会食の問題点をさらに追及していく。

武田大臣のインタビュー記事の発言で浮き彫りになる問題点

 この会食が行われた2020年11月11日というのは、NTT澤田社長がドコモ完全子会社化を発表したことで始まったTOB(株式公開買い付け)が実に約4兆2500億円という史上最大規模の買い付け総額で成立する11月17日のわずか6日前である。武田総務大臣の担当分野である携帯料金の値下げ政策と非常に関係が深いTOBが成立する直前、当事者のNTT社長と同席して、何の話題にもあがらないのは不自然すぎる。

 さらに、武田大臣は会食の翌月にあたる2020年12月21日に公開されたダイヤモンドオンラインのインタビュー記事にて、非常に興味深い発言をしている。以下、インタビュー内容を引用する。
(出典:ダイヤモンドオンライン「武田総務相が初めて明かす、ドコモ「異次元値下げ」に至る舞台裏」)

”馬渕(編集部注:インタビュアーである経済アナリスト・馬渕磨理子氏) 今まで動かなかった携帯料金の値下げを実現するに当たって、NTTの澤田純社長とのやり取りはありましたか。

武田 澤田さんだけはありません。他の事業者の方々とも私が着任したときにごあいさつしました。雑誌などで澤田さんの発言を見ると、国際戦略に重きを置いている人だという印象です。日本が5Gで後れを取った点を反省していて、6Gにおいて巻き返しを図る、そんな迫力を感じます。

馬渕 携帯各社の方々には就任時にごあいさつしたのですね。その後は、値下げに関してさまざまなやりとりをされましたか。

武田 いや、自身が料金値下げに取り組む中では、携帯事業者の人にむしろ会うべきではないと思いました。私は方向性を示した後、料金引き下げに関することでは一切会っていません。というのは決断が鈍るからです。人間っていうのは、思い切ったことをするときにはね、相手と会っちゃいかんのですよ。情も芽生えるし、そこのところは「フェア」にやっています。”(太字は引用者)

 インタビュー内容は以上である。武田大臣は「NTT澤田社長とのやり取りは無い」「自分が料金値下げに取り組む中、情が芽生えるので、携帯事業者と会うべきではない」という主旨の内容を明確に述べている。しかし、実際はこのインタビュー記事が公開された前月、武田大臣はNTT澤田社長と会っていた。こうした事実を踏まえて、山添拓議員は武田大臣とNTT澤田社長の会食の問題点を浮き彫りにしていく。その質疑は以下の通り。(下記の動画リンクの2分15秒~)

山添拓(2問目):
「NTTによるドコモの完全子会社化を進めるTOB、株式公開買い付けの終盤の時期にあたりますけれども、進捗状況は挨拶程度の中でも話題になったんじゃないですか?」

武田良太総務大臣:
「あのー、本当に挨拶しかしていないような状況ですんで、全く個別の内容について他の方と喋ったことはありません。 (青信号)」

山添拓(3問目):
「(直前の質問者の)白議員も紹介されていましたが、大臣は昨年12月のダイヤモンドオンラインのインタビューで「自身が料金値下げに取り組む中では携帯事業者の人にむしろ会うべきではないと思いました」と述べています。会っていたんじゃありませんか。」

武田良太総務大臣:
「ダイヤモンド・・、週刊ダイヤモンドのインタビューにおいては料金引き下げの件について、ご挨拶に来られて以降、お会いしていないという主旨をお答えしたと記憶しております。(赤信号) 」

山添拓(4問目):
「いや、その他の人についても「携帯料金引き下げに関することでは一切会っていません」と述べているんです。しかし、実は11月に会われていたんですね。」

武田良太総務大臣:
「あの、値下げに関することでは会ってないって書いてるでしょう。(赤信号)」

インタビューでの自分の発言が首を絞める武田総務相

山添拓(5問目):
「いやだけど、「相手と会っちゃいかんのですよ」と、そう言われているんですよ。「情も芽生えるし、そこのところはフェアにやってます」と言ってるんですよ。フェアじゃないじゃないですか。」

武田良太総務大臣:
「あのー、私が、その会にNTTの澤田さんを呼んで下さいだとか、えー、そうしたことがあるなら話は別ですけども、私が別の目的、つまりJR葛西名誉会長の席にお邪魔した際に複数人の中に現場に行った時に居られたということです。私が会いたくて会ったとか、来てもらったとか、そんなんではなくて居られた。複数人の中のお一人で居られたということです。(赤信号)」

山添拓(6問目):
「いや、だから、たまたま居合わせたということなんでしょうけども、ご説明によればですね。しかし、(武田大臣自身がインタビューで)「会ってません」とおっしゃったんですよ。ここではね。携帯値下げを看板政策にする政権の総務大臣が値下げと一体のTOBの最中、渦中のNTT社長、NTTドコモ取締役と同席し、会食をすると。やっぱり、それ自体が疑念を招くと思われませんか?」

武田良太総務大臣:
「あのー、我々政治家は様々な経済人の方々と交流を持ちながら政策を練っていかなくてはならないんですね。そうした機会の中に澤田さんが居られたということで国民から疑われるような話なんか全くするつもりもないし、してません。(青信号)」

山添拓:
「澤田社長も先日、この委員会で疑念あるいは疑いと言われるような印象を与えたと述べられました。やはり、すでに疑念だらけだと思うんですね。」

 質疑は以上である。

 武田大臣の答弁は大半が論点のすり替えであり、赤信号とした。

3問目、4問目
【質問】携帯事業者と会ったか
↓ すり替え
【回答】携帯事業者と値下げに関して会ったか

5問目
【質問】NTT社長と会うこと自体の問題性
↓ すり替え
【回答】NTT社長を自ら呼んだか

 これらの論点すり替えによる主張は、武田大臣自身のインタビュー記事の発言によって、ことごとく矛盾を指摘されるという皮肉な結果になっている。

 また、2問目(会食時にTOBの話題になったか)と6問目(TOBの最中、利害関係者と会食すること自体が疑念を招くのでは)は質問と対応する内容が述べられており青信号とした。いずれも疑いを否定する内容を答弁しているが、事実かどうかは非常に疑わしい。

<文・図版作成/犬飼淳>

【犬飼淳】
TwitterID/@jun21101016
いぬかいじゅん●サラリーマンとして勤務する傍ら、自身のnoteで政治に関するさまざまな論考を発表。党首討論での安倍首相の答弁を色付きでわかりやすく分析した「信号無視話法」などがSNSで話題に。noteのサークルでは読者からのフィードバックや分析のリクエストを受け付け、読者との交流を図っている。また、日英仏3ヶ国語のYouTubeチャンネル(日本語版/ 英語版/ 仏語版)で国会答弁の視覚化を全世界に発信している。



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