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自民党と出来レースだった河井克行元法相の議員辞職 表明まで二階幹事長らピリピリ(2021年3月23日配信『AERA.com』)

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東京地裁へ入廷する河井克行被告

 2019年参院選の大規模買収事件で公職選挙法違反に問われていた元法相で衆院議員、河井克行被告(58)の「心変わり」が憶測を読んでいる。

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「これが河井前法務相から受け取った現ナマ30万円」

 克行被告は23日、被告人質問でこれまで否認していた選挙買収を一転して認め、議員辞職を表明した。辞職に伴う補選は行われず次期衆院選に吸収される。自民党にとっては追い風となった。

 自民党の二階幹事長は同日、早くも記者会見でこう反応した。

「本人も反省しているようだ。自民党としても他山の石としてしっかりと対応しなければならない」

 自民党にとって克行被告の証言は政権を揺るがしかねない爆弾になる可能性があった。妻で元参院議員の案里氏の参院選挙で自民党から支出された1億5千万円。その行方について案里氏が自身の公判で聞かれ、「主人に任せていた」と証言していたためだ。二階派の重鎮がこう話す。

「克行被告が議員辞職と聞いて、ホッとしている。先日から辞任の話は伝わっていたが、一向に表明しない。二階さんと周辺は『本当に辞職なのか』とピリピリしていた」

 案里氏陣営のスタッフはこう話す。

「4回、広島県全戸にチラシ配布と自動音声通話での投票呼びかけ。これだけで1億5千万円近くかかっている。実際にはそれ以上の金額を使った。すべてを把握しているのは、克行被告しかいない」

 克行被告の被告人質問の証言次第では、1億5千万円以上のカネの流れが暴かれかねない状況だった。だが、争わないなら法廷では、追求されない見込みだ。自民党幹部がこう語る。

「克行被告が議員辞職して法廷で証言しないと聞いて正直、ホッとした。1億5千万円の真相を知っているのは、安倍前首相、官房長官だった菅首相、二階幹事長、自民党の事務方幹部、ほんの数人だけです。克行被告の証言次第では、菅政権崩壊にもつながる危険性があった。克行被告は案里氏も有罪確定で戦う気力が失せたようだ」

 だが、河井克行、案里夫妻は国会にも出席せず、議員辞職するまで歳費、ボーナスを受け取ったが、その総額は約5千万円。立憲民主党の幹部はこう話す。

「克行被告の問題は議員辞職したから済まされるものではない。1億5千万円のことも含めて国会で国民に説明責任がある。案里氏共々、逃げ切ろとするのは見苦しい。記者会見で真相を話すべき」

買収された広島県議の1人は不満気にこう語る。

「河井被告が最初から認めていれば、コロナ禍に東京地裁や東京地検に呼び出されることもなかった」

 だが、克行被告が買収の容疑を認めたことで買収された側の県議や市議の起訴、不起訴の判断も早くなりそうだ。

「起訴されて公民権停止なんて、むちゃくちゃや。そうなれば克行被告に責任を取ってもらうぞ」(前出の県議)

 2900万円という巨額のカネをばら撒いた克行被告。公民権停止で選挙には出馬できなくなる。元東京地検特捜部の落合洋司弁護士はこう解説する。

「議員辞職して反省しても実刑の可能性が高い。おそらく2~3年が言い渡されると思います。現職の国会議員の選挙買収で現金2900万円は、過去に例がないほど巨額です。ただ克行被告の法廷を聞いていると、非は認めるが罪は簡単には認めないとも聞こえる。これまで徹底して争ってきた。そう簡単にひっくり返るのか、疑問に感じる」

 法廷で「自ら犯した罪、いかなる処罰も受け入れる」と話した克行被告。1億5千万円の真相は永遠に「封印」となってしまうのか。

(今西憲之)
※週刊朝日オンライン限定記事




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