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一元化条例 軌道修正相次ぐ 残る「二重行政」のリスク(2021年3月25日配信『産経新聞』)

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 大阪市の広域行政を大阪府に一元化する条例は24日の府議会本会議で、大阪維新の会と公明党などの賛成多数で可決された。維新が推進した「大阪都構想」に代わって府市の二重行政を解消することを目的とし、成長戦略や7分野の都市計画の権限を市から府に事務委託することが柱だが、当初案から軌道修正を繰り返した。府と大阪市による副首都推進本部会議の協議は、首長同士の「人間関係に依存」(自民府議)する面が否めない。公明党の要望を反映し、府市は「対等の立場」などと明記したことで市が一定関与することになり、知事と市長が対立した場合、「二重行政」に逆戻りするリスクは残る。

 「府と市が同じ方向性で都市戦略を実行していく。その第一歩を踏み出すことができた」。吉村洋文知事は条例可決後、記者団にこう述べた。

 条例の構想は昨年11月、都構想が2度目の住民投票で否決された直後に松井一郎市長が打ち出した。

 吉村氏も同月の記者会見では、都構想の制度設計で府に移管するとした消防などを含む427の市の事務が一元化の検討対象になるとし、財源もセットで移すとの考えを“私案”として表明。「単なる理念条例にしたくない」と強調した。

 しかし、こうした強気の姿勢は軌道修正を余儀なくされる。

 今年1月の副首都推進本部会議で示された条例の骨子案では、事務委託の対象を成長戦略のほか、大規模開発や高速道路など7分野の都市計画の権限に限定。会議は政策決定機関ではないため、条文上は「議論を尽くして合意に努める」との規定にとどまった。

 19日の府議会総務常任委員会で、自民の原田亮府議は「スケールダウンし、しょぼい条例になった」と揶揄(やゆ)。条例は「人間関係に依存し、脆弱(ぜいじゃく)」として、知事と市長が対立して合意に至らない場合に「(事業が)進まないリスクがある」と指摘した。これに対し吉村氏は「知事と市長がぶつかったら(一体の)事業はできないだろう」と答えた。

 さらに公明党が、条例に府市の関係を「対等」と明記するよう要望。付帯決議では、条例とは別に事務委託の詳細を定める規約に、市の意見を反映することを求めた。

 24日の可決後、条例が都構想の代案といえるかと記者団から問われた吉村氏は「二重行政にならないような仕組みを作る意味では代案だ」と述べる一方、こう認めざるを得なかった。

 「広域行政を1人の司令官のもとで実行するのが都構想。(条例では)自治体を再編していないし、(条例制定前の)元に戻る可能性もゼロではない。その意味では代案ではない」




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