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表現の現場調査 82%がハラスメント被害 フリーの立場弱く(2021年3月25日配信『毎日新聞』)

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記者会見する「表現の現場調査団」のメンバーら=厚生労働省で2021年3月24日午前11時14分、高橋咲子撮影

 美術や演劇、映画など表現に関わる現場で、作品への不当な評価や、師弟・指導関係を背景にした暴言や人格否定など、さまざまなハラスメントが横行しているとの調査結果が24日、公表された。調査は、美術家らを中心に12人で作る「表現の現場調査団」が実施。弱い立場に置かれた女性やフリーランスで活動する人が被害を受ける事例が目立っており、メンバーらが同日、厚生労働省で記者会見して改善を訴えた。

 調査は2020年12月~21年1月、インターネット上で実施。過去10年間に受けたハラスメントについて美術や演劇、映像、音楽、文芸、漫画などの分野で活動する1449人から回答を得て、評論家の荻上チキさんらと傾向を分析した。

 回答者の82%が何らかのハラスメント被害を経験。容姿をけなされるなどのセクハラや、暴言などのパワハラのほか、アカハラ(アカデミックハラスメント)やジェンダーハラスメント(性別を理由にした差別的扱い)を受けていた。

 表現の現場特有の被害として、性別などを理由に作品を不当に評価するテクハラ(テクスチュアルハラスメント)や、レクチャー(指導)の際に指導的地位を利用して服従を求めるなどのレクハラ(レクチャリングハラスメント)が多いと指摘。また、回答者はフリーランスが56%と半数以上を占め、契約書を作成しないなど、金銭・労働条件での不安を強いられる例も多発していた。

 調査団は「フリーランスの人は声を上げにくく、法的保護からも漏れている」と指摘。記者会見に同席した笠置裕亮弁護士は「一般の労働者よりはるかに悪質。強固な上下関係や(評価・指導する側に男性が多い)ジェンダーバランスのいびつさがあいまって被害を生んでいる」と話した。

 調査団メンバーで「あいちトリエンナーレ」などにも参加したアートユニット「キュンチョメ」のホンマエリさんは「表現の現場ではハラスメントが隠され続けてきた。横行する現状を絶対に変えなければならない」と語り、法整備やジェンダーバランス改善の必要性を訴えた。【高橋咲子】

長期拘束で無給、裸婦作品「あなた?」

 主な被害事例は以下の通り。

・大学で作品の講評の際に、女性の自立などをコンセプトにした作品を制作したが、教授から作品についてではなく「男だって大変だ」と公の場で責め立てられた。(20代、美大生)

・館長にキスを求められたり、体を触られたりした。断ると左遷された。(50代、女性、文化施設勤務)

・3カ月以上拘束されたのに給与が支払われなかった。人格まで否定するような言葉を受けた。(30代、男性、映像関係者)

・裸婦をモチーフにした作品を教授が見て、「このモデルはあなた? あなたの裸はこういう姿なの?」などと他の学生の前で言われた。(20代、女性、美大生)

・編集者に「作品がつまらないのは作者の人格や人生がつまらないからだ」と言われた。(30代、男性、漫画家)




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