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“佐々木発言”擁護論も聞こえるが…セクハラ認定される「男の言葉」(2021年3月27日配信『日刊ゲンダイ

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佐々木宏氏

 辞めなくても……。東京五輪の開会式を巡る不適切演出問題で辞任した元・大会組織委員会クリエーティブディレクターの佐々木宏氏(66)について、女性タレントや弁護士からもそんな声が上がっているという。

 ◇  ◇  ◇

 コトの発端は昨年3月、佐々木氏が演出チーム内のLINEでタレントの渡辺直美(33)を「オリンピッグ」という豚のキャラクターにする演出を提案したところ、グループのメンバーのひんしゅくを買ったという。

 その内容が今年3月になって「週刊文春」の報道で明らかになると、「容姿をネタにするな」「女性を侮辱している」などと大炎上する騒ぎに発展した。

 そんな流れに首をひねったのが、弁護士の北村晴男氏だ。TV番組で「LINEで自由なアイデアをやりとりしている中での発言なので、問題だとは思わない」と発言。同じ番組でタレントの松嶋尚美も「女性であれ、男性であれ、そういうことはよくないこと」とした上で、北村氏と同じ趣旨のコメントをして驚きを見せていた。

 北村氏や松嶋の意見に同調する声は少なくない。坂上忍も、アイデアを出す段階の発言ならアリといった内容のコメントをしている。

 渦中の佐々木氏も、渡辺を面と向かって豚呼ばわりしたわけではない。あくまでも企画を出し合う自由意見の中での発言だった。佐々木擁護論の根拠がそこにあるのは分からなくもない。

 世界的イベントの開会式を盛り上げる上で、コミカルな企画は必要だろうし、昨年10月から流れた東京電力のCMでは、それこそ3匹の豚に扮した女性トリオが話題を呼んだ。そのCMが記憶に残っている人なら、「佐々木氏だけなぜ?」という見方も成り立つかもしれないが……。

 男女問題研究家の山崎世美子氏はこう言う。

「確かに佐々木さんの発言は、演出を考える上でのアイデアのひとつなのでしょう。でも、容姿をネタにして笑いを取るのは、世界では非難の対象になるのが当たり前です。ですから、米国にはそんなふうに笑いを取るコメディアンはいません。男尊女卑的な考えが一部に残っていた日本でも、遅ればせながら、世界の流れに沿うようになりつつあります。佐々木さんの発言はアウトです」

オヤジギャグがスルーされる時代は終わった

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化粧、変えた?

 山崎氏は若いときに米国で暮らした経験があり、コロナ前は毎年夏休みに家族が住む米ロサンゼルスを訪れていた。そんな経験を踏まえていて、性別のほか、民族や人種に関する批判もダメだという。そういえば、アイヌ差別表現問題も大炎上し、今なおくすぶっている。

 昭和にどっぷり漬かった男性なら、部下の女性に「ちょっと太ったんじゃない」と声をかけたり、むくんだ女性の顔を見て「寝不足? いいなぁ、お盛んで」とよからぬ妄想を膨らませたりして軽口をたたくこともあっただろう。内心腹を立てた女性が「オヤジギャグ、言ってんじゃないわよ」とカチンときても、昭和はスルーで済んだ。オヤジギャグがスルーされる時代は終わり、そんな男性は確実に“返り討ち”に遭うという。

「“文春砲”が流れたのは、佐々木さんが発言してから1年後です。フツーなら、発言の内容が忘れられてもいいころなのに漏れてしまったのは、だれかが意図的にリークしたと考えるのが自然。あくまでも推測ですが、ひょっとすると佐々木さんには、周りをイラッとさせる発言が多く、反感を買っていたのかもしれません。昭和のオヤジギャグ世代は、これを教訓にした方がいい。オヤジギャグがセクハラになっていることが分からないと、自分の立場を危うくするのです」(山崎氏)

 男女雇用機会均等法で職場のセクハラは、3つに分けられる。①労働者の意図に反する性的な言動②性的な言動を拒否することで、解雇や降格などの不利益を受ける③性的な言動によって職場が不快になり、能力の発揮を妨げられる、だ。①はボディータッチや性的な関係の要求のほか、接待などでのお酌も含まれ、②は①を拒否することによる異動やボーナスダウンなどで、③はヌードポスターを張ったり、社員の性的な噂を流したりすることも当てはまる。

「常に監視されていることを肝に銘じるべき」


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何気ない一言が…

 佐々木氏のケースも③で、一般の人もこれでしくじりやすいという。どんな言動が危ないのか。山崎氏に聞いた。

「たとえば、男性が仲間内で新入社員のルックスやスタイルについて話すのはよくあります。昼休みに男性同士で話すのはセーフでも、女子社員が近くにいて聞こえるボリュームならアウトです。巨乳ちゃん、おデブちゃんといった女性の身体的な特徴を示すあだ名もいけません。男性はささいなことと思うかもしれませんが、小さなことに注意がいかないのは結局、セクハラ的な思考がこびりついている証拠。容姿をすぐに取り上げて話題にする男性は、教育や指導などで特定の女性をひいきにしやすい。そのひいき目も、セクハラになりえるのです」

 たとえば、営業成績を発表する会議などで、トップの女性を褒める場合も、褒め方によってはアウトになる。ダメなのがほかの女性との比較で、容姿や美醜に関する内容が少しでも含まれるとNG。服装や化粧、髪形、身に着けているものなども、女性がいる場では触れない方がいいという。

「香水がきつすぎて周りを不快にさせるような常識に欠ける女性はともかく、女性がふつうの身だしなみなら、男性はスルーでいいのです。髪形の変化などに気づかないと、デリカシーに欠ける? それは彼氏や夫など好意を寄せる男性に求めること。気のない上司や同僚に言われたら、『この人、いつもじろじろチェックしているのかしら』と気持ち悪くなるだけです。セクハラの考え方のベースは、男性の意識に関係なく、女性がどう思うか。だから、そういう発言はやめた方がいいのです」

 その髪形、似合ってるね。○○さんは、運動しているから、スタイルいいね。男性は、相手を褒めるつもりで、こんなことを口にしがちだ。オヤジギャグというより、オヤジの気配りでも、ダメなのだ。

 髪形については相手に「前の髪形はダメなの」と思わせかねないし、スタイルについては言外にほかの女性を否定することになる。

「そんな小さなことが積み重なって、重要な会議などで男性がセクハラ発言をポロッとすると、女性によっては怒りの臨界点を超えることがあるのです。で、臨界点に到達する目前には、イライラを募らせていますから、会議などをスマホでこっそり録音することも少なくありません。録音をする女性が、男性にとってはまったく意図しない人の可能性もあります。昭和と違って、スマホさえあればだれでも現場を押さえやすいので、オヤジギャグの男性は、そこらじゅうで墓穴を掘っているようなものだということをわきまえるべきでしょう」

 前述の営業会議のようなケースでは、褒めていない女性が少しずつイライラしてきて、録音を仕掛けるような可能性だ。これだけで会社がセクハラと判断するかどうかは厳しいが、外部へのリークで反響があるような内容だと、社会的な影響は免れない。オヤジギャグ男性には、コトと場合によってはそんなリスクがあるという。

「佐々木さんの発言を、『しょせん、オヤジギャグでしょう』と思っている男性がいるかもしれません。そういう人は、常に監視されていることを肝に銘じるべきです。女性をチヤホヤする言葉が見つからなければ、何も言わないこと。それが無難です」

 サラリーマン人生をまっとうしたければ、色メガネは捨てることだ。




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