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映画『太陽を盗んだ男』(2021年3月27日配信『河北新報』-「河北春秋」)

 中学校で理科を教える男が、アパートの自室で原爆を製造し、日本政府に孤独な戦いを挑む。1979年に公開された長谷川和彦監督の映画『太陽を盗んだ男』は、当時としてもかなりセンセーショナルな内容だった

▼沢田研二さんが演じた主人公の男は液体プルトニウムを入手しようと原発の施設内に侵入する。厳戒態勢が敷かれているはずなのに、意外にあっさりと奪い取ることに成功する

▼東京電力柏崎刈羽原発で、テロ目的などの不正侵入を検知する装置が計15カ所で故障していた。にわかには信じがたいニュースを聞いて、この映画のことが脳裏に浮かんだ

▼故障した装置の代替措置はお粗末なもので、原子力規制委員会は安全重要度を4段階で最悪レベルに当たる「赤」と評価した。この問題以外にも、所員が同僚のIDカードを使って中央制御室に不正侵入していたことが明らかになっている。危機管理がこれほどずさんな会社に、原発を運転する資格はない。そう批判されても仕方がない

▼男は刑事との死闘の末、かばんに入れた原爆を持って人混みに消えていく。起爆装置を作動させる時計の秒針を刻む音が続き、爆発音とともに画面は暗転する。この名作を、フィクションとして純粋に楽しむことができないのは、何とも薄ら寒い。



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解説

自ら製造した原子爆弾で政府を脅迫する男の孤独な闘いを鋭い風刺とパワフルな演出で描き、現在もカルト的人気を誇る異色のアクション映画。中学校の冴えない理科教師・城戸は、原子力発電所に侵入してプルトニウムを盗み出し、自宅アパートで苦労の末に原子爆弾の製造に成功。警察に脅迫電話を掛けると、以前バスジャック事件に遭遇した際に知り合った山下警部を交渉相手に指名する。明確な目的も思想も持たない城戸は、テレビの野球中継を試合終了まで放送させるよう要求したり、ラジオ番組を通して次の要求を募集したりと、行き当たりばったりの犯行を続けるが……。沢田研二が主演を務め、菅原文太が山下警部を圧倒的存在感で熱演。「青春の殺人者」の長谷川和彦監督の長編第2作で、「ザ・ヤクザ」のレナード・シュレイダーが原案と共同脚本を手がけた( 映画.com)。

1979年製作/147分/日本
配給:東宝












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Author:gogotamu2019
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