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(論)時短命令違憲訴訟(2021年3月27日)

時短命令で訴訟 違憲性が問われている(2021年3月27日配信『信濃毎日新聞』-「社説」)

 罰則を設けて権利を制限することの違憲性が問われている。

 新型コロナウイルス対応で、2月に改定された特別措置法に基づく店舗への営業時間短縮命令である。

 緊急事態宣言下で東京都から時短命令を受けた飲食チェーン「グローバルダイニング」が、都に損害賠償を求めて提訴した。

 都の命令は憲法が保障する「営業の自由」だけでなく「表現の自由」も侵害していると訴える。

 問題視するのは命令の理由だ。同社は都内を中心に約40店舗を経営する。1都3県に宣言が再発令された1月以降も深夜まで営業を継続。午後8時までの時短要請には応じない考えを自社ホームページなどで発信してきた。

 都は同社による情報発信が、他の事業者の営業継続を誘発する恐れがあったとした。

 同社は、言いたいことを言った者に懲罰を与えるようなことが許されるのかと主張している。ネットでは政府の新型コロナや経済対策への疑問も発信していた。

 都の命令は、そうした声や発言の機会を封じ込め、行政罰の過料を盾に協力させようとしたのではないか。看過できない。

 首都圏の宣言解除を控えた先週、都は32軒の飲食店に時短命令を出した。このうち26軒をグローバルダイニングが占めた。同社の訴えによると時短要請に応じない店は約2千軒あったという。見せしめにする意図ものぞく。

 特措法は、時短要請の拒否に「正当な理由」がある場合は命令できないと定める。同社は拒否の理由に、協力金を得ても要請通りの時短営業では事業や雇用が維持できないと説明してきた。それは正当な理由ではないのか。

 正当な理由の基準についてはかねて曖昧さが指摘されてきた。行政による法の恣意(しい)的な運用を広げかねない危険性をはらんでいる。

 宣言の再発令に伴う時短への協力金は、1店舗当たり1日最大6万円。大勢の従業員を雇い、高額の家賃を払って複数の店を展開していればとても賄えない金額だ。営業継続を選ばざるを得ないと考える経営者は数多いだろう。

 飲食店には事業規模に応じた補償とセットでなければ時短要請に応じるのは難しいとの声が強い。個々の窮状に寄り添う対応こそ行政に求められるはずだ。

 国民の命を守るための法が、憲法で保障された権利を脅かす事態を招いている。訴訟の行方にかかわらず、都は運用の問題や要請のあり方を自ら検証すべきだ。




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