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ルッキズムの残酷さ知ってほしい 五輪式典統括の辞任騒動で容姿侮辱の経験者から声(2021年3月23日配信『東京新聞』)

 東京五輪・パラリンピック開閉会式の企画・演出責任者の佐々木宏氏が、渡辺直美さんの容姿をブタに見立てる提案をしていたことが発覚し辞任した。会員制交流サイト(SNS)では「過剰反応」と佐々木氏を擁護する声もあるが、容姿を嘲笑されたことのある女性たちは「ルッキズム」(外見至上主義)が取り沙汰される中、嘲笑の裏にある残酷さを訴える。(原田遼、神谷円香)

キャプチャ

 東京都の40代女性は問題となった渡辺さんへの演出案をニュースで知り、いじめと体形に苦しんだ過去を思い出した。「タレント本人がオッケーでも、見ている人が愉快とは限らない。広告業界の最前線で活躍している人がいまだにこんな考えなんて」と絶望した。

◆中高で受けた中傷で20代後半まで摂食障害

 女性は中高の6年間、同級生に「ブス四天王」などと中傷され、「何度も死にたくなった」。お笑い番組で容姿をネタにする芸がはやっており、女性は「同級生は人気者になりたくて、マネしていたんだと思う」と振り返る。

 大学生になりいじめはなくなったが、周囲の視線が気になり「美しくないと、また傷つけられる」「芸能人はみんな細い」「痩せないと」と切迫感に包まれた。当時は身長171センチ、体重58キロの普通体形だったが、極端なダイエットで体重は46キロに減り、生理も止まった。

 その後過食と拒食を繰り返し、「食べては吐く」という日々が20代後半まで続いた。今は克服したが「いじめを助長するような芸を見たくない」と話す。

◆生まれつきアルビノ 面接で「髪染めて」

 横浜市の精神保健福祉士、神原由佳さん(27)は、生まれつきメラニン色素がほとんどなく、髪が白く目も青色などになる病気「アルビノ」だ。10代の頃は周りと違う見た目が好きになれなかった。学生時代に受けたアルバイトの面接では、病気の説明をしても「髪は染められないの」と言われた。最近はそうした経験をインターネットで発信している。

 自身もアルビノで、外見に関わる問題に詳しい立教大社会学部の矢吹康夫助教(41)は「本人に変えられない容姿の侮辱は差別」と指摘する。公の場でない仲間内での発言であっても「内輪だからといって許される話ではない」と断じる。

◆「容姿で笑いを取ってはいけない」空気、敏感に

 太った人をブタに例える表現は「これまで多くの人が不快な思いをしてきた。何の新しさもない」と矢吹助教。発信側の意図にかかわらず、嫌な思いをする人がいると分かりきっている表現を、ベテランのクリエーティブディレクターがしたのを問題視する。

 外見の特徴からさまざまな困難に直面する「見た目問題」の解決に取り組むNPO法人「マイフェイス・マイスタイル」(東京都墨田区)の外川浩子代表(53)は「容姿で笑いを取ってはいけない、と今は芸人も、世の中の空気もなってきているはず。鈍感な人は追い付いていない」と指摘する。




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