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左腕失った女子中学生、夢はパラ出場(2021年3月29日配信『福井新聞』)

福井の14歳、憧れの選手追いかけ競泳の世界へ

キャプチャ
福井工業大学附属福井中学校・高校水泳部で成長を続ける前田恵麻さん(中央)と部員=福井県福井市の福井県営水泳場

 4歳の時の事故で左前腕を失った福井県福井市の福井工業大学附属福井中学校2年、前田恵麻さん(14)=福井県坂井市=が競泳の実力を伸ばしている。中高合同の水泳部で励み、夜には障害者クラブでさらに泳ぐ。将来の日本代表候補として競技連盟から育成指定を受けるまでになった。「日の丸を付けてみたい」。夢は3年後のパリ・パラリンピック出場だ。

 「恵麻、良いペースだよ」。タイムを読み上げる部員に右手を挙げて応え、25メートルプールを自由形で往復する。福井市の福井県営水泳場で行う水泳部の練習。他の部員が約6千メートルを泳ぐところ、遅れながらでも変わらない距離をこなす。「特別扱いはなし。それがうれしい」。きつくても笑顔を絶やさない。

 10年前の3月、みそ造りの体験会で機械の中に左手を入れてしまった。「最初からそうだったような、自然な感じ」。きれいに縫合された先端をなでる。小学校ではとにかく体を動かして遊んだ。鉄棒の逆上がりは、左肘を引っ掛けて難なくできた。縄跳びも持ち手をリストバンドに挟んで友だちと競った。「できないと思ったことは一つもない」

 4年生のころ転機が訪れた。リオデジャネイロ・パラリンピック代表のスイマー、一ノ瀬メイ選手(24)=近畿大=のテレビCMに目を奪われた。先天性障害で右前腕が短い。「かっこいい」。障害者対象の水泳クラブ「ブレイヴ・ドルフィンズ福井」に参加を決めた。

 福井工大福井中・高水泳部の部員20人中、障害があるのは1人だけだ。同高2年の主将は以前、左腕に目標タイムまでの秒数がマジックで書かれてあるのを見た。「成長する彼女に背中を押されている」。チームに欠かせない仲間になった。

 2019年秋のジャパンパラ大会200メートル個人メドレー決勝は、一ノ瀬選手の隣で泳いだ。「頑張ろうね」。招集所で声を掛けてもらい「ドキドキした」ことを覚えている。優勝したスターとの差は21秒あった。「まだまだ遠い。だけど、追い付くのが楽しみなんです」。高校3年で迎えるパリ大会。年下に憧れてもらえるような、水のヒロインになってみせる。




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