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(論)厚労省職員の宴会(2021年3月31日・4月1・2・4・9・10日)

[コロナ下の会食] 感染のリスク見極めて(2021年4月10日配信『南日本新聞』-「社説」)

 新型コロナウイルスの感染収束が見通せない中、国や自治体の職員が大人数で開いた会食が問題になっている。

 厚生労働省では職員23人が宴会を開き、その後、出席者を含む6人が新型コロナに感染した。鹿児島県では県観光課職員ら39人と情報政策課の17人がそれぞれ、ホテルで送別会を開いていた。

 感染防止の範を示すべき立場の職員らの緩みともとれる行動に、市民から怒りの声が上がるのは当然だろう。

 一方で、一律の飲食制限には戸惑いを覚える人たちも少なくない。何が感染につながり、どうすれば防げるのか。飲食店と利用者の双方が、リスクを見極めた行動を取る必要がある。

 厚労省老健局の職員は3月下旬、東京・銀座の飲食店で深夜まで宴会を開いた。感染が分かった6人中3人が会に参加している。宴会や会場になった飲食店との因果関係は不明だが、同じ部署内での複数感染であり、クラスター(感染者集団)の可能性がある。

 緊急事態宣言の解除後ではあったが、東京都は飲食店に午後9時までの営業短縮を求めていた。あまりに無自覚な行動であり、あきれるほかない。

 鹿児島県内では飲食店への時短要請などは出ていない。それでも塩田康一知事は3月中旬、県民に向けて少人数、短時間の会食を呼び掛けていた。

 友人との会食を長い間控えている県民や、懇親会などを取りやめている企業は少なくない。「示しがつかない」という批判はやむを得まい。

 送別会が明らかになったことを受けて県は職員に対し、飲食を伴う会合は「原則4人以下、2時間以内」、会話時はマスクを着用するよう周知した。

 会食が問題になるのは、食事の際に飛沫(ひまつ)の飛散を抑えるマスクを外すからだ。人数が増えたり、飲酒を伴ったりすると大声を出しがちで、飛沫の量も増える。

 少人数、短時間でも感染者がいれば危険性は上がる。鹿児島大学大学院の西順一郎教授は年末年始を控えた昨年「感染対策を普段から心掛けているかどうか分からない相手との会食はやめた方が安心」とアドバイスしている。必要性とリスクを比べて開催の是非を判断し、参加する場合はマスク会食を心掛けるなど、十分注意を払いたい。

 店側は、換気やアクリル板設置など感染対策を一層徹底してほしい。自治体はその状況を発信し、安心して利用できるよう努めなければならない。

 大阪などに続いて東京都と京都府、沖縄県にまん延防止等重点措置が適用されることが決まった。変異株の広がりで、流行の第4波は第3波を超える勢いが予想される。

 県内でも今月、再びクラスターが発生した。警戒を怠らず、一人一人が行動に責任を持つことが求められる。



厚労官僚の無自覚にあきれる(2021年4月9日配信『日本経済新聞』ー「主張」)

 自覚のなさにあきれるばかりだ。新型コロナウイルス対策の先頭に立つ厚生労働省で、23人もの職員が深夜まで宴会を開いていた。その2週間後、職員らが所属する老健局で、宴会に出ていた3人を含む計6人が新型コロナに感染していたことが分かった。
 
 職員の深夜会食問題で処分を明らかにし、陳謝する田村厚労相(3月31日午前、衆院厚労委)
宴会はコロナ対策の緊急事態宣言が解除された3日後の3月24日に送別会として行われた。飲食店に対し、東京都による午後9時までの営業短縮要請が続いているさなかだ。宣言解除の前に東京都内の飲食店を予約し、午後11時まで開いている店を選んだという。

 政府は宣言解除の際、歓送迎会や卒業・入学後の大人数での会食を控えるよう国民に呼びかけていた。その足元で、自らがこれを無視していたことになる。

 厚労省は送別会を発案した課長を事実上更迭し、減給の懲戒処分とした。田村憲久厚労相は閣僚給与2カ月分を自主返納し、「国民の信用を失墜する行為」と謝罪した。だが、これでは終わらなかった。送別会に出た職員に4月3日以降、相次いで発熱などの症状がみられ、3人が新型コロナに感染していたことが分かった。

 このほかに、宴会に出席していない同じ課の職員2人と、老健局のほかの課の職員1人の感染も確認された。厚労省は感染と宴会の関連は不明だとしているが、保健所は感染経路をしっかり調べ、結果を公表すべきだ。

 送別会は、厚労省所管の国立感染症研究所でも緊急事態宣言が出ていた3月18日に職員ら21人が参加して行われていた。

 国民は長期にわたり我慢を強いられている。自粛的な生活を求める側が自らの行動を律することができないようでは、国民は政府の呼びかけに従わなくなる。感染第4波への懸念が強まるなかで、気の緩みでは済まされない。

 再発防止は当然だ。自民党や公明党の国会議員による銀座のクラブ訪問が厳しい批判を浴びたが、政府の職員が他人事では困る。厚労省は体制を立て直してほしい。





城山三郎さんの小説「官僚たちの…(2021年4月4日配信『福井新聞』-「越山若水」)

 城山三郎さんの小説「官僚たちの夏」の主人公で通商産業(現経済産業)省の風越信吾が、吹聴する。「おれたちは、国家に雇われている。大臣に雇われているわけじゃないんだ」

▼小説の時代設定は高度経済成長期の1960年代。この間に高級官僚たちがどのような哲学、思想で通商政策を推し進めていたのか。城山さんの虚構の世界とはいえ、描かれる官僚たちの矜持(きょうじ)はすがすがしく共感できる

▼風越の信条は「役人は誇りを持て」だ。大臣や代議士が官僚より偉いとはつゆ思わず、それを態度で示す。省の利害を一身に体現している男「ミスター通産省」の異名を持つ。好きな言葉に、「清風自ら来る」がある。現実はそうは行かぬことを承知しているが、天下国家のために命を懸けるという決意は強い

▼さて、新型コロナウイルス禍の今日。昨年末には菅義偉首相自らが8人での会食。その後自民、公明党の議員による深夜の会食も発覚し批判を浴びている。にもかかわらず、厚生労働省の多数の官僚が、東京都内の飲食店で深夜まで会食をしていた。感染拡大を警戒し、都が時短営業を要請している最中だった

▼感染対策を担う官僚の自覚の欠如にはあきれる。政府はあすから3府県に「まん延防止等重点措置」を初適用する。信頼回復には国家を担う責務を再認識し、感染収束へ向け範を示すことに尽きるだろう。





反面教師(2021年4月2日配東奥日報』-「天地人」)

 99から100に、999から1000に。数字は桁数が増すと印象が変わる。昨年7月2日、仕事で東京都内の会議に出席中、会場のあちこちから驚きの声が漏れた。出席者のスマホに、都内で新型コロナの新規感染者が2カ月ぶりに100人を上回ったとの報が入ったのだった。

 本県では3月31日、感染確認の累計が千人を超えた。それ以上に驚いたのは、その日新たに県内で確認された感染者が81人に上ったことだ。これまで1日の最多だった2月10日の40人の2倍以上。衝撃的な数字だった。

 青森市の障害者施設では31日までに70人の大規模クラスターが発生。障害の特性上、マスク着用を徹底できないなど、感染防止対策の難しさが浮き彫りになった形だ。クラスターは、いつどこで発生してもおかしくないということか。

 コロナ禍が収束しない中、われわれにできるのは感染予防の基本に立ち返ることだろう。手洗いやマスクはもとより、感染リスクが高まるとされる五つの場面もあらためて確認したい。飲酒を伴う懇親会、大人数や長時間に及ぶ飲食、マスクなしでの会話などは要注意だ。

 それなのに、よりによって厚労省の職員23人が、東京都による営業時間の短縮要請が続いていた先月24日深夜、銀座の飲食店で会食していたのにはあ然とした。まさにリスクが高い場面であり、反面教師以外の何物でもない。



酒仙と呼ばれた作家の井伏鱒二はよく「酒は…(2021年4月2日配信『河北新報』-「河北春秋」)

 酒仙と呼ばれた作家の井伏鱒二はよく「酒は夜半を過ぎると一段とうまくなる」と口にした。親交があり、対談の相手も務めた後輩作家の三浦哲郎さんが著書『母の微笑』に書きとめている

▼真夜中になると酒がうまくなるわけはなく、三浦さんは「眉唾ながら印象的な新説」と書いている。さらに「寂しがり屋の先生」のもうしばらく飲もうよという誘いだったのかもしれない、とも

▼世の中には井伏流の新説というか、まあ、珍説を心から信じている人も多いらしい。コロナ禍の折も折、深夜まで東京・銀座の飲み屋で酒を飲んでいた厚生労働省の職員23人がそうだ。深夜、銀座で一緒に飲む酒は、一段とうまかったろう

▼当欄で筆者が憤慨するのがばかばかしくなるような厚労省の面々だ。と思っていたら、鳥取県庁でもそう。送別会の後、2次会の接待を伴う店で、報道によると密着状態でカラオケなどをして、8人が感染したという。何とも言葉に窮する

▼釣りや酒を愛し、数々の傑作を残した井伏には「熟睡が傑作を書かすんだよ」という名言がある。これは珍説ではなく、三浦さんは「実際、先生はよく眠られた」と書いている。さっさと帰路に就いて、よく眠って、ちゃんと公務に励んでくれるなら、税金も払いがいがあるのだけれど。





「死ねっつったら死ぬのか」(2021年4月1日配信『産経新聞』ー「産経抄」)

 厚生労働省という役所は、一体どうなっているのか。職場におけるハラスメントの防止に取り組んできたはずだ。その厚労省で、「死ねっつったら死ぬのか」などと部下に暴言を吐いた上司が、懲戒処分を受けていた。部下は鬱病を発症して退職している。上司は職場の「パワハラ相談員」だったと聞けば、あいた口がふさがらない。

 ▼「働き方改革」の旗振り役を担っているのも厚労省である。今年1月、過労死ラインの目安となる月80時間以上の残業を強いられた職員が398人もいた。最も長い職員の超過勤務時間は226時間だった。緊急事態宣言の再発令の対応に追われたにせよ、常軌を逸している。

 ▼何より、連日メディアをにぎわせている会食問題である。職員23人が東京・銀座の居酒屋で深夜までマスクなしで飲食していた。新型コロナウイルスの感染再拡大を避けるためとして、国民に宴会の自粛を求めている最中である。弁解の余地はない。

 ▼元厚労事務次官の村木厚子さんに『日本型組織の病を考える』(角川新書)という著作がある。村木さんは局長時代に郵便不正事件で逮捕され、その後無罪が確定した。検察はなぜ、無理な捜査をやめられなかったのか。村木さんは池の中の杭(くい)の話を持ち出す。

キャプチャ

 ▼1本だけの杭の上で立つのは不安定である。仕事だけ、あるいは組織の一員でしかない生活はそれと同じだというのだ。家庭生活や趣味の世界など何本も杭があれば、視野も広がり自らの過ちに気づくことができる。パワハラも働きすぎも常識はずれの会食も、官僚組織という1本の杭にしがみついているがゆえ、ともいえる。

 ▼コロナ禍との闘いはまだ続く。厚労省職員のモラル(倫理)と同時にモラール(士気)が心配である。



テレビから「マンボウ」という言…(2021年4月1日配信『山陽新聞』-「滴一滴」)

 テレビから「マンボウ」という言葉が聞こえ、海の中をゆったりと漂う姿を思い浮かべた人も少なくないのではないか。このところ頻繁に耳にするマンボウは、もちろん魚のことではなく「まん延防止等重点措置」の略称である

▼マンジュウと略してもよさそうだが、政治家や官僚の間でいつしかマンボウが定着したらしい。新型コロナウイルスの新たな感染防止対策で、緊急事態宣言に至らないよう、知事が市町村など一定の地域を限定して飲食店への営業時間短縮の要請などができる

▼宣言が解除されてから10日余り。懸念されていた通り、各地で感染再拡大に歯止めがかからない。きょうにも大阪府へのマンボウ適用が決まる見通しだが、相変わらず政府の動きは鈍い

▼それでなくてもマンボウという響きに脱力しがちなのに、感染対策の先頭に立つべき官僚たちの大宴会にはあきれ、力が抜けた。厚生労働省の職員23人が送別会の名目で深夜まで宴会をしていたという

▼政府が国民に対して大人数での宴会の自粛を求め、東京都が午後9時までの閉店要請を続ける中である。遅くまで開いている飲食店を選んで予約したというから驚く

▼上司が発案したとしても「やめた方がいい」と止める職員はいなかったのか。物言えぬ空気がまん延しているのなら、マンボウが必要なのは霞が関だろう。



厚労省深夜会食 国民への重大な裏切りだ(2021年4月1日配信『西日本新聞』-「社説」)

 国民から見ればまさに「ふざけるな」の一言だろう。新型コロナウイルス対策を担う霞が関の役人がこのありさまでは、怒りと同時にむなしさが募る。

 厚生労働省老人保健課の職員が先月24日、東京・銀座の居酒屋で深夜まで仲間の送別会を開いていた。午後7時すぎから計23人が順次集まり、十数人は午前0時近くまで残っていた。

 多人数での飲食は感染リスクが高いとして注意喚起しているのは、ほかならぬ政府である。東京都は緊急事態宣言が解除された21日以降も、飲食店に午後9時までの時短営業を要請している。そのさなかに深夜まで開いている店を探して予約していたという。言語道断である。

 田村憲久厚労相は「国民への裏切り行為」として、会を主催した課長らを懲戒などの処分とし、自らの給与2カ月分も自主返納する意向を示した。当然であり、これだけでは納得できない国民も少なくなかろう。

 介護保険制度を担当する老人保健課は高齢者施設を所管する老健局に属する。課員らはコロナの集団感染が全国の施設で相次ぎ、死者が出続けている現状を百も承知のはずだ。にもかかわらず、感染防止の自覚を欠いた行動を取っていたわけだ。

 昨年来、菅義偉首相が自民党幹部らと多人数で会食したり、与党議員が緊急事態宣言下に銀座のクラブを訪れたりして、世論の批判を浴びた。そんなことは念頭にもなかったのか。

 霞が関の省庁はコロナ禍もあり、多忙を極めている。慰労や息抜きの場を設けたい気持ちも分かる。ただ、それにもまして感染対策でさまざまな制約を受け、我慢を重ねているのは多くの国民である。その痛みが理解できていないとすれば、その原因はどこにあるのだろうか。

 総務、農水両省の接待問題などと照らし合わせると、国民の暮らしよりも為政者の側に寄り添おうとする官僚の体質が浮かび、気掛かりだ。この傾向は安倍晋三前政権が内閣人事局を創設し官僚人事を一元管理して以来強まり、国民不在の行政になっているとの指摘も多い。

 その意味では、不祥事の続発は国家公務員倫理の希薄化というより、構造的な「病理」と考えられる。ここで菅首相は綱紀粛正を唱えるだけでなく、首相官邸と各省庁の官僚との関係を見直し、霞が関全体が国民目線を取り戻すよう意識改革を推進すべきだと訴えたい。

 コロナ対策はワクチン接種の準備が遅れ、感染「第4波」の兆候を見せ始めた。封じ込めには国民の信頼と協力が欠かせない。政府一丸でウイルスと闘うという自らの言葉を、首相はいま一度かみしめるべきだ。





厚労省職員の宴会 立場忘れた非常識に驚く(2021年3月31日配信『毎日新聞』-「社説」)

 厚生労働省の職員23人が東京・銀座の居酒屋に集まり、深夜まで送別会を開いていた。新型コロナウイルスの感染対策を担う組織の一員として、著しく自覚を欠いた行動だ。

 「東洋経済オンライン」の報道で明るみに出た。緊急事態宣言が解除された直後、東京都が飲食店に午後9時までの営業時間短縮を要請している中でのことだった。

 店が午後11時まで開いていることをわざわざ確認して、予約したという。全員が店を出たのは日付が変わる直前だった。

 政府は感染対策として、宣言解除後も大人数での飲食や歓送迎会を控えることを国民に呼び掛けている。長時間の飲食は避け、アクリル板を設置した店を選ぶことを促していた。今回の送別会は、政府が求める感染対策にことごとく反していた。

 23人は感染対策が特に重要な高齢者施設を所管する老健局の所属だ。課長をはじめ課員の約半数が参加していたという。不適切だと分かっていたはずなのに、なぜ制止する声が上がらなかったのか。

 政府は、海外のロックダウン(都市封鎖)のような手法ではなく、国民や事業者に外出自粛や営業時間の短縮を要請することで、感染拡大を抑制してきた。

 国民は長期にわたり我慢を強いられている。生活の制約を求める側が自らの行動を律しないようでは、要請を真摯(しんし)に受け止めてもらえなくなる恐れがある。

 感染拡大の「第4波」への懸念が広がっている中で、これでは対策の徹底に支障を来しかねない。

 昨年12月には、菅義偉首相自らが自民党の二階俊博幹事長らと計8人で会食した。その後も、自民党や公明党の国会議員による銀座のクラブ訪問などが相次いで発覚した。いずれも厳しい批判を浴びたが、厚労省の職員には人ごとだったのだろうか。

 田村憲久厚労相は記者会見で、「国民があきれて、厚労省がやっているんだからやってもいいと思わないように、綱紀粛正していきたい」と述べた。関係した職員の処分は当然だ。再発防止の徹底も言うまでもない。

 新型コロナ対策で厚労省は失態が続いている。国民の協力を得られるよう体制を立て直すべきだ。



厚労職員の会食 省内一丸でコロナ対策を(2021年3月31日配信『産経新聞』ー「主張」)

 「5W1H」という言葉がある。文章や報告の基本で、いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように-を指し示す。

 この全ての要素において、弁明の余地のない不適切な行動だった。

 新型コロナウイルスの感染再拡大を警戒して国民に大人数での会食を控えるようお願いしている中、時短営業の要請が続く東京都のど真ん中で、当の厚生労働省の職員23人が、送別会名目で、深夜まで会食していた。

 田村憲久厚労相が「国民の信用を裏切った」と謝罪し、加藤勝信官房長官が「一体何をやってんだという思いを強くもった」と憤ったのは当然だろう。

 何より、こうした行動が国民からどう見られるかという自覚や想像力の欠如には愕然(がくぜん)とする。

 自民、公明両党の幹部議員が深夜の会食に及び、菅義偉首相が陳謝した事態は、よもや人ごとにすぎなかったか。

 24日に行われた会食には、介護報酬などを担当する老健局老人保健課の課長を含む職員の大半が出席した。多くは会話中にマスクを外していた。午後11時まで営業している店を探して銀座の飲食店を予約した。宴会は翌午前0時近くに及び、十数人が最後まで残ったのだという。

 3月末は別れの季節だ。卒業式や謝恩会、歓送迎会について自粛を呼びかけ、会食は家族のみか4人以内でお願いしていたはずだ。担当官庁の厚労省職員による大人数の送別会に国民が反発を覚えるのは当たり前の感情だ。

 厚労省の担当者が新型コロナ対策に昼夜を問わず尽力していることは知っている。だが、老健局が新型コロナを直接担当していないからといった言い訳は通らない。外部から見れば一緒である。

 ワクチン接種や検査体制の強化が遅々として進まないのも、厚労省のこうした姿勢が影響しているように受け取られても仕方がないではないか。

 自粛警察の横行や行き過ぎた監視社会は決して望まないが、このケースは質が悪すぎる。

 厚労省は早急に調査し厳正に処分する方針を明らかにしている。だが、処分だけで国民の信用を取り戻すことはできない。

 求められるのは、省内一丸となって新型コロナ対策にあたり、感染収束に向けて結果を出すことである。



「医者の不養生」「坊主の不信心」「算術者の不身代」「論語読…(2021年3月31日配信『東京新聞』-「筆洗」)

 「医者の不養生」「坊主の不信心」「算術者の不身代」「論語読みの論語知らず」−

▼人々には立派なことを言っている専門家が自分の生活においては実行が伴っていない。そんなたとえや格言は数多い。言っていることとやっていることの落差が一種の笑いを伴い、人の口によく上るようになったのかもしれぬ

▼令和の時代にその手のたとえの大ケッサクが生まれたと皮肉の一つも言いたくなるではないか。ただし笑いはない。悲しくなる。「厚労省の大宴会」である。厚生労働省の職員23人が銀座の居酒屋で夜遅くまで会食をしていたそうだ

▼新型コロナウイルスの感染対策を担っているお役所である。国民には感染拡大を防ぐため、大人数の会食を控えて、飲食店の営業は午後9時までなどと口酸っぱく言いながら、自分たちは大宴会とはあまりにも情けないではないか

▼介護保険を担当する老健局の職員だそうだ。コロナ対策とは直接関係のない局かもしれぬが、コロナ禍での仕事上のストレスは高かろう。憂さを晴らしたくなる気分は分からぬでもないが、その宴会は同じがまんを強いている国民への手ひどい裏切り行為である。同じ省内で日夜コロナ対策に頭を痛める同僚をもないがしろにしている

▼一人ぐらいは止める人はいなかったのか。仲間の送別会だったと聞く。送別すべきはその思い上がった心だろうに。



「一体、何やってんだ」(2021年3月31日配信『中国新聞』-「天風録」)

 あぜん、ぼうぜん、がくぜんの3連発である。厚生労働省の官僚23人が東京・銀座の店で酒盛りし、約半数は日付の変わる前まで粘ったという。大人数、マスクなしの会話、深夜に及ぶ長居と三つも禁を破ったとは

▲立場をどう考えているのだろう。新型コロナ感染の拡大防止に向け、協力を呼び掛けている大本の省庁ではないか。「お願い」頼みで切り抜けようとする日本にとって、発信力こそ活路である。自ら弱くしてどうする

▲珍しく加藤勝信官房長官も色をなした。「一体何をやっているんだ」。あれれ、自民党の松本純国対委員長代理たち与党議員が銀座で夜更かしをした時の口ぶりとはだいぶ違う。あの時こそ、もっと厳しい緊急事態宣言下だったのに

▲選挙ですげ替えられる議員と違い、そうはいかぬ官僚は腹立たしい。モリ・カケ・桜の疑惑からこの方(かた)、公文書の改ざんや廃棄をするわ、国会の答弁で「記憶にない」を連発するわ…。昨今の志願者離れもうなずける

▲取り越し苦労ならいいのだが、ほかの省庁は大丈夫だろうか。不始末を万が一、闇に葬れば国民の信用を2度裏切ることになる。冒頭の3連発で開いた口は当分の間、ふさがりそうにない。





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