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民間病院の4割、コロナ対応せず 病床逼迫の懸念強まる(2021年4月3日配信『日本経済新聞』)

新型コロナウイルスの感染拡大に対する民間病院の病床の確保が進んでいない。第3波を受けて病床が逼迫した1月の緊急事態宣言の直後には、200床以上の中規模の民間病院の4割がコロナ患者に対応していなかった。国や自治体は民間病院に協力を要請しているが、病床の提供を強制する法的権限はない。第4波が迫る中、病床逼迫の懸念が再び強まっている。

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今年1月ごろにかけての第3波では、東京都内の感染者はピーク時に2万1千人を超えた。一方で東京都が当時確保した病床は4千床。この中には入院患者のほか、ホテルや自宅などで療養する軽症者や無症状者も含まれるが、病床使用率が80%を超える病院が相次いだ。

焦点となるのは民間病院が持つ病床の活用だ。200床以上の病院は施設が大きく、一般の患者とコロナ患者を分離してケアしやすい。

厚生労働省によると、1月10日時点で中規模(200床以上400床未満)の全国420病院のうち、コロナ患者を受け入れたのは215病院(51%)にとどまり、188病院(45%)がコロナ対応をしていなかった。受け入れていないが「対応可能」としたのは17病院(4%)だった。

公立は中規模の207病院のうち194病院(94%)、日赤病院や済生会病院など公的病院でも292病院のうち249病院(85%)がそれぞれ対応しているのと対照的だった。

経営余力に乏しい小規模病院が受け入れに及び腰とされてきたが、200床以上の病院でも民間の協力が進んでいない実態が浮き彫りになった。

日本医師会の中川俊男会長は民間病院のコロナ対応について「確保病床数はほとんど上限に近い」と説明。中規模病院の4割が対応していないとの指摘に対し、全日本病院協会の猪口雄二会長は「高齢者が入院し、コロナ病床を確保しにくい病院も多い」と話す。

だが、都市部にある中規模の民間病院は「周囲には病院がたくさんある。必ずしも自分のところで受け入れる必要はない」とし、周辺病院との「お見合い」が続く現状を打ち明ける。厚労省は1月10日時点を最後に民間病院の病床規模別データを更新しておらず、実態が分からなくなっている。

国は民間病院の受け入れを促すため、コロナ病床1床確保につき最大1950万円を給付する対策を打ち出している。

埼玉県羽生市の羽生総合病院(311床)は2020年3月からコロナ患者を受け入れ、今年1月にコロナ患者専門の80床の仮設病棟も開設した。補助金などを活用して現在は黒字だ。

厚労省は第4波や変異ウイルスに備え、感染者を第3波の2倍程度と想定した医療提供体制の整備を都道府県に求めているが、対応は場当たり的だ。同省は3月31日付の自治体向け事務連絡で、これまで「原則入院」としてきた変異ウイルスの感染者について、無症状者や軽症者は宿泊施設での療養も可能と改めた。病床逼迫の懸念が出てきたためで、民間病床の活用がカギとなる状況に変わりはない。

東京大学の仲田泰祐・准教授(経済学)と藤井大輔特任講師(同)が3月30日に公表した試算によれば、大阪では6月上旬、東京では7月上旬にはほぼすべてが変異ウイルスに置き換わる可能性がある。感染力が強い変異型の感染が拡大すれば病床は一気に逼迫する恐れがあり、予断を許さない情勢だ。




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