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五輪組織委は文春への圧力より電通との癒着の説明を! MIKIKO排除も電通ナンバー2が主犯、代理店への人件費は最高1日一人30万円(2021年4月3日配信『リテラ』)

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東京2020組織委員会公式ウェブサイトより

 あらゆる面から批判の的となっている東京五輪組織委員会が、反省するどころか常識はずれの暴挙に出た。「週刊文春」(文藝春秋)と文春オンラインに対し、「著作権の侵害」だとして雑誌の発売中止および回収、オンライン記事の全面削除などを要求し、さらには「警察に相談しながら徹底的な内部調査にも着手」したと公表したからだ。

 組織委が「著作権の侵害」を主張しているのは、今週発売の「週刊文春」と文春オンラインが掲載した、国際オリンピック委員会におこなわれたプレゼン資料。これは五輪開閉会式の演出責任者から「排除」されてしまったMIKIKO氏の手によるもので、三浦大知や菅原小春といった世界的ダンサーが登場するなか、大友克洋が描き下ろしたという2020年の「ネオ東京」が映し出され、渡辺直美による合図を皮切りに女性ダンサーが舞い踊る……といった“幻の演出案”を「週刊文春」は独自入手したプレゼン資料をもとに紹介していた。

 組織委はこの報道に対し、「企画の検討段階のものであったとしても、開会式演出の価値は大きく毀損される」「組織委員会の秘密情報を意図的に拡散し、業務を妨害するもの」「内部資料の一部の画像を掲載して販売することは著作権を侵害するもの」などと主張しているが、冗談にもほどがあるだろう。
 開閉会式をはじめとして東京五輪は多額の税金が投入されている公共イベントであることは言うまでなく、今回の「週刊文春」の報道は国民の知る権利に応える内容であり、公益性が高いものだ。また、著作権法は報道や批評、研究などに対して著作物の利用を認めており、「週刊文春」の記事内容は著作権法が認めるその「正当な範囲内」にある。むしろ、組織委によるこの抗議こそ、憲法に保障された「報道の自由」を制限しようとする不当なものだ。

 ところが、組織委は文藝春秋に対し、雑誌の発売中止・回収を求めるばかりか、〈様々な代替案を考案するなど、多大な作業、時間及び費用が掛かることになります〉などと述べ、演出内容変更に伴う経費の損害賠償請求の可能性までちらつかせている。

 「週刊文春」が報じたのは、すでに排除されたボツ案であり、なぜ変更費用がかかるのかよくわからないのだが、じつは現在進められている開会式案には排除したMIKIKO氏の案の一部が借用されているらしいのだ。本人の同意なく一方的に排除しておきながら、その案を使っているとは、著作権侵害をしているのは組織委のほうではないか。

MIKIKO氏を排除したのは森前会長と、電通ナンバー2・髙田佳夫代表取締役

 しかも、組織委は「警察に相談しながら内部調査にも着手」したというように、内部告発をおこなっている者に対しても脅しをかけている。

 だが、今回の問題は、組織委が開会式演出を不正に歪めたことを告発する「公益通報」以外の何物でもない。

 MIKIKO氏は3月26日に出した公式コメントで演出から一方的に外された経緯を明らかにしたが、この異常な排除の背景には、組織委の森喜朗・前会長と五輪利権を一手に握る巨大広告代理店・電通の存在がある。

 「週刊文春」も繰り返し指摘しているように、森前会長と電通のナンバー2である髙田佳夫・代表取締役は昵懇の関係で、MIKIKO氏排除に動いたのもこのコンビだった。

 森前会長は、高田会長を使って、開会式演出案にたびたび介入。MIKIKO氏がそれを拒否したため、高田氏がMIKIKO氏降ろしに動き、コントロールしやすいからと、自分と電通の同期のクリエイティブディレクターで、渡辺直美をブタに見立てるというルッキズム全開の演出案を出した佐々木宏氏を立てたのだ。

 先週号の「週刊文春」は、MIKIKO氏が昨年10月に電通幹部らに送ったメールを報じているが、そこにも〈5月11日/高田さんから呼び出しを受け/森会長の意向で緊急対策リーダーとして佐々木さん体制になる旨伺う〉とはっきり書いている。

 そして、昨年5月19日、MIKIKO氏は森会長、高田氏と面談するのだが、その際、森会長が「引き続き、オリ開会式はMIKIKOさんにリーダーをお願いしたい」とそれまでをくつがえすような発言を口にした。ところが、そのあとMIKIKO氏は別室に連れて行かれ、高田氏から信じ難い言葉をかけられたことをメールで報告している。

〈「森会長はボケてるから、今の話は事実と違うから」と再度佐々木さん体制を念押しされ、「佐々木から連絡する様に伝えるから」として解散〉

 これについて、「週刊文春」は、“森会長はMIKIKO 氏をそのまま起用したがったが、電通の高田氏が開会式を自らの意のままに動かし、電通の利益にしたいために一方的にMIKIKO氏排除に動いた”というような解説をつけていたが、全国紙の東京五輪担当記者はこう解説する。

「MIKIKO氏排除は森前会長と電通の高田氏の間で合意されていたはず。ところが、森氏はMIKIKO氏から強く抗議を受けたため、つい口をすべらせてしまったんだろう。もし森氏が本気でMIKIKO 氏を続投させたいと思っていたら、さすがの高田氏でも、強行することはできないからね」

 いずれにしても、組織委がやらなければならないのは、「週刊文春」への抗議や内部告発者への恫喝ではなく、MIKIKO氏を不当に排除した経緯の説明、そして電通との異常な癒着の解明ではないか。

電通など大手広告代理店に払われる大会運営の委託費は164億円 運営統括に日額30万円

 実際、組織委と電通をめぐっては、開閉会式の主導権争いのレベルではなく、さらに大きな利権の問題が取り沙汰されている。それは、大会運営の委託費問題だ。

 というのも、東京五輪の会場運営を担う企業への委託費の見積額を記した組織委作成の内部資料を、毎日新聞が独自入手。それによると、委託費は計約163億9000万円にものぼり、人件費単価はなんと1日当たり最高30万円であるとスクープしたのだ。

 記事によると、たとえば東京・武蔵野の森総合スポーツプラザで実施される競技運営の場合、〈企業への委託費は約5億3000万円で、人件費単価は「運営統括」で日額30万円、「チーフ」で同20万円、「ディレクター」で同20万円〉となっているという。

 そして、この委託先企業のひとつが、電通だ。委託先企業は計9社あり、その中心となっているのが電通や博報堂、ADK、東急エージェンシーといった大手広告代理店なのである。

 炎天下のなか約8万人のボランティアを無償で働かせ、一時は選手村や競技会場で活動する医師や看護師にも無償で協力させようとさえしていたのに、一方で電通をはじめとする委託先企業には日額30万円が支払われる──。「世界一カネのかからない五輪」という触れ込みだったのに、当初の約7300億円という大会予算がいまでは1兆6440億円に膨れ上がっているが、その裏では組織委と電通の「癒着」によって金が流れていくという構造が出来上がっているのである。

 そもそも電通は、五輪の東京招致に絡んだ買収問題でも関与が取り沙汰されてきたが、組織委と電通のズブズブの関係はそうした根本の問題が追及されずに放置されてきた結果、増長してきたと言っていい。そんななかで起こったのがMIKIKO氏排除の問題であるわけだが、委託費問題を見ればわかるように、これは組織委と電通の癒着問題の氷山の一角でしかない。

「週刊文春」は組織委の圧力・恫喝に真っ向対決も、テレビは電通タブーで完全に及び腰

 今回の組織委の暴挙に対して、「週刊文春」編集部は〈巨額の税金が浪費された疑いがある開会式の内情を報じることには高い公共性、公益性があります〉〈極めて異例の「雑誌の発売中止、回収」を求める組織委員会の姿勢は、税金が投入されている公共性の高い組織のあり方として、異常なものと考えています〉と反論し、〈こうした不当な要求に応じることなく、今後も取材、報道を続けていきます〉と宣言。ネット上でも「週刊文春」を支持する声が大きく、組織委への批判が高まっている。

 だが、マスコミやワイドショーは、佐々木宏氏の演出問題ではあれだけ騒いだのに、肝心のこの組織委と電通の癒着、そして「週刊文春」への不当な圧力批判については、ほとんどふれようとしない。

 これでは、すべてが電通に支配されているというような陰謀論が流通してもやむをえないだろう。

(編集部)



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