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発達障害への理解を 当事者と家族の思い(2021年4月6日配信『徳島新聞』)

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作品について話す島さん親子

 2日の「世界自閉症啓発デー」に合わせ、徳島市の県立21世紀館で「とくしま発達障がい啓発イベント2021」(県発達障がい者総合支援センター主催)が開かれた。36団体・個人の作品201点を展示。日常生活を切り取った写真を出展した阿南市の島大河さん(21)は、重い自閉症を抱えている。大河さんの母親で徳島県自閉症協会会長、島優子さん(48)に大河さんとの生活や会長としての思いなどを聞いた。

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作品を手に持つ大河さん

 「発達障害」「自閉症」って? 

 発達障害は自閉症スペクトラム障害や学習障害(LD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)などの総称で、生まれつきの脳機能障害が原因とされる。自閉症はコミュニケーションが苦手だったり、こだわりが強いなどの特徴があり、症状の軽重もさまざまだ。大河さんは、県が交付する知的障害者対象の療育手帳で、4段階中2番目に重い等級と判定。地元の小学校を卒業後、特別支援学校に進み、現在は阿南市内の福祉作業所で生活訓練を受けている。

 イベントでは、シール貼りや料理作りなど日常生活の様子を写した写真を展示。作業所から口座に振り込まれた工賃を自分で引き出し、動物や魚のシールを買い、スケッチブックに自由に貼る。毎年、市販のスポンジケーキに生クリームやフルーツ、サンタの砂糖菓子などを飾り付け、オリジナルのクリスマスケーキを作っているという。作品について質問すると、「(料理を作っている時は)うれしい気持ち」。「水族館や徳島動物園。作品を作りました」とゆっくり答えてくれた。

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(左)自分で作ったケーキをほおばる、6歳(右)パソコンでローマ字打ちの練習、8歳

 1歳で「自閉症」と診断 手探りの子育て

 大河さんは1歳検診の際に自閉症と疑われ、専門の病院で診断された。乳幼児期、周囲に興味を示さず、幼児が出す意味の無い喃語(なんご)も出なかったという。母親の優子さん(48)は「長い人生の間、障害を背負っていかないといけない。どういうルートをたどるのか未来が見えず不安だった」と振り返る。

 けがをしても泣いて訴えることがなく、「シートベルトを付けられたら、自分から外したり動いたりせず、何をされたか分かっていない。パソコンのOSが入っていない感じ」と例える。小学校時代は散歩の際、奇声を発したり、足の運びが分からず縁石につまずいたりと目が離せず、周囲が映っていないようで、物事を教えるのが難しかった。周囲の友人や先生に支えられながら地元の小学校を卒業し、中高は特別支援学校に進学。授業での農作業体験や同級生らとの交流を通じ、社会性を身に付けていった。


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県自閉症協会の会長を務める優子さん

 「当事者の心の叫びに耳を傾けて」


 大河さんについて「純粋無垢で素直、愛嬌がある。年相応ではなく、幼いところがあるのでいつまでもかわいい」と顔をほころばせる優子さん。大河さんが5歳の時、県自閉症協会に入会し、芋掘りや療育キャンプなどさまざまなイベントに参加してきた。積極的に社会に触れさせた結果、人と接することが好きになり、人の役に立つことに喜びを感じているという。
「自閉症という障害は、啓発のおかげで随分と社会に認識されてきたと感じます」。自閉症は障害の程度や内容が幅広く、当事者の個性を見抜いて関わる必要があるため、当事者を知るための情報が重要だという。「情報を共有することで、当事者の思いや保護者の思いが伝わり、関わり方が分かるのではないかと思います。問題行動を問題として扱うのではなく、その奥の当事者の心の叫びに耳を傾けてもらえたら」と話した。





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Author:gogotamu2019
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