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(論)コロナと解雇・失業(2021年4月10・11・13・15・22日)

コロナ解雇急増 支援策を後退させるな(2021年4月22日配信『秋田魁新報』-「社説」)

 新型コロナウイルスの感染拡大による解雇や雇い止めが、見込みを含めて累計10万人を超えた。昨年2月に厚生労働省が集計を開始。昨年10月からペースは鈍化していたが、3月に入って急増している。雇用情勢は深刻さを増しており、支援策の強化が急務だ。

 内訳は製造業の約2万人が最も多く、小売業、飲食業、宿泊業が各1万人台で続く。苦戦している業種は固定化しており、集中的な支援が求められる。

 全国のハローワークなどを通じて把握したもので、実際はもっと多いとみられる。野村総合研究所は、勤務時間が5割以上減少し休業手当を受け取っていない人が2月時点で女性103万人、男性43万人に上ると推計。総研は「実質的失業者」と位置付けている。

 厚労省の集計を都道府県別に見ると、東京が2万人超と突出しており、大阪の約9千人がこれに続く。政府は3度目となる緊急事態宣言を東京、大阪などに近く発令する方針。感染力が強い変異株は全国的に広がっており、今後、雇用情勢が好転するとは考えにくい。

 にもかかわらず政府は、雇用調整助成金の特例措置を5月から段階的に縮減する方針だ。助成金は、休業を余儀なくされた企業が従業員に休業手当を支払う際、国が費用を補填(ほてん)する仕組み。昨年の感染拡大に伴い拡充し1人日額1万5千円を上限に最大100%を助成している。

 原則として雇用保険から払われているが、財源不足で税金が一部投入されている。支給決定額は3月中旬までに3兆円を超えた。

 特例措置の見直しでは今年5月から原則上限1万3500円とし、最大助成率も引き下げる。7月以降はさらに縮減する予定だ。政府が支援を縮小する背景には財源の逼迫(ひっぱく)がある。

 感染拡大に伴って雇用情勢が厳しさを増す中、支援を縮小することは果たして妥当なのか。助成金で雇用を守ってきた事業者が今後、解雇や雇い止めに踏み切ることもあり得る。

 雇用維持のためにはむしろ、さらなる国費の投入が必要だ。財政全体のバランスに配慮しながら他で抑制すべきは抑制し、政府は今以上に手厚い支援に乗り出すべきだろう。

 新たに働く場を確保するための支援も必要だ。政府は、勤め先と雇用契約を維持したまま従業員が人手不足の他社で働く「在籍型出向」への支援を始め、出向元や出向先に助成金を出している。こうした制度の拡充にも力を入れてもらいたい。

 解雇や雇い止めの半数近くが非正規雇用労働者である点も見過ごせない。立場の弱い人たちを「雇用の調整弁」とすることがあってはならない。

 菅義偉首相は就任時「自助、共助、公助」の大切さを強調した。「第4波」に入った今こそ、手厚い公助の手を差し伸べるべきだ。





コロナ解雇増加 支援縮小の時ではない(2021年4月15日配信『北海道新聞』-「社説」)

 新型コロナウイルス感染拡大に関連した解雇や雇い止めが累計で10万人を超えた。変異株の広がりなどで感染は全国的に再拡大しており、雇用状況はいっそう深刻さを増している。

 こうした中、国は企業への支援策の要とする雇用調整助成金の上限額や助成率の特例措置を、5月から段階的に縮小する方針だ。

 これでは企業がさらに雇用調整に向かう可能性がある。

 いま必要なのは支援策を後退させることではなく、むしろ手厚くしていくことではないか。国は客観的な経済データをもとに慎重に判断すべきだ。

 全国の解雇・雇い止めは製造業が2万人を超え、小売り、飲食、宿泊で1万人超となった。東京が2万人超で突出し、大阪、愛知、神奈川、北海道と続く。

 これらの数字は各地のハローワークなどが把握したもので、実際はさらに多いと推察される。

 また、勤務先の廃業による失業や時短営業に伴う大幅な減収のほか、長時間の自宅待機など、雇用統計には反映されない実態も忘れてはならない。

 本紙が道内主要企業を対象にした2022年春の採用計画アンケートでは、運輸・観光業を中心にコロナ禍の打撃が色濃く表れ、予定していた人数を絞ると回答した企業もあった。

 離職者を取り巻く環境は厳しい。職業訓練や事業者とつなぐ具体的な手だてが求められる。

 専門家の中にはコロナ禍で道内の産業構造が変化したという見方もある。道は人手不足の介護や建設業などへの円滑な橋渡しに今以上に取り組む必要がある。

 雇用などに関する国の支援制度は省庁をまたぐものも多く、わかりづらい。国や自治体は仕組みを含め周知に力を入れるべきだ。

 国の労働力調査では、2020年平均の非正規労働者数は前年比75万人減の2090万人だった。比較可能な14年以降、初めて減少に転じた。

 特に女性の非正規労働者の減少幅は男性と比べ約2倍だ。「業務態度が悪い」などの理由で契約が打ち切られるケースもあり、労働相談の件数は増えている。

 非正規労働者を安易な「雇用の調整弁」として扱うことは許されない。コロナ禍で育児や介護の負担増は女性に偏り、精神的に追い込まれる人も出ている。

 国や自治体は支援が行き届くよう細かく目配りし、実態に即した安全網を整えなければならない。





コロナ失業10万 生活支援に力を尽くせ(2021年4月13日配信『東京新聞』ー「社説」)

 コロナ禍による失業者が10万人を超えた。企業内でも実質的に仕事がない人が増え、状況は深刻だ。暮らし支援の再拡充に力を尽くす一方、コロナ後を見据えた大胆な雇用対策に乗り出すべきだ。

 厚生労働省が8日に公表した調査によると、昨年1月末から今月上旬までに失業した人は10万425人。ただハローワーク中心の調査で、調査しきれない分を含めれば数字が10万人を大きく上回るのは確実だ。就業数の多い製造業に次いで小売りや飲食、宿泊が打撃を受けている。

 気になるのは非正規雇用で仕事を失った人が4万6000人超と高水準にある点だ。昨年5月以降の数字だが単純計算だと全体の半分近くを占める。暮らしに困窮する人は激増しているはずで非正規対策の強化は喫緊の課題だ。

 さらに指摘したいのは雇用は維持されたまま企業や店舗の中で仕事を失うケースだ。仕事の割り当てが激減し、休業手当を受け取れずに時短勤務や自宅待機を余儀なくされている人は多い。

 こうした「事実上の失業者」は数字の把握が難しく、支援の対象にもなりにくい。ただ内閣府が3月末に公表した調査では、国内企業には昨年10〜12月期で238万人の余剰人員が存在する。働く時間を失い収入が激減している人は確実に増えており、支援を届ける仕組みの構築が急務だ。

 コロナ禍をめぐっては、東京など6都府県で「まん延防止等重点措置」が適用された。雇用の一層の悪化が懸念される情勢である。

 2月の完全失業率は2・9%と各国と比べ良い数字が出ているが、雇用の内実は厳しい。政府は雇用対策の軸に据える雇用調整助成金の特例部分を小さくする方針だ。だがこの対策に限らず雇用のための枠組みは、他の予算を削ってでも縮小せず続けるべきだ。

 政府は他企業との交流を促進する制度をつくった。一部企業でも人材を出向させる取り組みが進んでいる。希望とは違う仕事に就くため導入が難しい制度だ。

 ただ雇用を守るための非常時の一時的な仕組みとしてはやむを得ない。コロナ禍収束までは進めるべきだが、官民問わず運用には細心の注意も必要だろう。

 企業社会は生き残りをめぐり過渡期を迎えている。

 政府には足元の対策はもちろん、長期的な雇用維持に向け企業の大規模再編も意識したポストコロナ型の産業再生プランも期待したい。 





コロナ失業 状況に応じた支援が要る(2021年4月10日配信『信濃毎日新聞』-「社説」)

 新型コロナウイルスの影響で解雇や雇い止めに遭った人が、累計で10万人を超えた。

 厚生労働省が昨年2月から集計してきた。5月の約1万3千人をピークに減少傾向を示し、秋以降は月に5千人ほどで推移してきたが、今年3月に入って約9千人と急増している。

 感染が事実上の「第4波」に入った現状を考えると、雇用情勢の好転は当面期待できない。

 辛うじて雇用を守ってきた企業も限界に達し、整理に踏み切る動きが相次ぐ恐れがある。政府は支援策が十分か点検し、状況に応じて見直していく必要がある。

 支援の要は、雇用を維持する企業に休業手当や賃金の一部を国が助成する雇用調整助成金制度だ。コロナ対応の特別措置として、上限額や助成率の大幅な引き上げを昨年から実施してきた。

 政府はこの措置を5月から縮減する方針を示している。雇用保険財政の逼迫(ひっぱく)を受けた対応だが、実行できる環境と言えるだろうか。継続を検討すべきだ。

 製造、小売、飲食などの業種で解雇や雇い止めが多かった。なかでも飲食、旅行、宿泊といった業界は、感染の再拡大に伴う時短要請や移動自粛の影響で先行きが一段と不透明だ。

 女性や非正規労働者が多く働く業種でもある。もともと弱い立場に置かれた人々にしわ寄せがいく構造が鮮明になっている。

 厚労省の集計は労働局やハローワークが把握したケースに限られる。実際の解雇や雇い止めの数はもっと多いとみられる。

 仕事に就いていても、パートやアルバイトでシフトを減らされ収入が大幅に減っていれば、失業に近い状態と言える。

 野村総合研究所は、シフトが5割以上減って休業手当も受けていない「実質的失業者」が、今年2月時点で女性が103万人、男性が43万人いると推計している。

 政府はこの春、コロナ禍の長期化を受け、生活困窮者の緊急支援策を取りまとめた。低所得世帯は返済が免除される融資制度、子ども1人当たり5万円を給付する制度などが並ぶ。

 こうした個人向け支援は対象者への周知も課題だ。今年2月に対象を広げた国の休業支援金・給付金は、認知度不足による利用低迷が指摘されている。休業に限らずシフトが減った非正規労働者も含めるなど改善した制度だ。

 届かなければ意味がない。自治体や支援団体と連携し、浸透を図っていかねばならない。



コロナ解雇10万人 生活支援、拡充が急務だ(2021年4月10日配信『中国新聞』-「社説」)

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で経済が落ち込み、解雇や雇い止めされた人が10万人を超えた。昨年8月に5万人を超えてから、わずか半年で倍増した。極めて深刻な事態だ。

 製造業の2万2112人を筆頭に、小売業、飲食業、宿泊業と苦戦が続く業種が目立つ。うち半数近くの4万6687人は非正規労働者だ。弱い立場の人たちがコロナ禍の影響をもろにかぶっている。看過できない。

 しかも、この人数は全国の労働局に寄せられたデータの推計値にすぎない。実際の人数はもっと多いとの指摘もある。例えば野村総合研究所の推計では、シフト制の勤務時間が半分以下になったのに休業手当を受け取っていない「実質的失業者」は女性が103万人、男性も43万人に上る、という。

 コロナ禍で職を失い、貯金を取り崩すなど、生活に困窮している人も増えている。政府は、そうした人たちへの支援策の拡充を急がなければならない。併せて、働く場を新たに見つけられるようサポート態勢を一層充実させる必要がある。

 生活保護というセーフティーネットがある、と政府は言う。しかし受給世帯数は昨年4月こそ急増したが、その後はほぼ変わっていない。必要な人の助けにはなっているのだろうか。

 申請すると、援助できないか親族に確認が行く「扶養照会」がネックになっている。政府は最近やっと、「身内に知られたくない」という心理的障壁を軽減するよう弾力的運用にかじを切った。当然だろう。現場への徹底を図ってもらいたい。

 事業者が解雇した人に払う休業手当の一部を国が補う雇用調整助成金は5月以降、特例措置が段階的に縮小される。雇用保険財政が逼迫(ひっぱく)しているためと政府は説明するが、これでは、職を失った人は守れない。特例措置の継続が必要である。

 複雑と言われる申請手続きをまず簡素化し、事業主が労働者に失業手当を払った後でしか申請できない仕組みも、改めなければならない。手持ち資金に窮した事業主は申請できず、結局は離職者がお金をもらえないことになるからだ。

 新たに働く場を確保できるような支援も欠かせない。政府は2月、休業中の社員を雇用関係を維持しつつ、人手不足に悩む他の企業に送り出す「在籍型出向支援」制度を創設した。民間は既に同様の取り組みを先行させている。例えば日本航空は、グループ外の企業や自治体に出向形式で1日当たり約1400人の職員を派遣しているという。効果があるなら、政府として制度拡大を検討することが求められる。

 休業や失業で収入が減った人への少額貸付制度や、学費を稼げなくなった学生への支援緊急給付金などもある。支援メニューを分かりやすく離職者に伝える努力も急がれる。

 新型コロナ感染の「第4波」が本格化しつつある中、感染力の強い英国型の変異種も広がっている。政府はきのう、東京都、京都府、沖縄県を「まん延防止等重点措置」に加えることを決めた。

 飲食店への営業時間短縮の要請などが広がっていけば、解雇される人も増えかねない。歯止めをかける施策が、政府には求められる。10万人 生活支援、拡充が急務だ
2021/4/10 6:38

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で経済が落ち込み、解雇や雇い止めされた人が10万人を超えた。昨年8月に5万人を超えてから、わずか半年で倍増した。極めて深刻な事態だ。

 製造業の2万2112人を筆頭に、小売業、飲食業、宿泊業と苦戦が続く業種が目立つ。うち半数近くの4万6687人は非正規労働者だ。弱い立場の人たちがコロナ禍の影響をもろにかぶっている。看過できない。

 しかも、この人数は全国の労働局に寄せられたデータの推計値にすぎない。実際の人数はもっと多いとの指摘もある。例えば野村総合研究所の推計では、シフト制の勤務時間が半分以下になったのに休業手当を受け取っていない「実質的失業者」は女性が103万人、男性も43万人に上る、という。

 コロナ禍で職を失い、貯金を取り崩すなど、生活に困窮している人も増えている。政府は、そうした人たちへの支援策の拡充を急がなければならない。併せて、働く場を新たに見つけられるようサポート態勢を一層充実させる必要がある。

 生活保護というセーフティーネットがある、と政府は言う。しかし受給世帯数は昨年4月こそ急増したが、その後はほぼ変わっていない。必要な人の助けにはなっているのだろうか。

 申請すると、援助できないか親族に確認が行く「扶養照会」がネックになっている。政府は最近やっと、「身内に知られたくない」という心理的障壁を軽減するよう弾力的運用にかじを切った。当然だろう。現場への徹底を図ってもらいたい。

 事業者が解雇した人に払う休業手当の一部を国が補う雇用調整助成金は5月以降、特例措置が段階的に縮小される。雇用保険財政が逼迫(ひっぱく)しているためと政府は説明するが、これでは、職を失った人は守れない。特例措置の継続が必要である。

 複雑と言われる申請手続きをまず簡素化し、事業主が労働者に失業手当を払った後でしか申請できない仕組みも、改めなければならない。手持ち資金に窮した事業主は申請できず、結局は離職者がお金をもらえないことになるからだ。

 新たに働く場を確保できるような支援も欠かせない。政府は2月、休業中の社員を雇用関係を維持しつつ、人手不足に悩む他の企業に送り出す「在籍型出向支援」制度を創設した。民間は既に同様の取り組みを先行させている。例えば日本航空は、グループ外の企業や自治体に出向形式で1日当たり約1400人の職員を派遣しているという。効果があるなら、政府として制度拡大を検討することが求められる。

 休業や失業で収入が減った人への少額貸付制度や、学費を稼げなくなった学生への支援緊急給付金などもある。支援メニューを分かりやすく離職者に伝える努力も急がれる。

 新型コロナ感染の「第4波」が本格化しつつある中、感染力の強い英国型の変異種も広がっている。政府はきのう、東京都、京都府、沖縄県を「まん延防止等重点措置」に加えることを決めた。

 飲食店への営業時間短縮の要請などが広がっていけば、解雇される人も増えかねない。歯止めをかける施策が、政府には求められる。




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