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女性参政権行使75年(2021年4月10日配信『しんぶん赤旗』)

ジェンダー平等 格差解消は急務
政治分野の立ち遅れ深刻


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 日本で女性が初めて参政権を行使した1946年4月10日から75年。平和と民主主義、男女平等をうたう日本国憲法のもとで、女性が無権利状態にあった戦前に比べれば、女性の政治参加は一定進んできました。しかし、戦後の政治分野における男女格差解消の取り組みは、他の主要国と比べて大きく立ち遅れています。

 世界経済フォーラム(WEF)が3月末に発表した2021年の男女平等度を示す「ジェンダーギャップ指数」。▽経済▽教育▽保健▽政治参加―の4分野で、各国のジェンダー格差を数値化したものです。

 日本は、156カ国中120位。とくに、経済と政治参加の分野で、117位、147位と最低クラスで、ジェンダー平等「後進国」という状況です。

 世界では、「人口の半分を占める女性の声を反映させるのは当然だ」「多様な声を政治に反映させるうえで重要だ」として、多くの国で女性の政治参加を積極的に進める努力が重ねられてきました。

 今回、男女平等度トップ3となったアイスランド、フィンランド、ノルウェーの首相は、いずれも女性です。

 日本と同時期に女性参政権を実現したフランス、イタリアの「政治参加」の順位は20位、41位となっています。フランスでは現在、閣僚で男女同数が実現しています。議会(国会)に占める女性議員は39%です。イタリアでは、女性議員が35%、女性閣僚が36%となっています。

 指数が初めて公表された06年の順位は、フランス60位、イタリア72位で、その後、両国では女性の政治参加が大きく前進しました。

 一方、日本は、国会議員や閣僚に占める女性割合は、わずか1割にとどまっています。

 06年当時の「政治参加」の順位は83位でしたが、現在は147位まで下落、立ち遅れは深刻です。

 日本共産党の小池晃書記局長は記者会見(3月31日)でジェンダーギャップ指数の結果について問われ、「非常に深刻な数字だ」と指摘。「政府には、閣僚も含めて政策決定部門での女性比率を引き上げる真剣な努力を求めたい。同時に、政党としても議員の中での女性比率を高めるために、なお一層の努力をしていかなければならない」と話しています。



女性参政権75年(2021年4月10日配信『しんぶん赤旗』ー「主張」)

平等な未来を切り開く転機に

 「新しい日本の建設はわれらの一票で」。1946年4月10日、日本の女性は、初めて手にした投票用紙に熱い思いを込めて参政権を行使しました。戦後初の衆院選の投票日です。女性候補者は全候補者の2・9%、誕生した女性議員は全当選者の8・4%(39人)でした。歴史的な選挙から75年たちましたが、日本の女性議員の比率は、いまだ衆参合わせて1割台にとどまります。長年の立ち遅れを克服することが問われます。

世界水準から著しい遅れ

 戦前日本は、明治期に「富国強兵」と一体で家父長制の構造がつくられ、侵略戦争へ突き進みました。女性は参政権など諸権利がなかっただけでなく、個人の人格も否定され、国民は男尊女卑の価値観も徹底して刷り込まれました。

 敗戦後、日本の女性は政治的権利をはじめ多くの権利をかちとりました。しかし、戦前の流れをくむ勢力が政治の中枢を占めるとともに、大企業中心の「経済大国」路線で、女性労働者は仕事の内容や賃金・昇進で差別を受け、女性が主に担う有償無償のケア労働は軽視されました。一方で男性は「企業戦士」として異常な働き方を強いられました。

 世界経済フォーラムが発表した今年の「グローバル・ジェンダー・ギャップ指数」で、日本の順位は156カ国中120位でした。男女間格差を測る同指数は、政治参加、経済、教育、健康の4分野の指標を評価して順位を決めます。日本はとくに政治参加で147位、経済で117位と最低クラスです。

 森喜朗・東京五輪組織委員会会長の女性差別発言、選択的夫婦別姓への自民党内での執拗(しつよう)な抵抗など、菅義偉政権の与党を中心に、女性をおとしめ、権利を否定する言動が後を絶ちません。

 コロナ禍は、女性の困窮を一層深刻化させています。女性の「実質的失業者」が男性の2倍以上の103万人(野村総研)という事態は放置できません。DVや虐待も増加しています。コロナを乗り越え新しい社会をめざす時、これまでの女性を差別・排除する流れを断ち切ることが不可欠です。

 世界には、ジェンダー平等へ向かう力強い潮流があります。国連は、社会に深く根を張った構造やモデルを変えるために、女性の平等なリーダーシップが必要であることを繰り返し発信しています。#MeToo運動以来、爆発的に広がっている女性たちの多様な行動と、それがもたらした変化は、女性の声が社会を変える力を持つことを証明し始めています。

 日本でも、森氏を会長辞任に追い込んだように逆流に正面から対峙(たいじ)する女性や当事者の行動が大きく広がっています。森発言に抗議して開かれたオンライン企画のひとつでは、参加者が「私にも“わきまえ癖”がある。自分の中にもある“森さん的なもの”から卒業しなければいけないと思う」と発言しました。新たな息吹です。

権利の行使を今こそ

 参政権は、全ての市民に等しく保障された権利であり、行使することは政治を動かす力です。

 今年は総選挙の年です。ジェンダー平等後進国の汚名を返上し、個人の尊厳が守られる政治を実現させるためにも、一人一人が力を発揮するときです。女性参政権実施75年の節目、平等な未来をひらく転機にしていきましょう。





日本の男女格差 本気出さねば解消しない(2021年4月8日配信『新潟日報』-「社説」)

 女性に対して差別的で、人権意識を欠く国だと受け止められても仕方がない結果だ。

 本気で対策を進めなければ格差はいつまでたっても解消しない。不平等を次の世代に引き継ぐことがないように、各分野の取り組みを着実に進めたい。

 スイスのシンクタンク世界経済フォーラムが公表した2021年の男女格差報告(ジェンダー・ギャップ指数)で、日本は156カ国中120位だった。

 153カ国中121位で歴代最悪だった前回(19年12月公表)とほぼ同じで、先進7カ国(G7)ではまたも最下位だ。むしろ女性の社会的活動を奨励していないイスラム教の国々に近い順位であることに驚く。

 格差報告は政治、経済、教育、健康の4分野を指数化して順位を算出している。

 今回日本は65位だった健康分野を含め、全分野で後退した。

 中でも深刻な政治分野は147位に沈んだ。女性参画の遅れが著しいためだ。

 国会議員に占める女性の割合は衆院9・9%、参院22・6%と低く、菅政権では閣僚20人のうち女性は2人にとどまる。

 指数を100点満点で考えた場合、日本は6点で、国際社会との乖離(かいり)が甚だしい。

 経済分野もやはり参画遅れが顕著で、117位に下落した。企業の役員や管理職に占める女性の割合が低かったことや、女性の賃金が男性の74・4%にとどまり賃金格差が広がったことが響いた。

 教育分野は92位だった。識字率や初等教育の就学率は100%と高水準だが、中等教育(高校)や高等教育(大学)の就学率では女子が低かった。

 政府はこれまでさまざまな女性政策を打ち出してきたが、効果を上げているとは言い難い。

 政治では、選挙で候補者数の均等化を目指す「政治分野の男女共同参画推進法」が18年に成立し政府は25年までに各選挙で女性候補者を35%に増やす目標だが、既に次期衆院選での達成は困難とみられている。

 与党幹部からは「制度化しなければ女性議員を増やすのは難しい」との声が上がる。

 目標を掲げるばかりでは意味がない。実効性ある戦略が不可欠だ。政権や政党は、例えば候補者の一定比率を女性にするクオータ制の導入といった具体策を早急に検討するべきだ。

 経済分野でも20年までに役員や管理職の女性比率を30%にするとしていたが遠く及ばず達成時期が先送りされた。企業トップは女性登用とともに、そのための環境整備を進めてほしい。

 賃金格差をなくし、ウイルス禍で打撃を受けた女性の雇用安定にも努めてもらいたい。

 教育は社会で活躍する人材を輩出する土台となる。今後の女性参画を後押しするためにも対策が急務だ。

 森喜朗氏の女性蔑視発言もあり、日本は女性への差別意識が強い国とのイメージも広がっている。男女格差解消に本腰を入れ、一人一人が尊重される社会へさらに意識改革を促したい。


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