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「子どもは地域の宝」(2019年8月17日配信『秋田魁新報』ー「北斗星」)

 泣きそうになると、自分の手をかじる。それによって涙が出るのを制止するかのように。秋田市広面の秋田赤十字乳児院が以前引き取った2歳ぐらいの子どもが、そうだった

▼親に叱られるから、泣かないように努めていたのか。泣いたって何も変わらないとの諦めの気持ちからなのか。少なくとも感情を抑えて生きてきたのが見て取れた

▼だからこそ乳児院はスタッフの一人を親代わりに根気よく愛情を注いだ。すると、その子が次第に感情を表に出し始めた。甘えるようにもなった。「こうなったら一安心だとホッと胸をなで下ろした」と保坂美貴子院長(61)は振り返る

▼親が病気で育てられなくなったり、親から虐待を受けたりした乳幼児を引き取り、一定期間養育するのが乳児院の役目だ。その後は実の親の元に帰る子が4割ほど。他は里親に引き取られたり、児童養護施設に預けられたりして育つ

▼秋田赤十字乳児院は1949年に創立され、これまで1300人余りを養育してきた。心掛けているのが、冒頭の例のように、子どもが特定の人に信頼を寄せられるように「愛着形成」を図ること。これがうまくいかないと人を過剰に警戒したりすることにつながるからだ

▼今月、創立70年を迎えた。支えてきたのはスタッフのほか、ボランティアや地域の人たちだ。感謝を込めて、あす18日に記念イベントを行う。「子どもは地域の宝」と保坂院長。その思いを、皆でいま一度確かめ合うための夏まつりである。




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