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映画の舞台裏、心の葛藤…耳が聞こえない映画監督が著書(2019年8月17日配信『朝日新聞』)

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初めての著書「スタートラインに続く日々」を持つ今村彩子さんと、編集者の江草三四朗さん=名古屋市緑区大高町

 映画監督で、生まれつき耳が聞こえない今村彩子さん(40)=名古屋市緑区大高町=が、初の著書「スタートラインに続く日々」を刊行した。つづったのは、取材や撮影を通して出会った人たちとのふれあいや、撮影現場の裏話など。少しずつ成長してきた「ちょっぴりかっこ悪い映画監督」の素顔が見え隠れする。

 今村さんは、愛知教育大在学中に米国・カリフォルニア州立大で映画制作を学んだ。2011年に「珈琲(コーヒー)とエンピツ」を発表し、全国の劇場で上演された。13年には、東日本大震災で被災した聴覚障害者を取材し、情報格差を問題提起したドキュメンタリー「架け橋 きこえなかった3・11」が大きな反響を呼んだ。

 中学、高校時代には、耳が聞こえないため、友人との間で何度もコミュニケーションの壁にぶつかった。自らの死を考えたこともあったという。その苦手なコミュニケーションを克服するため、沖縄から北海道まで自転車で旅した記録を映画「スタートライン」(16年)にまとめた。

 今村さんのもとには、これまでも複数の出版社から執筆の依頼があったが、「文章を書くのが苦手だから」と断ってきた。そこに届いたのが、名古屋市瑞穂区の出版社「桜山社」代表の江草三四朗さん(40)からの便箋(びんせん)9枚にわたる手紙だった。17年10月のこと。断るつもりで江草さんと会ったが、その熱意に押し切られてしまったという。

 映画監督の肩書から、「心が強い人」「頑張っている人」に見られていると感じていた。その期待に応えなければと、最初はきれいなかっこいい文章を書こうとして、当たり障りのない言葉を選びがちだった。

 でも、それでは書く意味がない。思い悩んだ末、「本当の自分は、弱くて情けない。かっこ悪くてもいいから自分をもっとさらけ出そう」と心に決めた。

 映画作りの舞台裏のできごと、障害や福祉、性的少数者(LGBT)、エイズ予防など、取材を通して出会った人たちから学んだこと、自身の心の葛藤――。撮影や編集の合間を縫い、約1年半かけて書き上げた。「耳が聞こえる人も聞こえない人も同じ人間。いろんな世界があることを知ってほしい。読んだ後に、世界が少し変わって見えてくれればうれしい」

 四六判、328ページ。価格は1500円(税別)。県内の書店などで販売している。問い合わせは桜山社(052・853・5678)へ。




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内容紹介
生まれつき耳が聞こえない。コミュニケーション苦手。
だから私はずっとカメラを回し続ける。
“ちょっぴりカッコ悪い”映画監督のこれまでとこれから――。
現場の舞台裏と、映画監督・今村彩子の現在地点。
今こそ語る。今村監督初の単著。

著者につい
 1979年、名古屋市に生まれる。映画監督。ろう者。Studio AYA代表。愛知教育大学卒。大学在籍中にカリフォルニア州立大学ノースリッジ校に留学し、映画制作を学ぶ。大学で講師をするかたわら映画を制作し、全国各地で上映。講演にも力を入れる。
主な作品である「珈琲とエンピツ」(2011)は、全国の劇場で公開された。東日本大震災で被災した聞こえない人を取材した「架け橋 きこえなかった3.11」(2013)。他に自転車ロードムービー「Start Line(スタートライン)」(2016)、ろう・難聴LGBTを取材したDVD教材「11歳の君へ ~いろんなカタチの好き~」文科省選定作品(2018)など。手話と字幕で分かるHIV/エイズ予防啓発動画(2018)を無料で公開している。現在は、「アスペのまあちゃん」(仮)を撮影中。Yahoo!ニュースで取材したことを動画と文章で発信している。

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Author:gogotamu2019
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