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拝謁記(2019年8月22日配信『愛媛新聞』ー「地軸」)

 昭和天皇の好角家ぶりは、よく知られる。ひいきの力士は明らかにしなかったものの、その1人が初の外国人関取だった高見山であることは周知の事実だ

▲引退の際、当時の森喜朗文相が昭和天皇に質問したそうだ。「陛下は高見山がお好きなのではありませんか」「うん? うん。大変に関心を持っておるんじゃ」(岩見隆夫「陛下の御質問」)

▲「好きだ」とは言えないが、「違う」とごまかしもしない。独特の言い回しは、自身の一言がどれほど影響を及ぼすか、暗い時代を経て身に染みていたからなのだろう

▲それだけに、腹蔵のない発言に驚かされた。故田島道治・初代宮内庁長官が昭和天皇とのやりとりを記録した「拝謁(はいえつ)記」が見つかった。戦前・戦後の日本に関する昭和天皇の考えが、「肉声」として明らかになった意味は大きい

▲とりわけ注目したいのが、日本の独立回復を祝う1952年5月の式典での「お言葉」を巡る内容だ。昭和天皇が先の戦争への反省の表明を望んだのに対し、吉田茂首相の反対で削除された経緯が詳述されている。もしこの時、公に反省を述べることができていたなら、生涯を戦争と向き合い続けた昭和天皇の「重荷」も少しは軽くなっていたのではないだろうか

▲「私ハどうしても反省といふ字をどうしても入れねばと思ふ」。2度も繰り返された「どうしても」。そこに昭和天皇の苦悩と悔恨が込められていると思えてならない。




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