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困難にぶつかったら過去を勉強しなさい。未来は過去の中にあるからです(2019年8月22日配信『神戸新聞』ー「正平調」)

 なんでも、割り箸を使って決断しようとしたらしい。立ててみて、倒れるのが右か左か。酒の席とはいえ、割り箸の倒れ方で歴史を動かそうとした

◆半藤(はんどう)一利さんの「昭和史」にある一こまだ。陸軍中枢が反対する作戦をめぐり、満州に駐屯する関東軍司令部は意見が割れた。そこで割り箸が登場するのだが、国の未来を左右する重大事をこんな風に決めようとしたおごりに背筋がぞくりとする

◆初代の宮内庁長官が昭和天皇とのやりとりを「拝謁(はいえつ)記」として残していた。明らかになった資料の概略を一昨日の紙面で読む。気になる部分に赤鉛筆で傍線を引きながらだが、読み終えると紙面は赤くなった

◆とくに昭和天皇が「下克上」と語る軍の独断専行がトゲのように刺さる。ひとたび転がり始めれば大元帥も止められない。半藤さんの言葉を借りれば、昭和の教訓は「時の勢いに駆り立てられてはいけない」こと

◆イタリアのボローニャは第2次大戦でファシズムと戦った町として知られる。作家井上ひさしさんの「ボローニャ紀行」に地元博物館長のこんな一言がある。「困難にぶつかったら過去を勉強しなさい。未来は過去の中にあるからです」。いい言葉だ

◆繰り返してはいけない過去。そう思いながら「拝謁記」を読み返す。



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内容
 授業形式の語り下ろしで「わかりやすい通史」として絶賛を博した「昭和史」シリーズ戦前・戦中篇。日本人はなぜ戦争を繰り返したのか―。すべての大事件の前には必ず小事件が起こるもの。国民的熱狂の危険、抽象的観念論への傾倒など、本書に記された5つの教訓は、現在もなお生きている。毎日出版文化賞特別賞受賞。講演録「ノモンハン事件から学ぶもの」を増補。

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内容
 「国という抽象的な存在ではなく、目に見える赤煉瓦の街、そしてそこに住む人たちのために働く、それがボローニャの精神」。文化による都市再生のモデルとして、世界に知られたイタリアの小都市ボローニャ。街を訪れた著者は、人々が力を合わせて理想を追う姿を見つめ、思索を深めていく。豊かな文明論的エセー。

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Author:gogotamu2019
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