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障害者の就農 適性生かして貴重な戦力に(2019年8月23日配信『読売新聞』ー「社説」)

 担い手不足に悩む農業と、働く意欲のある障害者を結びつける。双方にメリットのある試みへ支援を強化したい。

 農業の分野で障害者の雇用を拡大する「農福連携」と呼ばれる施策が注目されている。

 農業従事者は高齢化が進み、平均年齢は67歳になった。後継者難で耕作放棄地は増加している。

 障害者の中には、できる範囲で働きたいと考える人が少なくない。企業などの雇用は伸びているが、約940万人の障害者のうち就労者は約80万人にとどまる。賃金の安い仕事も多いという。

 障害者福祉の一環として農業を活用すれば、活躍の場が一段と広がると期待されている。

 農業には様々な作業がある。例えば、身体の丈夫な知的障害者は野外での農作業に、身体障害者は作物の検品といった作業に当たるなど、適性に応じた仕事のマッチングが可能だろう。

 現状は、社会福祉法人が運営する障害者就労支援施設が、農地を借りて手がけるのが主流だ。一般の農業法人や農家にも着実に広げていくことが望まれる。

 成果が出ている事例もある。浜松市の農業法人「京丸園」は、1997年から障害者の雇用を始めた。今では、従業員約100人の4分の1が障害者で、苗の植え替えなどに汗を流している。

 工程を細分化し、作業しやすい器具を導入するなど工夫を重ねた。昨年の売り上げは、障害者を雇う前の6倍以上に増えた。

 障害者の生活の質を高める効果も出ている。農業に取り組む障害者就労施設への調査では、約7割が「過去5年間の賃金・工賃が増加した」と答えた。

 政府は、省庁横断の「農福連携等推進会議」を発足させ、普及への具体策をまとめた。相談窓口の設置や、手順を整理したマニュアルの作成などを進めるという。

 ただ、活動は緒についたばかりで、手探り状態といえる。

 事故やけがの防止策など、障害者への適切な対応方法を周知することが重要だ。農業関係者には、バリアフリー化や指導に当たる人材の育成に、手間とコストがかかるとの懸念もある。

 障害者側には、農作業の習得への不安がある。障害の特性も多様で、どんな作業に向いているか、きめ細かい目配りが要る。

 安価な労働力として障害者を酷使することを防ぐ手だてなども、検討する必要があろう。

 課題を一つ一つ克服し、粘り強く取り組むことが大切だ。



キャプチャ

公式サイト➡ここをクリック(タップ)



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「農福連携等推進会議」➡ここをクリック(タップ)




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