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文科相発言 ヤジ排除「容認」は論外(2019年8月31日配信『北海道新聞』ー「社説」)

 選挙の街頭演説はどんな内容であっても黙って聞けというのか。

 ヤジを飛ばした人が警察に取り押さえられ、現場から遠ざけられる事案が、7月の札幌に続いて今月24日、埼玉県知事選の応援演説で発生した。

 警察の過剰警備が続いていることは看過できない。

 それ以上に問題なのは、今回演説に立ち、ヤジを飛ばされた柴山昌彦文部科学相の発言だ。

 記者会見で「表現の自由は最大限保障されなければならない」と述べる一方、演説を聞きたい聴衆の思いにも触れ「大声を出したりする権利は保障されていないのではないか」との考えを示した。

 「表現の自由」を都合良く解釈していると言うほかない。

 閣僚が警察によるヤジ排除を容認すれば、過剰警備を助長しかねない。発言を撤回すべきだ。

 街頭演説は不特定多数の人に広く政策などをアピールする場である。支持者に限らず、さまざまな意見を持つ人が聞くのは当然だ。

 今回取り押さえられた男子大学生は大学入試改革への反対を訴え「柴山やめろ」「民間試験撤廃」などと声を上げた。

 来年度開始の大学入学共通テストを巡っては、新たに導入される英語民間検定試験の詳細が決まらず、受験生や学校現場には不安が広がっている。男子大学生の訴えもそうした声の一部だろう。

 公職選挙法は演説妨害を禁じている。だが、演説者が取り組む政策に反対の声を上げただけで排除するのはあまりに行き過ぎだ。

 柴山氏は、ツイッター上で自身に対し「抗議の電話しましょう」との呼び掛けがあったことに「業務妨害罪にならないよう気をつけて下さいね」と返した。

 威圧と受け取られかねない言いぶりだ。閣僚としての資質に欠けると言える。異論を受け止めない安倍晋三政権の不寛容さを象徴する態度だろう。

 菅義偉官房長官は一連の対応を問題視せず「警察の活動は不偏不党、公正中立を旨として行われるべきだ」と述べるにとどめている。

 道警によるヤジ排除を巡っては、鈴木直道知事が速やかな事実関係の確認を求めているが、排除した際の法的根拠など詳細な説明はいまだない。

 警察活動に公正中立を求めるのなら、政府がまずすべきは一連の対応の法的根拠を警察当局に説明させることだろう。表現の自由に対し、公権力の過度な介入を招かないようにしなければならない。




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