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上野政務官辞任 明確な説明が欠かせない(2019年8月31日配信『信濃毎日新聞』ー「社説」)

 コメント発表のみで記者会見せずに辞任するのは看過できない。

 厚生労働政務官を務めていた自民党の上野宏史衆院議員である。外国人労働者の在留資格を巡って口利き疑惑を報じられていた。

 上野氏はコメントで報道を否定している。これでは不十分だ。上野氏は16日を最後に登庁もしていなかった。安倍晋三政権が肝いりで進めてきた政策に関係しているのに国民の疑問に答えていない。政策への不信感にもつながる。

 上野氏が会見して説明し、質問に答えるのが筋である。

 週刊文春によると、東京都内の人材派遣会社が今年2〜6月に外国人の187人分の在留資格を認定するように申請した。上野氏側は、速やかに申請が認められるように出入国在留管理局に問い合わせ、見返りに金銭を求めようとした疑いがあるとしている。

 上野氏と秘書の6月19日の会話とされる録音も残っている。

 上野氏とされる男性は、13件の許可が出たと知ると「26万円持ってきてください」「(人材派遣会社から)お金をもらう案件になっている」などと話している。

 派遣会社は、共同通信の取材に対し、申請した外国人の一覧を上野氏側に送付したことは認めた上で、「口利きの依頼ではなかった」と否定した。

 上野氏もコメントで口利きやあっせん利得処罰法に触れる事実はないと説明している。その上で「誤解を招きかねないとの指摘もある」「体調を崩している」などを辞任理由に挙げた。

 あっせん利得処罰法は、政治家や秘書による公務員らへの口利きを制限する法律だ。「権限に基づく影響力の行使」が成立要件になる。今回の案件が違反に当たるかどうか判断するのは難しい。それでも内容が事実なら公正ではない。国会議員、ましてや厚労政務官として問題が大きい。

 上野氏は昨年10月から厚労政務官を務めていた。外国人の技能実習を巡っては、業界団体や地域の要望を聞く厚労省内の検討チームのトップだった。

 一方で人手不足が続く業界には外国人労働者は迅速に雇用したい存在だ。それなのに新たな在留資格は、制度が始まったばかりで審査に時間がかかっているとの指摘もある。

 業界と政治の癒着が生まれやすい状況だっただけに、明確な説明が欠かせない。安倍首相の任命責任も問われる。野党は秋の臨時国会で追及するべきだ。




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