FC2ブログ

記事一覧

鹿児島女児死亡 虐待発見の機会逃すな(2019年9月4日配信『北海道新聞』ー「社説」)

 鹿児島県出水市で4歳女児が死亡し、母親の交際相手で同居の男が暴行容疑で逮捕された。

 男は女児を病院に運び、「風呂で溺れた」と説明したが、頭や体には複数の傷があった。

 暴行はしつけだったという供述をしているという。日常的な虐待が疑われ、怒りを禁じ得ない。

 母子は4月、県中央児童相談所に育児放棄(ネグレクト)と認定され、継続指導の対象だった。

 7月に同県薩摩川内市から転居後、出水市は、医療機関の虐待を疑う報告がありながら警察や児相に伝えず、事件直前に母子と面会した保健師も踏み込めなかった。

 小さな命を守る当事者として、自覚が足りないのではないか。

 週に1人の子どもが虐待で亡くなっている。最悪の事態がわが町でも起きると考え、安全確保を最優先に対応しなければならない。

 女児は今春、夜に一人で外にいるところを県警に4回も保護された。その前には男による虐待が疑われる動画の存在の通報があり、児相などが母子を訪問していた。

 明らかに異様な事態だ。警察は児相に一時保護の必要性などを2度通告した。ところが児相は、見守り対象とするにとどめた。

 児相は「適切な対応だった」とするが、正しくリスク評価できていたのか、検証が必要だろう。

 5月には交際相手の存在を把握したが、重視しなかった。直後の札幌2歳女児衰弱死事件では交際の始まりが虐待を加速したが、教訓として生かせなかった。

 転居に伴う虐待リスクの増大への対応も不十分だった。

 問題を抱えた家庭が児相の関与を嫌って転居し、その後に虐待が深刻化する例が、目黒5歳女児虐待死事件の後も続いている。

 だが、薩摩川内市から引き継ぎを受けた出水市は、複数の医療機関から女児の救急外来受診やあざについて報告を受けながら、児相などと情報を共有しなかった。

 ともに身体的虐待への移行を疑うべき兆候で、緊張感を欠く。

 母子に会った保健師も、外傷や男の同居を確認できなかった。「子どもの安全確保を最優先する」というルールに徹し、リスクを確実に把握することが不可欠だ。

 自治体の虐待対応窓口は、児相と連携し、見守りの中心を担う。

 転居や同居人など家庭状況が変われば、虐待が一気に進むこともある。それを見逃さず、継続支援を着実にするには、自治体の窓口強化とともに、関係機関が緊密な関係を築くことも欠かせない。






スポンサーサイト



プロフィール

gogotamu2019

Author:gogotamu2019
障害福祉・政治・平和問題の最新ニュース・論説紹介

最新記事

カテゴリ