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よだれ研究の渡部氏、歯で見抜く虐待のサイン(2019年9月16日配信『朝日新聞』)

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5歳児の唾液量の研究でイグ・ノーベル賞を受けた渡部茂・明海大学教授

 人々を笑わせ、考えさせる研究に贈られるイグ・ノーベル賞に、今年も日本人の受賞者が誕生した。明海大教授で小児歯科医の渡部茂さん(68)。自分の息子ら幼児たちに食べ物をかんでは出させる実験などを行い、4年がかりでまとめた。その研究の狙いは。

 親なら誰もが手を焼く子どもの「よだれ」。その量を初めて正確に測った親として、人を笑わせ、考えさせる研究に贈られるイグ・ノーベル賞を受けた。

 息子ら5歳の幼稚園児30人に食べ物をかんでは出してもらって唾液(だえき)を集め、4年がかりで1日に出る量を500ミリリットルと推定。1995年に論文を発表した。唾液は食事で酸性になる口の中を中性に戻してくれる。「血液や尿より軽くみられているが、酸から歯を守る大事な役割がある」。その研究に没頭していた。

 福島県出身。子どもの虫歯を減らそうと小児歯科医の道に進み、北海道や関東の大学で診療と研究を重ねた。麻酔の注射では、子どもがまばたきをしただけで「ごめんね」と謝る。ピンクの服で明るい雰囲気を演出する。

 予防と治療が進み、子どもの虫歯は激減した。だが今も歯がボロボロの子と出あう。家庭で歯磨きなどの生活習慣が乱れているからだ。虐待や育児放棄を受けた子に虫歯が多いという報告もある。

 4年前、明海大(千葉県)の教授として「日本子ども虐待防止歯科研究会」を設立。地域の歯科医師会や保健所を訪れ、「口の中の様子から虐待などのサインを読みとって」と訴えてきた。

 「自分に縁があるとは思いもしなかった」イグ・ノーベル賞。受賞後も変わらず、今の活動に力を注ぐ。




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Author:gogotamu2019
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