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指点字、簡単には動かない 記者が挑む(2019年9月18日配信『朝日新聞』ー「岡山版」)

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点字タイプライターを使い、盲ろうの浅井義弘さん(手前右)が受講生に指点字の基本を教えた=2019年9月1日午後3時29分、岡山県津山市山北

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 岡山県津山市で開講中の「盲ろう者向け通訳・介助員養成講座」(全8回)は9月1日、折り返しの4回目が開かれた。盲ろうの当事者を講師に、点字や手話を基にした本格的なコミュニケーション技術の学習が始まった。(中村通子)

 午前中は、手話を触覚で伝える「触手話」や、わずかに残る視野の範囲で手話を見る「弱視手話」の講義を受けた。記者の私を含めた受講生は皆、習熟度に差はあるが手話の学習経験がある。実習は比較的スムーズに進んだ。

 一方、点字はほとんどの受講生が初体験。私も初めてだ。

 点字は3個2列の六つの点の組み合わせで50音や記号などを表す。指先などで小さな凸点を読むものだが、これを盲ろう者への「話し言葉」として応用したのが「指点字」だ。1981年、日本で生まれた。

 指点字は、六つの点を両手の人さし指・中指・薬指の計6本に対応させ、盲ろう者の手指を軽くたたくように打つ。この指遣いは速記用点字タイプライター「ブリスタ」と同じ。この日はまず、ブリスタで50音の指遣いを体験し、加えて濁点や句読点など表記の約束事を学んだ。

 講師を務めるのは、岡山市中区に住む盲ろう者の浅井義弘さん(78)。6歳から目が見えず、57歳で耳が聞こえなくなった。

 点字は表音文字で、母音を表す点のセットに子音を示す点を加えて、かな1文字になる。「あいうえお」の点セットに「か行」を示す点を加えれば「かきくけこ」になるといった具合だ。

 点は6個なので、単純計算で64通りの組み合わせを覚えれば、文字を表現できることになる。また、言葉は日本語なので、異なる言語で独自の文法を持つ手話よりも入りやすい。

 だが、頭で理解しても、指は簡単には動かない。「えーと、中村の『な』は……」。1文字ずつ点字一覧表で探しながら、おぼつかない手つきでぽちぽちとブリスタのキーを押す。キーは重い。薬指は力が弱く、押すのは大変だ。

 ようやく打ち出した点字を、講師の浅井さんが点検し「打ち間違い」「薬指の点が出ていない」「句点を忘れたね」など、一人一人に丁寧に指導してくれた。

 10月は6日と27日に講座がある。この2回で、触手話と指点字で盲ろう者に言葉を伝える実習をし、11月の盲ろう者運動会では、受講生が実際に通訳・介助をすると告げられた。

 それまでに、せめて50音は覚えて、指が動くようにしなくては。うーん、道は遠い。




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