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終末期の延命治療 意思を伝えておく大切さ(2019年9月23日配信『毎日新聞』)

 延命治療などをめぐる希望を、元気なうちに文書に残しておくことが大事だと考える人が目立っている。

 厚生労働省が昨年まとめた国民の意識調査によると、人生の終末期にどんな医療を受けたいのか、あるいは受けたくないかを事前に文書に記載しておくことに66%が「賛成」と回答した。

 想定されるのは、認知症や病気の進行で患者本人が意思表示できなくなるケースだ。

 厚労省の意識調査では、実際に文書を作成した人は賛成と答えた人の8・1%にとどまった。少しずつ増えているものの、まだ少数派だ。

 愛知県半田市は、終末期医療についての希望を記載する「事前指示書」という文書の作成を市民に呼びかけている。

 病気が回復する見込みがない時に延命治療を望むのか望まないのか、意思表示できなくなった時に自分に代わって医療やケアに関する判断を委ねる人は誰か。これらを記入し、保管する。

 文書の作成は、本人の明確な意思に基づくことが大前提だ。いったん作成しても、家庭環境や病状の変化によって気持ちは揺れ動く。その時には「事前指示書」を書き直すよう勧めている。

 半田市の担当者は「文書作成の過程で家族など周囲の人に自分の気持ちを伝えることができる。また周囲の人の考えを知るきっかけにもなっている」と言う。

 家族だけでなく医師、看護師らとの話し合いも大切だ。ひと口に延命治療といっても、人工呼吸器の装着や、胃ろうでの栄養補給、心臓マッサージなどさまざまだ。医療機関が本人や家族に正確な情報を提供する必要がある。

 医療機関や介護施設の中で、こうした取り組みを積極的に進めている所はまだ少ない。

 厚労省の調査でも患者本人と「十分な話し合いをしている」と回答した医師は3割に満たない。

 今後は独居の高齢者が一層増え、2040年には高齢者の女性の4人に1人、男性は5人に1人が1人暮らしになると予測されている。

 頼れる身寄りがいない場合、終末期医療の意思決定をどう支援するのか。これも大きな課題だ。




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