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バラ色でない在宅死のリアル 患者64人を取材、映画に(2019年9月23日配信『朝日新聞』)

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全盲の娘と2人暮らしの自宅で過ごす肺がん末期の男性を訪れて雑談する小堀鷗一郎医師(左)=映画「人生をしまう時間(とき)」から

 自宅で暮らす高齢者をみとる医師らの活動に密着したドキュメンタリー映画「人生をしまう時間(とき)」が21日からの東京を皮切りに、全国で公開される。昨年テレビで放送されて大きな反響を呼んだNHK番組の再編集。住み慣れた家で息を引き取る人々やその家族、支え手たちの姿をカメラが丹念に追った。多死社会が迫る今、自分や家族の最期を考える人たちの心に響く作品だ。

 舞台は埼玉県新座市。冒頭、ストレッチャーに乗った91歳の女性が民家へ運ばれていく。死期が迫って病院から自宅に戻った女性は、次の場面でもう動かない。ベッドを囲む子どもや孫が語りかけるなか、医師は亡くなった女性の口から酸素マスクを外す。

 そんな「在宅死」を支えるのが地元の堀ノ内病院の小堀鷗一郎さん(81)ら医師のほか、看護師やケアマネジャーなどで構成される訪問診療チームだ。麻の白いジャケットの小堀さんは自ら軽自動車を運転して往診し、患者宅に着くや自分用の折りたたみ椅子を小脇に抱えて部屋に入る。映画では、全盲の47歳の娘と2人で暮らす末期肺がんの84歳の男性に「診察じゃなくて顔を見にきた」と語りかけるなど、老医師ならではの声かけや気さくな人柄が描かれる。

 森鷗外の孫に生まれ、かつては外科医として東大などの大病院に勤務。定年退職して総合病院に移った後、自宅で終末期を迎える高齢者と向き合うようになった。

 小堀さんに興味を抱いて2017年8月から取材を始めたのが、監督した下村幸子さん。長くNHKエンタープライズで番組を制作してきたが、小堀さんの往診に同行して一見閑静な住宅街を回ると、ゴミ屋敷の中で寝たきりのお年寄りや老老介護で共倒れ寸前の夫婦など、「決してバラ色ではない『在宅のリアル』を目の当たりにして驚いた」。そんな現場で死にゆく人の意思を尊重して行動する支え手たちの姿にも心を奪われ、「気付くとカメラを回していた」と振り返る。

 取材には64人の患者とその家族が協力した。そうした「亡くなる瞬間」という究極のプライバシーに立ち入ることへの配慮から、下村さんは取材時、自分1人でカメラを回した。18年6月、「在宅死 “死に際の医療”200日の記録」(BS1)として放送されると「介護で崩れそうだったが励まされた」「自分や身内の最期の決断を下す際の力になりそうだ」などの共感が多数寄せられ、日本医学ジャーナリスト協会賞大賞を獲得した。より多くの人に見てもらいたいと新たな場面を加えて映画化。「誰にでも訪れる死を不条理なものとして避けるのではなく、自分事として考えるきっかけにしてほしい」と下村さんは話す。

 21日からは東京・渋谷のシアター・イメージフォーラム、その後に全国で順次公開予定。

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解説
 訪問診療医としてさまざまな患者の死を記録したノンフィクション「死を生きた人びと」の著者で、森鷗外の孫でもある小堀鷗一郎医師と、在宅医療チームに密着したドキュメンタリー。
 NHK BS1で放送され、日本医学ジャーナリスト協会賞大賞を受賞するなど大きな反響を呼んだドキュメンタリー番組「在宅死“死に際の医療”200日の記録」に新たなシーンを加えた。埼玉県新座市の堀ノ内病院に勤める小堀鷗一郎医師。
 東大病院在籍時には名外科医として名高かった小堀が医師生活最後の現場として取り組んでいるのが、在宅による終末期医療だった。
 医師、看護師、ケアマネージャーたちは、患者や家族たちと寄り添いながら、さまざまな難問に向き合い、奔走する。ひとりひとり、それぞれの人生の終わりに医療ができることとはなんなのか。カメラは80歳の小堀をはじめとする在宅医療に携わる人々に200日にわたり密着し、在宅死の現実をつぶさに記録していく(映画.com)。

2019年製作/110分/G/日本
配給:東風

公式サイト➡ここをクリック(タップ)

東京都 シアター・イメージフォーラム 03-5766-0114 9月21日(土)より公開 9/28(土)以降11:45回は日本語字幕付き上映。

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