FC2ブログ

記事一覧

聴覚障がい者の市会議員「聞こえない」「しゃべれない」中 挑んだ初の一般質問(2019年9月26日配信『名古屋テレビ』)

 7月の参議院選挙で、重度の障がいのある議員が誕生し注目される中、地方議会でも活躍する人がいます。
 今年4月、豊田市会議員に当選した中島竜二さんは、耳がほとんど聞こえない聴覚障がい者です。今月、障がいがある人たちの代弁者として議会に立ちました。

キャプチャ
豊田市議会での中島市議

生まれつき耳が聞こえない議員

 豊田市議会の本会議場に、引き締まった表情を見せる男性がいました。市議の中島竜二さん(31)。生まれつき、ほとんど耳が聞こえません。

「どこに住んでいても同じように平等にできるようにサービスを受けられるようにしたいという気持ちがあります」(豊田市 中島竜二市議)

キャプチャ2
豊田市議選に立候補し初当選を果たした(4月)

 聴覚障がい者として、ハンディキャップがある弱者の気持ちを行政に届けたい…中島さんは、今年4月の豊田市議選に立候補し、初当選を果たしました。当選時、中島さんは手話を使って決意を次のように語りました。

「全ての人たちにとって、豊田市を日本一のバリアフリーの街にするために頑張っていきます」(中島竜二市議)

キャプチャ3
れいわ新選組 木村英子参議院議員(映像提供 テレビ朝日)

重度障がい者の国会議員誕生も励みに

 議員になってからまもなく半年。中島さんの思いを後押しする出来事が、国会でもありました。

 今年7月の参院選で、れいわ新選組から重度障がい者の木村英子さんや船後靖彦さんが当選。国会のバリアフリー化に向け、新たな風を吹き込んだのです。

「私も国会に入って、いろいろ勉強しながら取り組んでいきたいと思っています」(れいわ新選組 木村英子参議院議員)

 れいわ新選組の2人の当選を受け、中島さんは…

「国会でのバリアフリー化が進められるのではないかという期待があり、その影響で豊田市議会においても大きく変わることを願っています」(中島竜二市議)

キャプチャ4
豊田市議会の挙手採決の様子

豊田市議会ではバリアフリー化が進む

 中島さんの当選を受け、豊田市議会でもバリアフリーに向けて「改善」が進んでいます。

 聴覚障がい者にとって欠かせない「手話通訳者」。その派遣費として、200万円が議会活動費に盛り込まれました。さらに…

「採決の方法を一部簡易採決で『異議なし』と口頭で言うところを、“挙手採決“という形で手を挙げて採決するようにしました」(豊田市議会事務局 近藤雅雄さん)

スマホと電子パネルは手放せない

キャプチャ5
電子パネルを使って取材に応じる中島市議

 中島さんの議員控室には、光と振動で来客を伝える専用の「インターホン」が設置されました。しかし、手話通訳者が派遣されるのは、議員としての活動のみ。

「どういったところで困るのですか」(記者)

「例えば、駅やスーパでの街頭活動や訪問など、個人的な活動については対象外ということになります」(中島竜二議員)

キャプチャ6
筆談用の電子パネルは必須

 個人の政治活動や取材対応の時は、スマートフォンの変換アプリや筆談用の電子パネルが欠かせません。

 先輩議員から見た中島さんは…

「本当に好青年だなというか、感じのいい、雰囲気のいい方だなと思いました。ハンディを背負ってながらも、やる気のある方が出てきたことは、この町にとっては素晴らしいなと思いました」(豊田市 岡田耕一議員)

キャプチャ7
譜面台が置かれ、いよいよ一般質問に臨む

手話を使って初めての一般質問に挑む

 今月3日。本会議場で、譜面台などが設置されました。中島さんが、初めて一般質問の場に立ったのです。
 
「緊張しているよりも不安の方が大きいです。手話通訳者と上手くコミュニケーションを取りながら、スムーズにできるかどうか。あと時間も限られていますので、時間内に終わることができるかも」(質問前の中島竜二市議)

キャプチャ8
手話通訳を通じて質問する中島市議

 与えられた時間は40分。手話通訳を介して、どれだけ多くの情報や思いを伝えられたのでしょうか。

「手話ができる聴覚障がい者と、手話ができない聴覚障害者がいるので、利用者のニーズに応じて対応できるように、さらなる情報バリアフリーの充実をお願いしたいです」(中島竜二市議の質問)

 豊田市には、2万人近くの障がい者が住んでいます。障害福祉課に配置されている手話通訳者の数はどれくらいか、筆談で対応できる「要約筆記者」の派遣制度は充実しているのか。市に対して、様々な質問を繰り出しました。

「現時点では適切な状況であると認識しています。引き続き、手話通訳対応の増減を確認しながら、適切な人員配置を見極めてまいります」(豊田市福祉部 柏谷浩二部長)

 市の担当者は、手話通訳の動きを横目で見ながら、ほかの議員の時よりゆっくりと答弁しました。

初めての一般質問 自己評価は

 質問を終えた中島さんは…

「60点くらいでしょうか。もうちょっと工夫して、自分の意見をもっと入れ込んで伝えればよかったんじゃないかと思うところもあります」(中島竜二市議)

支援者も見守っていた

 中島さんが議員になった影響か、傍聴席には車いすの市民や聴覚障がいをもつ支援者らの姿がありました。選挙前から中島さんの活動をサポートしてきた伊藤さんもその一人です。

「私たちの困っていることを市がどう答えるかが気になって見に行きました」(中島議員の支援者 伊藤友慧さん)

キャプチャ10
支援者の1人 伊藤友慧さんも聴覚障がい者

 選挙前から中島さんの活動をサポートしてきた伊藤さん。母として子育てする中で困ったことがあるといいます。

「子どもに何かあった場合に病院へ行くと、その場には手話通訳者がいないので、呼び出すのにこの間1時間かかったこともあり、その間もどうしたらいいか分からず不安だった」(伊藤友慧さん)

キャプチャ11
「誰もが活動しやすい環境を」

「聞こえない議員」が議会にいる意義

 中島さんは、こうした市民の声を拾い上げ、今まで以上に行政に届けることで、バリアフリー化が進んだ街を目指します。

「(障がいのある議員がいる)意義は大きいと思う。今まで聞こえる議員だけで当たり前だった。誰もが活動しやすい環境を作るのが大事」(中島竜二市議)

(9月24日(火) 15:46~放送 メ~テレ『アップ!』より)




スポンサーサイト



プロフィール

gogotamu2019

Author:gogotamu2019
障害福祉・政治・平和問題の最新ニュース・論説紹介

最新記事

カテゴリ