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<消費税8%から10%>母子家庭 生活苦さらに 新宿の子ども食堂で聞く(2019年9月27日配信『東京新聞』)

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子ども食堂で、美容師に髪の毛を切ってもらう女の子

 消費税増税まであと4日。軽減税率やプレミアム付き商品券の発行といった負担軽減策は盛り込まれたが、今後の暮らしに不安を抱える人は多い。生活に苦しい世帯が対象の子ども食堂「新宿ニコニコ子どもひみつ基地」(東京都新宿区)を利用する母子家庭の人びとに思いを聞いた。 

 9月下旬の夕方。小学3年の女児は生まれて初めて美容師に髪を切ってもらった。最初は緊張していたが、背中まで届いていた長い髪があご下まで短くなったのを鏡で確認すると、「うれしい」。にこっと笑った。

 この日、食堂のガレージに仮設の「無料美容室」ができた。ボランティアの美容師2人が髪形を整えた。節約のため、いつも女児の髪を切る母親(40)も美容室は四年ぶり。「めったに行かないから思い切ったわ」。長かった髪は、流行のショートヘアに様変わりした。

 母子家庭になったのは、女児が赤ちゃんの頃。夫の暴力が原因で、嫁ぎ先から地元の新宿区に逃げてきた。母親は心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症し、今は障害者向け作業所に通う。作業所の収入と、生活保護で得られる月額計12万円をやりくりして暮らす。

 自宅にエアコンはなく、夏の猛暑は扇風機2台で過ごした。一シーズン2500円で借りた畑で野菜を作り、食べ盛りの女児に食べさせる。

 生活保護受給者は、消費税増税時に購入できるプレミアム付き商品券の対象外だ。キャッシュレス決済時のポイント還元は利用できるが、母親はためらいを感じる。「数百円で1日を過ごすのに一定額のチャージ(前払い)が必要で、利用できる場所も限られる交通系ICカードは使いにくい」という。

 この日、調理ボランティアをしていた別の女性(51)は発達障害の高校1年の娘と暮らす。通院や通学に付き添うため、就労は困難だ。「消費税が8%でもきついのに、光熱費や通学定期代がさらに増える。さらに食費を切り詰めるしかない」とため息をついた。

 骨の一部がない障害がある小学1年の娘と一緒に夕食を食べていた女性(43)は「物価も上がっているし、消費税増税は痛い」と嘆く。

 母子2人暮らしで、娘の通院や身体訓練が頻繁にあるため就職できず、アルバイトで生計を立てる。娘の治療費など高額な出費がかさむ不安を拭えず「このままだと、生活保護の受給を考えなければいけない」。消費税を財源にする3~5歳児の保育無償化では所得制限がなくなることに「富裕層向けの政策ばかり進んでいる気がする」とつぶやいた。

 ひみつ基地の利用者は9割以上が母子家庭だ。運営する猪爪まさみさん(63)は「みんな子育て、仕事でくたくた。母子世帯に軽減税率やポイント還元といった情報をキャッチし、使いこなす時間は少ない」と指摘。「離婚後に養育費が払われるようにするとか、新卒ではなくても正社員になれる就労支援など、自立を促す支援こそが必要です」と強調した。

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子ども食堂で夕食をとる子どもたち=いずれも東京都新宿区で




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