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葬儀の生前契約で高齢者を支援 静岡・熱海市が仲介(2019年10月6日配信『朝日新聞』ー「社説」)

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図版熱海市終活支援事業の登録カード=2019年9月27日、静岡県熱海市役所

 静岡県熱海市が高齢者の終活支援事業で、葬儀・埋葬の生前契約の仲介を始めた。身寄りのない一人暮らしの人が対象だ。同様の事業は神奈川県の横須賀、大和両市などが実施しているが、「静岡県内では先進的な取り組み」(斉藤栄・熱海市長)とされる。最期への不安を抱く住民は、自治体にどんな役割を期待できるのだろうか。

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広報紙がエンディングノートに 全7ページ、全戸に配布

 熱海市は今年度、高齢化率が県内の市で最高の47%で、一人暮らしの高齢者は約6300人。市は高齢者が終活で自らの情報や考えを書き込む「だいだいノート」を昨年秋から希望者に配布。延命治療の希望の有無を含む医療・介護欄、財産の欄、緊急連絡先、葬儀・墓の欄などがあり、「好きなところから書き始めましょう」と呼びかける。

 だいだいノートは今年9月までに約3千部が希望者に配られ、斉藤市長は「自治体がやっていいことなのかどうか躊躇(ちゅうちょ)もあったが、需要が多く、希望が多いことがわかった」と指摘。葬儀・埋葬契約の支援も「ご高齢者の安心度が高まる」との判断から今年8月に始め、終活支援事業「あんしん」と呼ぶ。

 「あんしん」の手続きはまず高齢者が市長寿支援室に相談。葬儀社7社から希望する葬儀・埋葬を選び、契約する。火葬だけを行う直葬は約28万円を基準に支払う。本人の希望で増額し、他の形式も選べる。

 契約した高齢者は市がすでに配った救急医療情報キットに「あんしん」の登録証を入れ、冷蔵庫に保管。登録カードは携帯する。

 キットには、血液型、常用する薬、かかっている病気などを記入した用紙も入れて、急病や事故の際の救急隊員らの速やかな対応に役立てる。契約者の死後、市は登録証を確認し、葬儀・埋葬を見届ける。

 長寿支援室にはこれまで20人以上が「あんしん」の相談に訪れた。このうち男女各1人が登録し、男性(85)は「自分の最期のことはちゃんとしておきたいと思っていた。とても良い制度だと思う。これからも安心して暮らすことができる」と話したという。

 市はだいだいノートの保管場所を親しい人に伝えるよう高齢者に助言している。斉藤市長は「救急医療情報キット、だいだいノート、『あんしん』を連携し、安心できる終活につなげたい」と話した。

     ◇

 横須賀市は2015年、収入や貯金の少ない一人暮らしの高齢者を対象に、葬儀の生前契約の支援を始めた。昨年5月からは全市民を対象に、延命治療に関する希望、遺言書を置いた場所、墓の所在地などを登録できる制度を運用。「終活情報登録伝達事業」と名付け、利用者は登録カードに希望する項目だけを記入する。今年9月末までに159人が登録したという。

 大和市は16年に「身よりがなく、経済的に困っている高齢者」を対象に葬儀の生前契約の支援を開始。昨年からは家計の条件を外して「自身の死後に不安を抱える人」を主な基準とし、対象を拡大した。

 さらに生前契約で登録カードを発行した人に対し、市が定期的に安否を確認することや、死後の遺品整理を希望する場合は司法書士や行政書士と連絡を取ることも事業に盛り込んだ。

 大和市などで終活支援を助言してきた武藤頼胡(よりこ)・終活カウンセラー協会代表理事は「(静岡県で)熱海市が終活のサービスを始めたのは素晴らしい。ただ、家に閉じこもりがちな人にはサービスの情報が届きにくく、民生委員が対面で知らせることなどが必要になる。葬儀社の選定に関し、何をもって良い会社と判断するのか、基準値の整備も求められる」と話した。

 武藤さんによると、民間の終活カウンセラーへの相談は①墓②相続③葬儀の順に多い。「葬儀は二日で終わるが、何十年も続く墓は悩みが大きい。墓じまいのことや、お寺との離檀(りだん)をどうするかと。カウンセラーは終活の水先案内人で、全国に約2万人います。一歩目を踏み出したい時に活用して下さい」と語る。

 問い合わせは終活カウンセラー協会(03・6426・8019)へ。

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