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神戸の教員間暴力 現場のモラルの再徹底が必要だ(2019年10月16日配信『愛媛新聞』ー「社説」)

 教育者失格の行為だ。神戸市の市立小学校で、20代の男性教諭が先輩教諭4人からさまざまな暴行や暴言を受け、欠勤している問題が明らかになった。

 加害者は30~40代の男性教諭3人と女性教諭1人。学校運営の中心的存在で、子どものいじめ防止の取り組みに関わっていたというから、信じがたい。保護者の不信感、子どもの心の傷の大きさは察するに余りある。市教育委員会は速やかに経緯や責任の所在を調査し、再発防止を図る必要がある。教員としてあるべきモラルを改めて現場に徹底させ、学校への信頼回復に努めなければならない。

 市教委によると、9月に被害者の男性教諭の家族から訴えがあり、問題を把握した。昨年以降、女性教員に性的メッセージを送るよう強要されたり、車の上に乗られたり…。羽交い締めにされ激辛カレーを食べさせられている動画まである。男性教諭は50種類以上のいじめがあったと申告。加害者は事実上の謹慎となっている。他に20代の教員3人が暴言やセクハラを受けた。教育の場で人権侵害がまん延するという異常な事態だ。

 男性教諭は採用1年目に市立小学校に赴任した当初から、先輩の過度なからかいの対象になり、次第にエスカレートしたとみられる。加害者は「嫌がっていると思わなかった」「仲が良いと思っていた」などと子どもじみた弁解をしている。経験が浅い後輩に対しサポートこそすれ、嫌がらせを繰り返すなど先輩として許されない。

 学校の対応も不適切だった。昨年12月、在籍していた前校長に面談で被害を打ち明けようとした男性教諭に、前校長は「いじめられてないよな」などと諭したという。状況を見かねた教員から今年2月に相談を受けても前校長は詳しい調査を怠り、教頭だった現校長に引き継がなかった。現校長も暴行などを6月に把握したが、市教委に詳細を伝えなかった。問題を放置したと言わざるを得ない。

 学校は外部の目が届きにくい閉鎖的空間で、人間関係が固定されている。その中で事なかれ主義が常態化し、リーダー的な教諭の暴走を止められなかったのではないか。

 「神戸方式」と呼ばれる独自の人事制度が背景にあるとの指摘もある。教諭が校長に希望校を伝え、校長間の相談で一部の異動が実質的に決まるものだ。加害者のうち2人は前校長と親しかったとの証言もあり、周囲が関係を気遣って注意しづらかった可能性もある。再発防止に向けては一過性の対応で済ますのではなく、学校管理や人事、市教委との連携など幅広い面で見直しが必要だろう。

 被害者側は兵庫県警に被害届を提出した。職場復帰を目指しており、市教委には万全の支援が求められる。教員に裏切られた形の子どもたちも被害者だ。十分な心のケアに努め、落ち着いて学べる環境を確保しなければならない。




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