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東京五輪 ボランティアで成功支えたい(2019年10月17日配信『読売新聞』ー「社説」)

 2020年東京五輪・パラリンピックの運営を担うボランティアの研修が始まった。「おもてなし」の精神で、大会の成功を支えてほしい。

 大会期間中、12万人以上がボランティアに携わる。このうち8万人は競技場や選手村で活動し、4万人以上が空港や主要駅などで観光客らを案内する。

 競技場のボランティアは、6割を女性が占め、外国籍者も12%いる。10代から80代まで、各年代からバランス良く採用した。競技場を訪れる人たちの幅広いニーズに対応することが期待される。

 仕事の内容には、持ち物検査の補助や競技用具の管理、大会関係者を送迎する車両の運転まで含まれる。重要な役割も多い。

 事故やトラブルが起きぬよう、組織委員会は研修を重ね、ボランティアには仕事にしっかり習熟してもらう必要がある。

 暑さ対策にも万全を期したい。今夏のテスト大会では、飲料や冷却シートをスタッフに配り、暑さを軽減する一定の効果があった。直射日光を遮るテントの設置や、小刻みな勤務交代など、出来うる限りの対策を講じるべきだ。

 一方、ボランティアの人たちが異文化への理解を深めておくことも重要である。日本では当たり前のジェスチャーが、一部の外国人に不快感を与えることもある。

 障害者の支え方も心得ておきたい。視覚障害者の目の代わりとなる白杖(はくじょう)はつかまない。車いすを動かす時や止める時には不安を与えぬよう、必ず声をかける。こうした細かな心配りが求められる。

 注意すべきは、ボランティアによるSNSでの発信だろう。自身の活動を紹介するのは問題ないが、競技会場で選手を撮影すれば、試合前の集中を乱してしまう。画像の無断投稿は、プライバシーの侵害につながりかねない。

 今春、九州のマラソン大会のスタッフが、ブログでアフリカの選手に差別的な表現の書き込みをする不祥事があった。軽率な行為が国際的な大会に傷を付けることを肝に銘じなければならない。

 競技場などで活動する8万人のボランティアには、今回20万人以上の応募があった。大会への高い関心がうかがえる。

 東京五輪の基本理念には、すべての日本人が世界中の人々を歓迎することが掲げられている。街角で困っている観光客に声をかけるなど、出来る手助けは多い。

 ボランティアを含む多くの人が笑顔で外国人に接することが、大会の印象を明るくするだろう。




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Author:gogotamu2019
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