点字毎日 チュプキ製作の映画完成 クラウドファンディングも呼びかけ(2022年8月21日配信『毎日新聞』)

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 東京都北区の国内唯一のユニバーサルシアター「CINEMA Chupki TABATA(シネマ・チュプキ・タバタ)」が初めて製作した映画「こころの通訳者たち」を10月1日から上映する。上映に先立ち、8月3日の試写会では同館代表で、バリアフリー映画鑑賞推進団体「シティ・ライツ」の代表でもある平塚千穂子さんがあいさつ。「評論家に『オールスターキャスト映画』と評された。(出演した)皆さん魅力的で、一人一人の有りようを見るだけでも明るい気持ちになる」と自信を見せた。(1面にカラー写真)

 製作のきっかけとなったのは「舞台手話通訳」の仕事ぶりを描いた短編ドキュメンタリー「ようこそ 舞台手話通訳の世界へ」(NPO法人シアター・アクセシビリティ・ネットワーク製作)。演劇公演を聞こえない人により伝わるよう奮闘する手話通訳を追った作品だ。これを見えない人にも伝えるため音声ガイドを付けようと、平塚さんらが手話通訳士らと粘り強く対話を重ねる姿を収めたのが「こころの通訳者たち」だ。





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イントロダクション

見えない人、聴こえない人、車いすの人、小さなお子様を連れた人、誰でも一緒に映画を楽しむことができる日本で唯一のユニバーサルシアターのシネマ・チュプキ・タバタでは、上映する全ての映画音声ガイドと字幕をつけている。そんな映画館にある相談が持ち込まれたことから2021年9月、本作の撮影がスタートした。

耳の聴こえない人にも演劇を楽しんでもらうために挑んだ、

3人の舞台手話通訳者たちの記録。

その映像を目の見えない人にも伝えられないか?

見えない人に「手話」を伝えるには。

コロナ禍のなかで進行した、見える人、見えない人、聴こえる人、聴こえない人たち個性豊かなメンバーによる「音声ガイド」づくり。ちょっと無茶かも・・・と思われたアイデアから見えない人と聴こえない人にも対話が生まれ、互いに知らなかったことに気づいていく。 演劇との架け橋になろうとした舞台手話通訳者たちの想いを伝えようと、壁にぶつかりながらも音声ガイドづくりを「諦めない」メンバーたちの想いが重なり、いつしか言語を超え、障害のあるなしを超えて、『こころ』のバトンを繋いでいく。

シネマ・チュプキ・タバタ

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2001年から視覚障害者の映画鑑賞を言葉でサポートしてきたバリアフリー映画鑑賞推進団体 City Lightsが、2016年9月。1800万円の募金を集めて設立した、座席20席の小さな映画館。見えない人、聴こえない人、車いすの人、小さなお子様を連れた人、誰でも一緒に映画を楽しむことができる、日本で唯一のユニバーサルシアター。全ての映画にイヤホン音声ガイドと日本語字幕をつけて上映している。

舞台手話通訳とは

演劇を聴こえない人にも楽しんでもらうため、舞台作品の進行に合わせて手話で台詞や情景を伝える同時通訳のこと。通常の手話通訳とは異なり、演出家の指導のもと、通訳者も1人の出演者として役者と同じ衣装を着て、舞台に立つ。 本作は、3人の舞台手話通訳者たちが挑んだ『ようこそ 舞台手話通訳の世界へ』との二重構造になっている。

音声ガイドとは

映画を見えない人にも楽しんでもらうため、映像の視覚的な情報を「言葉」で補うナレーションのこと。台本制作には、視覚障害者もモニターとして参加し、聴いてイメージがわくか? ストレスがないか?など の 意見交換をして制作する。





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