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魂の叫び(戦没学生の遺稿集)(2019年10月20日配信『佐賀新聞』ー「有明抄」)

 〈お母さん、とうとう悲しい便りを出さねばならないときが来ました。親思う心にまさる親心 今日のおとずれなんときくらん この歌がしみじみと思われます〉。特攻隊員として沖縄で戦死した学徒兵が母親に送った最後の手紙である

◆手紙は続ける。〈母チャンが私をたのみと必死でそだててくれたことを思うと、何も喜ばせることができずに、安心させることもできずに死んでいくのがつらいです〉。太平洋戦争の戦没学生の遺稿集『きけわだつみのこえ』に掲載されている

◆刊行は1949年10月20日。きょうで70年になる。出征前や特攻隊員として出撃する直前、親や友人にあてた手紙や手記。第1集には75人の遺稿が収められ、生と死のはざまで国を憂い家族を思う心情がつづられている

◆ビルマで戦死した若者は書く。〈真の平和をいうならば、武力の戦が終わっても、資源戦、経済戦など結局人類の滅亡まで、平和は到来しないであろう〉。戦犯として刑死した学徒兵の言葉もある。〈「精神的」なる言語を吐きながら、内実においては物欲、名誉欲、虚栄心以外の何ものでもなかった軍人達(中略)しかし国民はこれらの軍人を非難する前に、かかる軍人の存在を許容し、また養ってきたことを知らねばならない〉

◆戦争への疑問、絶望。今に届いているか。魂の叫びが胸をつく。




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