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萩生田文科相は「身の丈」発言に反省なし! 受験費用の問題なのに「入学したら給付型奨学金で補填できる」と国会答弁(2019年10月30日配信『リテラ』)

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 大学入学共通テストへの英語民間試験導入をめぐる、萩生田光一文科相の「身の丈」発言に批判が高まっているが、本日おこなわれた衆院文科委員会で、萩生田文科相はこんな見苦しい言い訳を口にした。

「裕福な人たちのほうが有利なんだってことを私は容認したんじゃなくて、逆にですね、自分できちんと、その、精度を磨いて、ぜひ2回を選んでもらってがんばってほしいという趣旨で発言をしたんで」

 厚顔無恥とはこのことだろう。一体いったいどうやったら「身の丈に合わせて」という発言が、「精度を磨く」という意味に置き換えられるのか。

 萩生田文科相の“暴言”をあらためて振り返ると、24日に生出演した『BSフジLIVE プライムニュース』(BSフジ)において萩生田文科相は、居住地域や家庭の経済状況によって不公平が生じるという批判が起こっていることについて問われ、こう答えた。

「あの、そういう議論もね、正直あります。ありますけれど、じゃあそれ言ったら、『あいつ予備校通っててずるいよな』って言うのと同じだと思うんですよね。だから、裕福な家庭が(民間試験を)回数受けて、ウォーミングアップできるみたいなことは、もしかしたらあるかもしれないけれど、そこは、自分の、あの、私は身の丈に合わせて、2回を選んで、きちんと勝負してがんばってもらえば」

 文科大臣が国の施策である大学入学共通テストを「予備校通い」と同列に論じる自覚のなさ。しかも、この「予備校」というたとえを持ち出したことこそ、萩生田文科相が経済格差容認・貧乏人差別の文脈で「身の丈」と発言したことの証明でもある。

 周知のように、経済格差が広がり一般家庭の生活水準が下がっているこの国では、子どもが志望大学に落ちても経済的理由から浪人させられないという家庭が急増している。つまり萩生田文科相は、貧乏人が予備校に通えなくても当たり前なのと同じように、貧乏人が英語民間試験を2回しか受けられなくても当たり前、貧乏人は「身の丈」に合わせればいい、と言い放ったのだ。

 報道では、萩生田文科相は「身の丈」発言を撤回・謝罪したことになっているが、こんな見苦しい釈明をしているというのに謝罪もへったくれもないだろう。

 というよりも、ほんとうの意味で萩生田文科相はいまも「身の丈」発言について何の反省もしていないことが、きょうの文科委員会では露わになった。

 萩生田文科相は「身の丈」発言のあと、「人生のうち、自分の志で1回や2回は故郷から出てね、試験を受けるとか、そういう緊張感も大事かなと思うんで」とも発言。このことについて、文科委員会では共産党の畑野君枝議員が「遠くに行かないといけない、つまり近くに会場がない精度だというふうに思っているのか」と追及したのだが、それに対して萩生田文科相はこう答弁したのだ。

「私、そうじゃなくて、いろいろ厳しい環境はそれぞれ人によって異なるものがあるけれど、それに負けるなという思いで発した言葉でございます」

 いま求められているのは居住地域によって受験生に地域格差が生まれない制度に見直すことだが、それを格差を生もうとしている当の責任者が「厳しい環境に負けるな」と言う……。ようするに、「自己責任でどうにかしろ」と言っているようなもので、「身の丈」発言と何ら変わらないではないか。

 受験に5万円以上かかることを指摘されても「一定の負担はおかけする」と開き直る萩生田
萩生田文科相はこのほかにも、さらに絶句するような答弁を連発した。

 たとえば、もっとも高い英語民間試験はIELTSで、2回受けると5万760円もかかるのだが、国民民主党の城井崇議員は「経済的に厳しい生徒でも負担可能か」と質問。すると、萩生田文科相はこう答えたのだ。

「経済的に困難な受験生がどの程度の検定料等であれば負担可能かどうかは一概に申し上げられません」

 最大で5万760円もかかるというのに、「経済的に困難な受験生が負担可能かどうかは一概に申し上げられない」って──。しかも、萩生田文科相は軽減される場合の金額についても「軽減額は試験団体において検討中」と民間に丸投げした上、「一定のご負担はおかけにするということになる」と述べたのである。

 萩生田文科相は経済的に困窮した家庭にとって5万760円の出費がどれほど大きいものなのか、想像もできないというのか。しかも、受験生が負担しなければならないのは英語民間試験の費用だけではない。大学入学共通テストの検定料は現行のセンター試験と同額に据え置く方針(センター試験は3教科以上で1万8000円、2教科以下で1万2000円)だというが、それにプラスして国公立大の個別(2次)試験では1校につき平均1万7000円、私立大の一般入試も3万~3万5000円、医学系などの大学の場合には4万円以上かかることもある。その上、英語民間試験対策のための参考書などの費用もかかってくる。「一定のご負担」どころの話ではないのだ。

 そして、ここに地域格差までもが加わる。城井議員は「北海道の稚内に住む受験生が、語学力の国際標準規格CEFRでいうC1以上をめざす場合」を例として取り上げ、導入される民間試験で費用が比較的安い「GTEC」のCBTタイプを2回、練習受験を1回、民間試験実施団体の公式教材を仮に6000円で購入した場合、交通費も含めると7万3500円もかかると指摘。稚内市内から札幌までは往復10時間以上かかるため、さらにここに宿泊費がかかることになるが、これが「最低ライン」なのだ。

〈経済的地位によって、教育上差別されない〉と定めた教育基本法をまったく理解していない萩生田文科相の答弁

 しかし、ここまで現実的な負担額を目の前に突きつけられても、萩生田文科相は平然とこう答弁したのだ。

「一概にその金額が(経済的に厳しい受験生にとって負担が)可能かどうかということを私が特定することは極めて困難ですけれど、たとえば経済的に困難な方が受験をしたのちに入学すれば、給付型の奨学金でこの費用を補填する仕組みもできあがっている」

 この答弁には委員会室がざわつき、城井議員も「大学生活に使うお金を先食いして使えというのは相当無責任な発言」と非難したが、「給付型奨学金制度があるから受験費用は負担しろ」などと言うのは〈経済的地位によって、教育上差別されない〉と定めた教育基本法を萩生田文科相がまったく理解していないことのなによりの証拠だ。

 しかも、萩生田文科相は「近くで試験が受けられるようにする」と強調するが、具体策をつっこまれると「試験団体に会場の追加設置を要請している」とまたも民間に丸投げ。一方、 “離島に居住する高校生にかかる交通費や宿泊費は国が2分の1を補助する措置のために概算要求している”とアピールしたが、稚内の受験生のケースの場合はどうかと尋ねられると、「現状では支援メニューをいまのところ用意していない」と補助対象から外れることをあっさり認めたのだ。

 大学入学共通テストをめぐってはこのほかにも問題点が山のように指摘されているが、「地域・経済格差を拡大させる」という問題ひとつをとっても、このように何ひとつ解決されていない状態にある。なのに、萩生田文科相は具体的な試算によって多大な負担を強いることになる現実を突きつけられても「受験生が負担が可能かは自分には特定できない」などと知らんぷりして「厳しい環境に負けるな」と精神論を振りかざしているのである。ようするに、いまだに「身の丈に合わせろ」としか言っていないのだ。

 文科大臣が経済格差による教育格差を容認し、事実上「地方の貧乏人は身の丈に合わせろ」と言い放つという異常事態は、何ら解消されていない。萩生田文科相は「仮にいまの状況より混乱が進むようなら、(民間試験の実施延期を)考えなくてはならないという気持ちもある」とも答弁したが、すでに混乱しているのだから早急に延期を決定するべきであり、格差を容認する萩生田氏に文科大臣の資格はないとあらためて突きつけておきたい。




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