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沖縄米軍の降下訓練 ルール無視が同盟損なう(2019年10月31日配信『毎日新聞』-「社説」)

 在日米軍が沖縄の嘉手納(かでな)基地でパラシュート降下訓練を行った。防衛省が中止を要請する中で日米の合意を逸脱する行為が繰り返された。

 降下訓練は航空機から人員や物資を投下する。海外に展開する米軍の即応態勢の維持に必要ではあるが、誤って基地外に落下すれば重大な事故につながる危険がある。本土復帰前にはトレーラーが落下して女児が死亡する事故が起きている。

 かつては沖縄本島にあった読谷(よみたん)補助飛行場が訓練場所だった。県が飛行場の返還を強く求め、1996年の日米特別行動委員会(SACO)合意に基づき伊江島に移転された。

 にもかかわらず、市街地に囲まれた嘉手納で行われるようになり、これまでに計13回、今年に入って4回目になる。米側は「例外的な場合」に限って嘉手納を使用するとした別の合意を2007年に日本側と交わし、それを根拠としてきた。

 今回は伊江島の悪天候を理由として27日に日本側へ通告し、29日の日没後に実施した。しかし、同日の昼間に伊江島でも行っている。

 視界の悪い夜間は海上に落下した場合の捜索が難しい。そうした危険のない嘉手納での夜間訓練を当初から想定していた疑念も拭えない。県や嘉手納町は強く反発している。

 河野太郎防衛相が「天候は例外事由に当たらない」と批判したのは当然だ。これに対し、在日米軍司令部は例外の解釈について「定期的に行われないことを意味する」との反論をフェイスブックに掲載した。

 これでは不定期の体裁をとればいつでも恣意(しい)的に嘉手納で訓練できることになり、常態化しかねない。解釈の相違を長らく放置してきたのだとすれば、日本政府の責任は重い。

 防衛省はこれまでも訓練通告があれば中止を求めてきたというが、どこまで真剣に交渉したのか。河野氏は閣僚レベルで話し合う考えを示した。本気で談判してもらいたい。

 そもそも伊江島ならいいという問題ではない。沖縄全体の負担軽減になることを前提に、伊江村が苦渋の判断で受け入れたものだ。その原点を忘れ、ルール無視がまかり通るようでは不信感が増すばかりだ。

 河野氏は「日米同盟の維持強化に反する」とも指摘した。このままでは同盟関係を損ないかねない。






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