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田舎の母子家庭で育った身としては聞いているだけでくやしくなる(2019年10月31日配信『東京新聞』-「筆洗」)

 小咄(こばなし)に「耳かきの松竹梅」というのがある。耳かきを商売とする男に、客が尋ねる。「松というのはどんなんだい」「耳かきの先が金でできていますな」「竹は?」「象牙で」「梅は?」「クギの頭で…」

▼「身の丈に合わせて頑張ってもらえれば」。それは経済的に余裕のない受験生と親に向かって「クギの頭でおやんなさい」と言っているのと同じだろう。大学入学共通テストで使われる英語民間試験をめぐる萩生田光一文科相の発言である

▼試験は1回2万円を超えるものもあるというから結構な額である。3年時に2回受験して、大学受験の合否判定に使われるが、事前の腕試しもできる。経済的に恵まれた受験生は練習受験ができるなど、家計の事情で有利不利が生まれやすい制度である

▼で、どう解決するのかと思えば「身の丈で」。金がなければ、本番の2回だけで頑張れでは経済格差もしかたないと認めてしまっている。話は最も公平であるべき教育、受験である

▼試験は都市部に集中し、離れた場所に住む受験生は交通、宿泊費など負担はかさむ。田舎の母子家庭で育った身としては聞いているだけでくやしくなる

▼試験は英語の「聞く・話す・読む・書く」を測るそうだが、この大臣は日本語で受験すべきだろう。恵まれぬ者の声を聞き、思いやりある言葉を話し書き、人の心を読む技能。測るまでもなかろう。




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