FC2ブログ

記事一覧

障害者の搭乗拒否「人権侵害」 日弁連、シンガポールの航空会社に改善要望(2019年10月31日配信『毎日新聞』)

 電動車椅子を利用する男性を航空機に搭乗させなかったのは人権侵害に当たるとして、日本弁護士連合会は30日、シンガポールの格安航空会社「ジェットスター・アジア航空」に対し、改善措置を講じるよう求めた要望書を公表した。

 日弁連によると、搭乗を拒否されたのは、兵庫県の40代の男性。脳性まひにより自力で歩くことができず、普段から車椅子を利用している。男性は2014年9月10日、「単独でトイレに行けない」との理由で、同社からバンコク—福岡便への搭乗を拒否されたが、翌日に同社の別の航空機で帰国した。

 男性は15年5月、日弁連に人権救済を申し立てていた。

 日弁連は29日付の要望書と調査報告書で、男性が過去にも機内用の車椅子を使うなどして1人でトイレまで移動していたと指摘。搭乗拒否は「男性の身体状況などの不正確な理解・情報に基づいてなされた」とし、人権侵害に当たると認定した。

 そのうえで同社に対し、搭乗条件に該当するかを合理的に判断するためのマニュアルの整備、障害者の権利に配慮するための社員研修を行うことを要望した。

 同社は「(日弁連の)要望内容を丁寧に確認したい」とのコメントを出した。



車椅子使用者の航空機単独搭乗拒否に関する人権救済申立事件(要望) 要旨(日弁連)

申立人は脳性麻痺の身体障害があり、移動の際に電動車椅子を使用する人であるが、2014年6月27日に相手方会社の福岡発バンコク行きの往路便及びバンコク発福岡行きの復路便を同時に予約し、同年7月23日電動車椅子の航空機貨物室搭載承認を得た上、往路便(同年8月25日)に単独搭乗し、復路便(同年9月10日)に単独搭乗しようとしたところ、相手方会社は単独でトイレに行くための条件を満たさないという理由で申立人の搭乗を拒否し、申立人はバンコクの空港に取り残された。 

相手方会社の客室乗務員は申立人が相手方会社の定める単独搭乗条件を満たさないと判断し、機長が単独搭乗を拒否するとの決断をしたが、この客室乗務員の判断及び機長の決断は申立人の身体状況等について不正確な理解・情報に基づいてなされたものであり、往路便に単独搭乗できたこと等本件の諸事情を客観的に判断すれば、申立人は単独でトイレに行くことができたことから、相手方会社が申立人の単独搭乗を拒否したことは輸送の安全確保等の目的のために必要かつ合理的な範囲の制約であるとは言えず、本件搭乗拒否は、申立人の人権を侵害するものと言うべきであるとして相手方会社に以下のとおり要望した事例。

障害のある人の移動の自由及び平等権等の重要性を確認し、障害者に対する合理的配慮を求める障害者の権利に関する条約の趣旨を踏まえて、

(1) あらかじめ相手方会社の定める単独搭乗条件に該当するかどうかを合理的に判定するためのマニュアルを作成すること(相手方会社運送約款及びBグループ(相手方会社が所属する)のウェブサイトにおける単独搭乗条件や歩行困難者に対する介助を行う事項に関する記載に合理的配慮を行う旨の追記をすることを含む。)。
(2) 地上職員、客室乗務員及び機長、その他の全従業員に対し、障害のある人の移動の自由及び平等権等の重要性並びに障害者の権利に関する条約の趣旨の理解を徹底させるとともに、前項のマニュアルを実施するための研修を行うこと。


車椅子使用者の航空機単独搭乗拒否に関する人権救済申立事件(要望) 全文➡ここをクリック(タップ)




スポンサーサイト



プロフィール

gogotamu2019

Author:gogotamu2019
障害福祉・政治・平和問題の最新ニュース・論説紹介

最新記事

カテゴリ