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相次ぐ閣僚辞任が映す長期政権の緩み(2019年10月31日配信『日本経済新聞』―「社説」)

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辞任を表明し、頭を下げる河井法相(31日午前、首相官邸)

わずか1週間で閣僚が2人も辞める異常事態である。安倍晋三首相は自らの任命責任を認めて陳謝したが、9月の内閣改造が本当に適材適所の人事だったのか疑問符がつく。長期政権による慢心が政権運営の緩みにつながっていないか厳しく省みるべきだ。

河井克行法相は31日、7月の参院選で当選した妻の河井案里氏の事務所が運動員に法定額を超える報酬を支払っていたとの週刊文春の報道を受けて辞任した。自身の関与は否定したが、支払いが事実なら公職選挙法が禁じる運動員買収にあたる恐れがある。

安倍政権では経済産業相だった菅原一秀氏が「地元で秘書が有権者に香典を手渡した」などと報じられ、辞任したばかりだ。公選法違反が問われる疑惑での閣僚の相次ぐ辞任は、国民の政治不信を高めかねない。

首相は河井氏の辞任を受けて記者団に「任命したのは私で、責任を痛感している。国民の皆様に深く心からおわびしたい」と強調した。責任を自覚するのであれば自民党として元閣僚の疑惑に関する事実を確認し、国会できちんと説明させるべきではないか。

疑惑が露見したら野党の追及を受けないうちに閣僚がすぐに交代し、あとの説明は本人任せというのでは無責任だ。ことは選挙の公正さや政治家の身分にかかわる重大なテーマである。

9月の内閣改造では首相や菅義偉官房長官らの側近、主な派閥の推薦によるベテラン議員の処遇が目立った。菅原、河井両氏は菅長官と近く、初入閣ながらともに重要閣僚に抜てきされた。

2012年末の第2次安倍政権の発足以降、閣僚の辞任はこれで10人になった。政権の発足当初は人材登用に幅があったものの、近年は政治手腕や専門知識、人柄よりも気心が知れた議員を優遇する傾向が強まったように見える。

閣僚に限らず、与野党で公選法や政治資金規正法に絡む問題があとを絶たないのは残念だ。現行制度が選挙運動や政治活動の実態とあわないのなら、与野党で改めて議論すればよい。だがそれは今のルールを軽んじていいということには決してならない。

まずは指摘された疑惑の徹底解明が急務である。とかげの尻尾切りのような対応を続けていては、意味ある再発防止策は出てこない。このままでは政権や自民党、政界への不信感が増すばかりだ。




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