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全身が痛む難病に襲われた弟 闘病の軌跡、姉が本に(2019年11月2日配信『朝日新聞』)

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外出できたころの佐藤尚良さん(右)と對馬映子さん=2014年、栃木県那須町、對馬さん提供

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むつ総合病院に入院中の佐藤尚良さん=2018年8月、對馬映子さん提供

 青森県むつ市大湊の1級建築士、佐藤尚良(なおよし)さん(67)は、市内の病院で、全身が痛む難病など多くの病と闘い続けている。闘病の苦しい日々を、周囲の支えで乗りきってきた。そんな佐藤さんの半生を、姉の對馬(つしま)映子さん(70)が著書「弟史~漂えど沈まず 佐藤尚良~」につづった。

 首都圏の大学で建築を学んでいた佐藤さんが体の異変に気付いたのは、大学3年の時だった。

 最初は腰痛だと軽く考えていたが、股、ひざ、肩関節へと痛みが広がり、休学せざるを得なくなった。地元に戻って病院で診察を受けたが、原因はおろか、病名すらわからなかった。

 事情を知ったむつ市内の建設会社の社長が、住宅や事務所の設計図を引かせてくれた。闘病しながら描いた設計図がたまってきたころ、大学の担当教授から「このままでは退学になる」と連絡があった。

 佐藤さんがこれまでに描いた設計図を送ると、教授は「これだけの図面が引けるなら、十分卒業に値する」と特別に単位を与えてくれた。卒業証書を手にした佐藤さんは勉強を続け、38歳で1級建築士の国家試験に合格。両親のために自宅の設計図を作り、親孝行することもできた。

 その間も病状は進んだ。転院を繰り返し、弘前大学病院でようやく判明した病名は、国指定の難病「強直性脊椎(せきつい)炎」。原因不明のリウマチ性疾患だった。

 歩行が困難になり、やがて背中や首が曲がらなくなった。耳下腺がんを発症、甲状腺摘出手術もした。60歳ごろから徐々に視力を失った上、自宅で転倒して頸椎(けいつい)を骨折、手足が動かなくなった。今は病床から動けない。

 病床には、高校時代の恩師や友人、会社の元同僚らが、ひっきりなしに見舞いに訪れる。

 友人の武川芳樹さん(69)は佐藤さんを「人柄がよく、みんなに愛される」と言う。高校の陸上部仲間だった宮川淳一さん(67)は「とにかく人望の厚い男だ」。見舞客が訪れるたび、佐藤さんはうれしそうな表情を見せる。

 對馬さんは「毎日のように病室に来てくれる親戚や友人たち、医療関係者の方々の励ましがなかったら、今の弟はいない」と思った。「お世話になった方々に感謝の気持ちを伝えるために、弟の人生を本にまとめたい」。今年3月、人生の足跡を本にまとめる「朝日自分史」の相談会に参加した。

 できあがった著書では、「建築士として歩んだ人生に悔いはない」という佐藤さんの言葉も紹介した。「命を大切にする弟の生き様を本に残すことができてよかった」と對馬さん。作った100部の本は、弟を支えてくれた人たちに渡している。




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